深夜図書

不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】ライチ光クラブ~少年ってどうやって思春期乗り越えるの?~

 

≪内容≫

ここは螢光町。工場から出る黒い煙で光を失い、町にいる大人は疲弊しきっていた…
螢光中学に通う「光クラブ」の9人の少年たちは、町の廃工場にある秘密基地に集い、機械(ロボット)を開発している。
少年たちは大人のいない世界を夢み、最強の兵器を開発していたのだ。
その機械(ロボット)は、ライチと名付けられいよいよ起動を果たす。
少年たちに命じられたライチは、光クラブに美しい希望をもたらす偶像として少女・カノンを捕えてくるが…
光クラブのリーダーであるタミヤ、実質支配者のゼラ、ゼラを偏愛するジャイボと絶対的な忠誠を誓うニコ…
それぞれの愛憎が渦巻くなか、光クラブ内では裏切り者探しがはじまる。
カノンとの交流で、機械(ロボット)ライチが人間らしさを学んでいく一方で、少年たちの世界は、狂気に突き進んでいく…

 

 

新年早々映画三昧していました。

「ヒメアノール」「64」「クリーピー偽りの隣人」「リップヴァンウインクルの花嫁」を観ました。

その中の予告で出てきたのが「ライチ光クラブ」。

www.youtube.com

 

永遠に 少年のまま 永遠に 美しいまま

僕らの 世界が 終わる

 

 

なんって面白そうなんだ!!!!

超!私の好きそうな映画ではないか!!

それにしても少女映画でこういうアングラなものは多い気がするが、少年ものでは初めてかも。

しかし、少年というと大体ロボットが出て来るなぁーと思うのですがどうでしょう?

ガンダムとか、エヴァとか、コードギアスとか。

少女だと何だろうなぁ、喋る動物、もしくはぬいぐるみとか?

少女だとそのままアングラなお話あるけど、

少年といえばスポーツとかになっちゃうなぁ。

他にありますか?

こういう少年のアングラ系。

 

 

シュール・・・

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とりあえず登場人物たち。

ゼラというカリスマ的リーダーとその下僕達。

グロイし、やってることえげつないんですけど、その指令を出してるゼラが

「ライチ・・・ラライチ、ララライチ!」とか言うんですよ。

 

ねぇ、ここ笑うところ!?

笑っていいの!?

 

っていうシュールさ。

 

後、何がしたいのかちょっとよく分からない。

 

なぜ大人は汚いのか

なぜ少女を祀るのか

ライチ光クラブとは何の為の活動をしてきたのか、目的は何なのか

少女に性的な感情を抱いてはならないと規律を作っておきながらゼラとジャイボのラブシーンは何の意味があるのか

男同士ならいいということ?

大人が汚いとは性行為をするからではなくて?

そこがいいならなぜ大人を殺すの?

 

 

やべー全然意味わからん。

これじゃ本当に子供が「大人になりたくないよー!」ってはしゃいでるだけなんですけど。

大人の臓物は汚くてなぜ自分は綺麗だと言い切れるの?

この映画114分なんですけど、説明いれて140分位にして欲しかった。

こういうストーリーがグロい描写の刺激に負けちゃってる映画は好きじゃないです。

 

 

東京グランギニョル

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大元は東京グランギニョルという劇団らしい。

DVDも出ていないので内容が違うらしいが、どんな原作か分からない。

ただ、EndlessArtというサイトで東京グランギニョルの時の「ライチ光クラブ」の内容が写真とともに載っていたので気になる人は見てみるといいと思う。

 

このサイトに書かれている内容を見ると映画版とは違うなぁと思った。

 

まず黒幕はゼラではなくジャイボ。

そして永遠の童貞を体現するかのように去勢され鉄のペニスをつけている少年達。

ここの所が物語の要であり、なぜ大人は汚いのかに繋がっていると思うし、ライチ光クラブの結束の強さを感じさせると思うのだが、映画版ではダフがカノンの髪や太ももに触れながら自慰行為をして果てる。

カノンに触れたいゼラを制したジャイボが勃起したゼラのペニスを口淫し果てさせる。

とか、もう欲にまみれています。

 

ペニスを去勢してまで貫きたい理想と、自分は無傷で理想と現実で揺れまくりながら人を殺す連中じゃ中身が大分違う。

 

冒頭のシーンから恐らくドイツ語が飛び交い、詰襟の軍服のような少年達が登場する。

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そして大きく掲げられた五芒星。

ゼラ独裁の反社会集団ってことですかね。

セラが圧倒的に支配者なのはチェスが強いからかな?

それとも残虐な行為を厭わないから?

ちょっとここら辺もよく分かりませんなぁ。

 

この舞台が行われたのは1985年らしいのですが、その時代の制服ってこんなんじゃないですよね?

学ランは今でもあるけど、軍帽とかかぶるかな?

そして帽子や肩にある星マーク。

誘拐されてきた大人を見ると普通の服だしなぁ。

ヒールにタイトスカートに白シャツの女教師。

何かブラジャーしてなかった気がするけど、ブラジャーしない時代?

 

そして攻撃するのが釘撃ち機?での攻撃。

釘が武器になった時代っていつまでだろう。

今でも釘バットってあるの?

 

何か内容云々より設定が知りた過ぎて困る。

テーマは「醜美」なんだろうけど、そこより小道具やたまに発せられるドイツ語やライチとか、もうそういうのが気になり過ぎる。

もう通り越して日本の民族学になっちゃうよ。

 

未来に希望が見えない少年達

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もはやここまで出来たら「あいつ中二病じゃねw」みたいにバカに出来ない。

何でもかんでもやりきってしまうヤツは怖いのだ。

そこに羞恥心や戸惑いが見れれば安心してからかえるが、振り切ってしまえるヤツは恐怖の対象である。

 

この蛍光町は機械と油に塗れた町と言われている。

排気ガスを放出しまくる工場。

廃工場に夢を飾る少年達。

そして疲弊しきった醜い大人達。

 

少女を希望の光と称しているのも、彼らの日常の世界では希望が見出せないから自ら作り出そうとしているのだと分かる。

 

大人になる・・・性への目覚め、声変わり、体格の変化などそういった自然の流れのまま成長すれば、疲弊しきった汚い大人になり変わる。

しかし、成長は止められない。だから自ら切断するのだ。

 

流されないで生きる人はステキだ。

自分で判断しているから。

みんな何となく大人になって、何となく就職して、何となく結婚して・・・

だからこそ、その流れに背く人に自分の希望を見出してる。

 

 

彼らもまた兵士で、悩み苦しみ生きている。

自分が変わっていってしまう恐怖。

自分が変わることで失うかもしれない恐怖。

「皆一緒に」が終りに近づく恐怖。

 

 

ライチ光クラブ

男性は思春期ってどんな風に乗り越えるんですかね?

私が見た感じの同級生って女子よりも将来の事を考えているような気がしたから、女子の方が夢見がちかなぁと思ってた。

アニメの「中二病でも恋がしたい!」でも中二病は女子だし。

 

ちょっと話変わりますけど、思春期の男子は性に興味を持つべきだと思います。

というのも武田鉄也氏のこの話を聞いてから。

matome.naver.jp

 

汚い大人もいっぱいいるからイヤんなるのも分かる。

大人の男女が汚くて、惨めで可哀想に見える時もあるかもしれない。

でもその時「こんな大人にはなりたくない!」って思った自分は自分が大人になっても永遠に消えないから大丈夫。

 

 

この作品、大人を嫌い、蔑み、軽蔑した少年達は実は大人からすれば相手にもされていないという所が現実的だ。

自分達が蛍光中に君臨する!という思想も大人たちには知られることなく、全員が死んだ。

戦う前に死んだ。

仲間内の抗争で死んだ。

 

彼らは永遠に少年のまま永遠に美しいまま終わった。

彼らの望みは叶えられた。

 

これがライチ光クラブの成功なのか?