深夜図書

不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

村上春樹

約束された場所で―underground 2/村上春樹~信じたい人がいるから信じるっていうのは難しい~

≪内容≫ 救いを求めて旅だった若者たちはなぜこんな所に辿り着いてしまったのか?地下鉄サリン事件を生んだ「たましい」の暗闇に村上春樹が迫る。オウム信者徹底インタビュー。 自分的に衝撃だった一冊。 オウム関連の本は前作のアンダーグラウンドと本作しか…

アンダーグラウンド/村上春樹~開いてはいけない扉がある~

≪内容≫ 1995年3月20日の朝、東京の地下でほんとうに何が起こったのか。同年1月の阪神大震災につづいて日本中を震撼させたオウム真理教団による地下鉄サリン事件。この事件を境に日本人はどこへ行こうとしているのか、62人の関係者にインタビューを重ね、村上…

村上春樹、河合隼雄に会いにいく~大前提として人を傷付けたくはない~

≪内容≫ 村上春樹が語るアメリカ体験や1960年代学生紛争、オウム事件と阪神大震災の衝撃を、河合隼雄は深く受けとめ、箱庭療法の奥深さや、一人一人が独自の「物語」を生きることの重要さを訴える。「個人は日本歴史といかに結びつくか」から「結婚生活の勘ど…

若い読者のための短編小説案内/村上春樹~読書するために必要なのは、その物語を受け入れる気持ちだけ~

≪内容≫ 戦後日本の代表的な作家六人の短編小説を、村上春樹さんがまったく新しい視点から読み解く画期的な試みです。「吉行淳之介の不器用さの魅力」「安岡章太郎の作為について」「丸谷才一と変身術」…。自らの創作の秘訣も明かしながら論じる刺激いっぱい…

中国行きのスロウ・ボート/村上春樹~物をもらい慣れるというのも偉大な才能のひとつ~

≪内容≫ 青春の追憶と内なる魂の旅を描く表題作ほか6篇。著者初の短篇集。 あぁ村上春樹って成長しているんだなーと思いました。 本作は1986年の本で、私が今まで読んだ村上作品は、この本より後に出されたものが大半です。 まだ洗練されていない青年のような…

夢で会いましょう/村上春樹,糸井重里~本に何か教訓や希望を求める人には全く持って向いていない本~

≪内容≫ 強烈な個性と個性がぶつかりあう時、どんな火花が飛び散るか――それがこの本の狙いです。同時代を代表する2人が、カタカナ文字の外来語をテーマにショートショートを競作すると、こんな素敵な世界があらわれました。さあ、2種類の原酒が溶けあってでき…

みみずくは黄昏に飛びたつ~私が村上春樹の作品に惹かれる理由~

≪内容≫ 芥川賞作家にして、少女時代からの熱心な愛読者が、村上春樹のすべてを訊き尽くす。騎士団長とイデアの関係は?比喩はどうやって思いつく?新作が何十万人に読まれる気分は?見返したい批評家はいる?誰もが知りたくて訊けなかったこと、その意外な素顔を…

スプートニクの恋人/村上春樹~理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない~

≪内容≫ 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。―そんなとても奇…

TVピープル/村上春樹~独り言は溶けて消えてしまわないためにうまれるのだ~

≪内容≫ 不意に部屋に侵入してきたTVピープル。詩を読むようにひとりごとを言う若者。男にとても犯されやすいという特性をもつ美しい女性建築家。17日間一睡もできず、さらに目が冴えている女。―それぞれが謎をかけてくるような、怖くて、奇妙な世界をつくり…

ねじまき鳥クロニクル第三部♦鳥刺し男編/村上春樹

≪内容≫ 僕は少しずつ核心に近づいている。猫は戻る、笠原メイは遠い場所から手紙を書き続ける、間宮中尉はもうひとつの秘密を打ち明ける。ねじまき鳥に導かれた謎の迷宮への旅。第3部完結編。 新しい重要なキャラクターが出てきます。 この作品は今までの村…

ねじまき鳥クロニクル第二部♦予言する鳥編/村上春樹

≪内容≫ 致命的な記憶の死角とは?失踪したクミコの真の声を聴くため、僕は井戸を降りていく。 第二部はタイトル「ねじまき鳥」のねじについての話が出てきます。 自らを「ねじまき鳥」という主人公は、笠原メイに「ねじまき鳥さん」と話しかけられます。 最初…

ねじまき鳥クロニクル♦第一部泥棒かささぎ編/村上春樹

≪内容≫ ねじまき鳥が世界のねじを巻くことをやめたとき、平和な郊外住宅地は、底知れぬ闇の奥へと静かに傾斜を始める…。駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、ねじのありかを求めて探索の年代記は開始される。 すごく面白いです。 三部作なので読め…

回転木馬のデッド・ヒート/村上春樹~否定も時には救いになる~

≪内容≫ 現代の奇妙な空間―都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人…、さまざまな人間群像を描いたスケッ…

レキシントンの幽霊/村上春樹~綺麗に冷凍保存されるための今なんていやだ~

≪内容≫ 氷男は南極に戻り、獣はドアの隙間から忍び込む。幽霊たちはパーティに興じ、チョコレートは音もなく溶けてゆく。短篇七篇を収録 寂しかったり悲しかったり怖かったりする話。 村上春樹の小説の中でも割と分かりやすい一冊かな、と思いました。 やは…

