深夜図書

不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

本日は大安なり/辻村深月~終わりよければすべて良し!~

≪内容≫

企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。

 

 

 タイトルからしてハッピーエンドになるとは分かっているのですが、そうとは感じさせない出発です。

ただ辻村さんに慣れてきたのか「はいはい、絶対ハッピーエンドだから、それには絶対理由があるから!」みたいな絶対ハッピーエンド思考になって読んでしまい、ワクワク感とかより「ねえ!大安っていうくらいなんだからハピエンなんでしょ!?そうよね!?」という自分の気持ちを確かめるために読んだ・・・みたいな雑な読書になってしまいました。

 

本書は子どもたちは夜と遊ぶの狐塚くんと恭司が出てきます。

 

 

 

いろんな結婚式

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私は友人が親友と、あと二人くらいしか思い当たらないので、結婚式は姉の式しか経験していません。

友人の一人は未婚の母になったし、他の二人は独身。

小さいころは誰か親族の結婚式に行ったけれど、大人になってからは姉のみ。

 

だからこんなにいろんな結婚式があるのねー!ってびっくりでした。

 

本書はウエディングプランナーの山井多香子と4組のカップルのお話。

 

・双子の新婦(一卵性双生児)

・昔の恋敵の新婦(訳ありクレーマー女)

・白雪姫の新婦(年の差、格差婚)

・妻のいる新郎(不倫)

 

妻のいる新郎ってリップヴァンウィンクルの花嫁でも出てきたなぁ。

まぁ色んな問題があるけれど、結局うまくまとまりまっせ!

それが大安の効力ナリ!!という話です。

 

ほんとね、結婚式をするくらい他人を巻き込むんだから幸せになってくれなきゃ困るよ!って思っちゃいますよね。

 

私の姉は前日に旦那さんとケンカしたとかいって、散々キレていたので家族ともども心配していました(そのせいでその日の夜は姉夫婦と私という謎の三人で食事をした)。

なので、式が終わったあと姉に「離婚したらマジでご祝儀返してよね」と言いました。

姉は「しないよ~」って笑ってました。

 

あんなに前日ケンカしていたのに、というか準備期間ずっとケンカしていて、旦那さんがキレて招待状をビリビリに破いたり、姉が旦那さんを蹴ったり、と本当に大変で両親が「もう、そんな無理して結婚しなくてもいいんじゃないか・・・」としょんぼりしていたのを見ていたので結構本気で言ったんですが、式が終わった後の姉はすっごく輝いていました。

 

すっごく幸せそうで嬉しそうで、あぁ良かったなぁ・・・って思いました。

 

姉は結婚式に向けて10キロくらい痩せました。頬がこけて首の筋が見えて、それもまた家族の心配の種でした。もともとぽっちゃりしていたので、そんな姉は初めてでした。

 

だけど、それくらい姉にとって結婚式にかける気合いは並々外れたものでした。

そう、女性にとって結婚式とはそれくらい重要なイベントらしいのです。

 

そんな晴れの日をそれぞれの新郎新婦が、小さな秘密から大きな罪まで持ち込んでくる。だけど本日は大安なり。

小さな秘密も大きな罪も、大安という力が見守ってくれる。

 

 

 

結婚という変化

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結婚とは、他人が血の中に入り込んでくることです。

私は初めて実感しました。

結婚とは、完璧だった私たちの中に、よくも悪くも他人が介在することなのです。

家が変容するということなのです。 

りえちゃんはうちからいなくなるんだなあという気持ちがこみ上げてきた。もう今までみたいに一緒にビデオを見たり、ゲームをしたりすることはなくなる。

胸がまだ、もやもやする。

急に鼻の奥がつんとなって、慌てて顔を下に向けると、朝、あんなに嫌でたまらなかったぶかぶかの靴が、芝生の土がついて汚れていて、誰にともなく、やった、ざまあみろって気持になった。 

 送る側は祝福だけじゃなくて寂しさも感じますね。

 

私は「無事に結婚式が始まりますように・・・田舎からもう親戚来てるし・・・」と祈るような気持ちと、東北の田舎からきた親族たちを引率することで頭がいっぱいだったのですが、姉妹仲のいい人だと「お姉ちゃんが取られちゃった。結婚して欲しくなかった。」という人もいます。いい大人になってもです。

 

それくらい大きな出来事ではあるんですよね。

結婚式はやはり新婦が主役なので新郎側の親族の心情は分かりませんが、やはり新婦側からしたら「男の人に取られちゃった」という感じが少しくらいはあるのかもしれません。

 

口では「あんたの彼氏なんて興味ないしー!」と言い合っていても、いざ結婚とか大事になると「この人に姉(妹)を任せて大丈夫かしら・・・?」みたいな謎の使命感が生まれるという。笑

 

なんだかんだ、家族には幸せになって欲しいんですよね。

そのせいで、つい過干渉になってしまったり、強い言葉を使ってしまったりする。

だけど、本当は姉(妹)や娘が選んだ人なら、それで彼女が幸せそうに笑うなら、私たちには認めて応援することしか選択肢はないんでしょう。

 

離婚なんて結果論で、上手くいくかいかないかなんて誰にも分らないんだし。

本書は家族側の寂しさも描かれていてジーンとしてしまいました。

 

 

妻のいる新郎の話は、ほんとうにバカだなぁ・・・と思って読んでいました。だけど、きっとうまくいくだろうなぁ、とも思った。

 

家族になるって別の言い方をすれば逃げ場がなくなるってことにもなるかもな、と思う。家族っていう運命共同体から一人逃げ出すことは出来ない。

どこまでも繋がっているから。

 そんで、やっぱり女性は強い!笑