深夜図書

不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

短編集

ひとなつの。/~キラキラは永遠に続くものじゃないけれど~

≪内容≫ 7月のある日、「郵便」を発見したぼくの、胸がきゅんとするやりとり―(「郵便少年」森見登美彦)。映画の撮影用に借りた家に住むことになった映画監督の息子の夏(「フィルムの外」大島真寿美)。浪人2年目の夏、青春18きっぷを片手に出かけたあてのない…

TVピープル/村上春樹~独り言は溶けて消えてしまわないためにうまれるのだ~

≪内容≫ 不意に部屋に侵入してきたTVピープル。詩を読むようにひとりごとを言う若者。男にとても犯されやすいという特性をもつ美しい女性建築家。17日間一睡もできず、さらに目が冴えている女。―それぞれが謎をかけてくるような、怖くて、奇妙な世界をつくり…

最後の息子/吉田修一~海に近い土地って何か特別(独特)なものがあるのかなぁ?~

≪内容≫ 新宿でオカマの「閻魔」ちゃんと同棲して、時々はガールフレンドとも会いながら、気楽なモラトリアムの日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは…。第84回文学界新人賞を受賞した表題作の他に、長崎の高校水泳部員たちを爽やかに描いた「W…

クジラの彼/有川浩~いい年した大人が活字でベタ甘ラブコメできゅんきゅんしました~

≪内容≫ 『浮上したら漁火がきれいだったので送ります』。それが2ヶ月ぶりのメールだった。彼女が出会った彼は潜水艦(クジラ)乗り。ふたりの恋の前には、いつも大きな海が横たわる――有川浩がおくる制服ラブコメ短編集! 図書館戦争や3匹のおっさんでお馴染み(…

回転木馬のデッド・ヒート/村上春樹~否定も時には救いになる~

≪内容≫ 現代の奇妙な空間―都会。そこで暮らす人々の人生をたとえるなら、それはメリー・ゴーラウンド。人はメリー・ゴーラウンドに乗って、日々デッド・ヒートを繰りひろげる。人生に疲れた人、何かに立ち向かっている人…、さまざまな人間群像を描いたスケッ…

レキシントンの幽霊/村上春樹~綺麗に冷凍保存されるための今なんていやだ~

≪内容≫ 氷男は南極に戻り、獣はドアの隙間から忍び込む。幽霊たちはパーティに興じ、チョコレートは音もなく溶けてゆく。短篇七篇を収録 寂しかったり悲しかったり怖かったりする話。 村上春樹の小説の中でも割と分かりやすい一冊かな、と思いました。 やは…

螢・納屋を焼く・その他短編/村上春樹~たった一回負けてすべてが終わるなら勝負なんかしたくない~

≪内容≫ 秋が終り冷たい風が吹くようになると、彼女は時々僕の腕に体を寄せた。ダッフル・コートの厚い布地をとおして、僕は彼女の息づかいを感じとることができた。でも、それだけだった。彼女の求めているのは僕の腕ではなく、誰かの腕だった。僕の温もりで…

姫君/山田詠美~短編集には短編集にしかない魅力がある~

≪内容≫ 「母が首を吊ったのを見つけた時、ぼくが、まだ五歳だったのは幸せなことだ。十歳だったら泣きわめいていただろうし、十五歳だったら心の病気にかかってた。今だったらどうだろう。きっと笑ってた。二十歳。もう、ぼくは、人が、おかしくなくても笑う…