深夜図書

毎日23:30更新の書評ブログです。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

リア王/シェイクスピア~想像力を培いながら老いましょう~

≪内容≫

老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固め、三人のうちでもっとも孝心のあついものに最大の恩恵を与えることにした。二人の姉は巧みな甘言で父王を喜ばせるが、末娘コーディーリアの真実率直な言葉にリアは激怒し、コーディーリアを勘当の身として二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王リアの悲劇はこのとき始まった。四大悲劇のうちの一つ。

 

 

 ハムレット/シェイクスピアを読んだとき、まだ一作目なのに「こんな名作はないぞ」ばりに楽しかったのですが、リア王めっちゃ良かった・・・。

こういうのを舌の根も乾かぬうちと言います。

 

老いぼれじじいと性悪娘、善人は裏切られ、目先のものしか見ないやつも裏切られる。

特をするのはおべっかの上手い腹黒人間か?

 

 

 

リア王と三人の娘

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リア王・・・ブリテンの王様

ゴネリル・・・長女

リーガン・・・次女

コーディーリア・・・三女

 

リア王:「領土を三つに分けてお前たちに譲ろうと思う。国事の煩いや務めを次の若い世代に委ね、隠居するのだ。さて後からいさかいにならないように皆がいる場所で分けようと思うのだが、三人の娘よ!誰が一番父を思っているか言うてみい!一番父を思ってくれてる娘に一番の贈り物をあげようぞ!」

 

ゴネリル:「とても言葉ではいい表せないわ。どんな美辞麗句も高が知れているし父にの存在には代えられない。私がこうして健康に美しく育ったのも全て父の深い愛情があったからこそ。何かにたとえるなんてもどかしくて出来ません。

 

リーガン:「何から何までお姉ちゃんと一緒だけど、それでもまだ言い足りない気がするわ。だって、私は日頃の小さな喜びや幸せは全て父からの愛と信じてきたんですもの。」

 

コーディーリア:「何も言うことは無いわ。私は口下手だし、それに娘が父を思うのは当たり前のことだもの。」

 

リア王:「ファッ!?何もだと!?なんたる親不孝者め!一番可愛がっていたのに、お前になんか何もやるか!ゴネリルとリーガンへの二等分にしてやる。わしの財産を見込んでお前に婚約したがっていた奴も気の毒だろうよ!!」

 

 

 

 

グロスターと異母兄弟

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グロスター・・・伯爵

エドガー・・・兄、グロスターの息子

エドマンド・・・弟、グロスターの庶子

 

エドマンド:「何が妾腹だ庶子だ。俺の方が少し兄貴より遅く生まれてきただけじゃにか。親父の愛情は兄貴と俺とで変わるもんじゃない。よし、ここはこの偽の手紙で妾腹エドマンドが嫡子エドガーの出し抜いてやる。

 

グロスター:「なんだこの手紙は」

 

エドマンド:「読まない方がいいです父上、たぶん筆跡も差出人名も兄貴だし、内容が・・・」

 

手紙:「親父は若い者を支配しているのが自分だと思ってるけど俺らが我慢しているからに過ぎない。俺はもう我慢できない。この件についてよく話し合おう」

 

グロスター:「エドガー・・・信じていたのに。あいつを捕えろ!」

 

エドマンド:「ははーっ(してやったり!)」

 

エドガー:「よぉ、どうした浮かない顔してエドマンド」

 

エドマンド:「兄貴、どうやら悪い噂をどこかの悪党が告げ口したようで、家には帰らない方がいいでっせ。」

 

エドガー:「でも俺パパ大好きだし大丈夫でしょ。」

 

エドマンド:「俺が何とかするから兄貴はどっかでのんびりしてて!」

 

エドガー:「はーい( ´∀`)じゃよろしくね!」

 

 

 

形に囚われてはならぬ

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「この俺に行くべき道などあるものか、それなら目は要らぬ、俺は目が見えた時には、よく躓いたものだ。例は幾らもあろう、人間、有るものに頼れば隙が生じる、失えば、卻ってそれが強味になるものなのだ。」

リア王の二人の娘は互いにエドマンドと不倫状態。

コーディーリアはフランス王と結婚し、エドガーは怒り狂ったグロスターから逃れるべく乞食へと変装する。

グロスター教はエドマンドの策略にハマり、両目を失うがそこに連れ添ったのは乞食に扮装したエドガーである。

 

そしてリア王を邪魔扱いする二人の娘にしてやられたリアを救ったのはコーディーリアだが、彼女もまたエドマンドの陰謀により命を落としてしまう。。。

 

 

目に見えるものだけ、耳にするものだけを信じたリア王とグロスターの悲劇ですね。結局裏切り裏切られ、裏切った者に救われる。

 

なにが面白いって、リア王の頭に花が生えたりしているのですよ。

ほんとそういった描写が面白いし、それを指摘する道化がいたり、エドガーが乞食のトムである!とか乞食になりきったりね、悲劇なんですが笑える。

 

二人の娘は父を邪険に扱いますが、いつまでも過去の栄光を手放さず、煩いごとだけ若い者に任せる老人は嫌われても致し方ない部分もあると思います。

そういった意味でもリア王は今の時代に通ずる話だなと思います。

 

本書は道化もとても魅力的です。

人は傷付いたり苦しんだりしたから優しくなれるのではない。

想像する力が備わっているのだから、十分に使いながら老いていくべきだと思う。

老いてから想像しようと思ってもなかなかうまくいかないと思います。

想像力だって、勝手に沸き上がるものじゃないですからね。鍛練であります。