螢・納屋を焼く・その他短編/村上春樹~たった一回負けてすべてが終わるなら勝負なんかしたくない~

≪内容≫ 秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりで…

象工場のハッピーエンド/村上春樹~ほろ酔い気分で読むと倍楽しい(たぶん)~

≪内容≫ 名作『象工場のハッピーエンド』の復刊。長い間、絶版になっていた単行本を、読者の声にこたえて復刊する。安西水丸の明るく楽しいイラストと、村上春樹がそこから喚起された文章で、ある世界を構築する 久しぶりにお酒を飲みました。 二杯しか飲んで…

ランゲルハンス島の午後/村上春樹~己の理想郷の岸辺に触れよ~

≪内容≫ まるで心がゆるんで溶けてしまいそうなくらい気持のよい、1961年の春の日の午後、川岸の芝生に寝ころんで空を眺めていた。川の底の柔らかな砂地を撫でるように流れていく水音をききながら、僕はそっと手をのばして、あの神秘的なランゲルハンス島の岸…

女のいない男たち/村上春樹~世界はそっくりそのまま月の裏側なのだ~

≪内容≫ 「ドライブ・マイ・カー」「イエスタデイ」「独立器官」「シェエラザード」「木野」他全6篇。最高度に結晶化しためくるめく短篇集。 男になったことがないので分かりませんが、芸能人のニュースとか見てると「ああ・・・」って残念になることがあります…

カンガルー日和/村上春樹~何かへの復讐のようにスパゲティを茹でつづける~

≪内容≫ 時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚しさ。都会の片隅のささやかなメルヘンを、知的センチメンタリズムと繊細なまなざしで拾い上げるハルキ・ワールド。ここに収められた18のショート・ストーリーは、佐々木マキの素敵な絵と溶…

パン屋再襲撃/ 村上春樹~風が吹いても吹かなくても、僕らはそれぞれ生きていく~

≪内容≫ 堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。それ以外に、学生時代にパン屋を襲撃して以来、僕にかけられた呪いをとく方法はない。かくして妻と僕は中古のカローラで、午前2時半の東京の街へ繰り出した……。…

パン屋を襲う/ 村上春樹~思い通りに行かないのは逃げるから、そしてその後悔は呪いに変わる。~

≪内容≫ 僕は二度、パン屋を襲撃した。一度めは包丁を体に隠して、二度めは散弾銃を車に載せて―。初期作品として名高い「パン屋襲撃」「パン屋再襲撃」が、時を経て甦る。ドイツ気鋭画家のイラストレーションと構成するヴィジュアル・ブック。 村上春樹、パン…

国境の南、太陽の西/村上春樹~幸せから生まれる悪があり、理想から生まれる孤独がある~

≪内容≫ 今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうとするなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう―たぶん。「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった女性が現われて―。日常に潜…

ノルウェイの森/村上春樹~それはあなたが自分自身の半分でしか生きてないからよ~

≪内容≫ 暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は一九六九年、もうすぐ二十歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた…

ふしぎな図書館/村上春樹~人生には取り返しのつかない選択がある~

≪内容≫ 図書館で「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方について知りたいんです」とたずねたぼくに、老人の目がきらりと光った。案内された地下の閲覧室。階段をおりた奥から、羊男が現れて…。はたしてぼくは、図書館から脱出できるのか?村上春樹と佐々木マキ…

職業としての小説家/村上春樹~E.Tが来たときのために倉庫を作っておこう~

≪内容≫ 「村上春樹」は小説家としてどう歩んで来たか―作家デビューから現在までの軌跡、長編小説の書き方や文章を書き続ける姿勢などを、著者自身が豊富な具体例とエピソードを交えて語り尽くす。文学賞についてオリジナリティーとは何か、学校について、海…

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド /村上春樹~自我は一つ、視点は無限大~

≪内容≫ 高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイ…

使いみちのない風景/村上春樹~自分のためだけの風景を探して~

≪内容≫ それ自体には使い道はないかも知れない。でもその風景は別の何かの風景に、おそらく我々の精神の奥底にじっと潜んでいる原初的な風景に結びついているのだ。エッセイと写真の美しいハーモニー。 私はほんとうに村上春樹をすごいと思う。 いや、すごい…

羊男のクリスマス/村上春樹~ドーナツの考察~

≪内容≫ 聖羊祭日にドーナツを食べた呪いの為クリスマスソングが作曲できない羊男は、穴のあいてないねじりドーナツを手に秘密の穴の底におりていきました。暗い穴を抜けるとそこには――。なつかしい羊博士や双子の女の子、ねじけやなんでもなしも登場して、あ…

ダンス・ダンス・ダンス/村上春樹~正しいか正しくないかはあとでまた考えればいい~

≪内容≫ 『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の街から「僕」の新しい冒険が始まる。奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら「僕」はその暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価…

羊をめぐる冒険/村上春樹~一般論という邪悪な世界~

≪内容≫ あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている二十一歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。北海道に渡ったらしい“鼠”の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる…