深夜図書

毎日23:30更新の書評ブログです。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

A/中村文則~人からどう思われようが、飯を食い続けろ!~

≪内容≫

「一度の過ちもせずに、君は人生を終えられると思う?」――いま、世界中で翻訳&絶賛される作家が贈る、13の「生」の物語。

 

中村さんの作品、後もう少しで読破します!
今回は短編集。
エロイのも入ってます。そしてオモロイのも。笑
うん、オモロイのがやっぱり好きです。

 

 

 

 

 

三つの車両

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どの駅にも停車しない電車にのってる乗客の話。

 

人からどう思われようが、飯を食い続けろ!


これに尽きますね。
ほんと、世の中疲弊することがたくさんあるし、私はすぐ傷付く。
だからやりたいこととか二の足踏んで出来ない言い訳を考えちゃう。
でも、結局やりたいんだからやらなきゃずっとウズウズするだけ。

いっそ、やっちゃえ!
人がどんな反応しようが、飯を食い続けろ!それだけでいい!

そう思った。
これ、落ち込んでいる人がいたら使おう。
とりあえず、飯を食い続けろ!!

 

 


妖怪の村

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鳥が大発生して落下してくるという怪奇現象に見舞われた日本。
男は日本で唯一鳥が発生していない場所に辿り着くが、そこは妖怪の村だった・・・。

 

日本昔話の色んな話が合わさった物語テイスト満載のお話。

あのポテロングと柿の種を交換した猿が、お互いの希望を交換した猿が、この柿の木に登ってくんだ。俺は下で愚かにも、「おいらにもくれよう」と叫んでる。
そしてね、猿は柿の実をつかむと、下にいる俺にぶつけるんだ。
希望がね、俺に激しく落下する。俺はその人生の希望そのものに、それを望んだことへの報いのように、押しつぶされ、身体を砕かれ、泡を吹いて潰れて死ぬ・・・・・・。

さるかに合戦のお話なんですが、希望は自分で取ってこなきゃだめなんですよねー。
逃げていたんじゃ、希望は掴めない。
そんで逃げているうちに希望は希望じゃなくなっちゃう。

 

男は、逃げ込んだ村の中で当初の願いはきれいさっぱり無くしてしまいます。
楽なほうに行くのは簡単ですが、楽な道に行くためには自分の何かを犠牲にしている。
それは無意識に、自分の意思と呼ぶには無自覚なために。

逃げちゃだめだ!

 

 


A

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この場は、この場にいる私達は、過去と未来から断絶し、歴史と断絶し、ただこの時間と空間の中に孤独に存在しているだけだ。

だから私達はその孤独の中でしっかり結びつかなければならない。

私達は仲間だ。歴史から断絶された存在者同士の

戦争の話。
結局、この場で人を殺そうが戦争に勝てばあらゆる悪事は揉み消され、負けたら敵側におおげさに語られていき実態を失う。
真実なんて過去にも未来にもない。歴史に真実は語られない。
そういったお話です。

 

実際本当の話って分からないですよね。
私は戦争から帰ってきた水木しげるさんのお話は信じているし、真実と違う部分はあとがきで書いてくださったりしているので、大体の雰囲気やこういうことがあったんだ、という歴史として認識しています。


兵士の孤独。
自分の戦いが何も残らないこと、それは自分だけじゃない。
異国の地で、何も知らない人間によって都合よく解釈される今の状況。
それは絶対に理解されることはないという絶望ですよね・・・。

 

戦争の何が悪いというか、何が残酷かって、そこに道徳が入る隙が一切ないことでもあると思います。
もう死ぬかもしれないのに、他人の命を尊重できるだろうか?
自分より他人に敬意を払えるだろうか?
そして、それを誰にも分かって貰えず、誰の役にも立たないと思ったとき、必要に感じられるだろうか?

 

日常での正義や道徳がひっくり返る。
そもそも、戦争は罪しか生まない・・・。
でも罪の上でしか人が生きられないのなら?

そもそもアダムとイブへの罰によって生まれたのが人間ならば、罪を無くすのはありえないのでは?

 

 

ウラーを超える話はありませんでしたが、ちょっとエッチな話があってびっくりしました。
性描写は今まで何度も読んだけど、こんな露骨なの・・・書くんですね!!!と思いました。
あとは、乙一さんのようなホラーぽいものがあったり、バラエティにとんでるなぁと思いました。

 体操座りも結構すきです。