深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】ハンニバル・ライジング~弱きを助け強きをくじくピカレスク~

≪内容≫

1952年リトアニア。戦争で家族と死に別れ、記憶の一部を失ってしまったハンニバル・レクターは、ソ連の孤児院での厳しい制裁から逃れるため、唯一の血の繋がりを頼りに叔父の住むパリへと逃亡。そこでレクターは、後の彼の人格形成に影響を与えることになる、美しい日本女性との出会いを果たす。ある日、市場で彼女が侮辱を受けたことをきっかけに、彼の封印されていた闇の扉が開き、内なる狂気が葬り去られた記憶とともに目覚めていくのだった・・・。

 

 

 

 

まさかの日本w

「ベスト・キッド」みたいだなぁと思いながら観てました。

他国の文化って何かの啓示みたいに思えるのかもしれない。今まで自分が見てきたものや培ってきた価値観とは全く違うものって、きっとすごい衝撃なんだろうなぁ・・・。

 

羊たちの沈黙シリーズ終わり!

時系列は「ハンニバル ライジング」→「レッド・ドラゴン」→「羊たちの沈黙」→「ハンニバル」だけど、公開順で観て良かったと思う。すごく楽しかった。

 

 

 

 

 

 

心優しいハンニバルお兄ちゃん

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 ハンニバルと妹ミーシャは貴族の子供として生まれました。お兄ちゃんのハンニバルはミーシャの面倒をよく見る優しいお兄ちゃんでした。

 私も妹ですけど、小さい時ほど姉に邪険にされていたのでこういう兄弟像が当たり前じゃないことを考えると、ハンニバルまじ優しい(涙)と思う。

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 彼らの住むリトアニアでは戦争が起こっていた。ハンニバルの両親や執事たちは皆死んでしまい、ハンニバルとミーシャだけが生き残り、二人だけで避難先の小屋に身を潜めることとなった。

当時、ハンニバル11歳(たぶん)、ミーシャは分からないけど体型的に3~4歳くらいなのかな?たった一人で大人たちと戦わなくてはならなくなったハンニバル。

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なぜなら大人たちは常に上から銃を突き付けてくるからである。

自分たちを守ってくれる大人は皆死んでしまった・・・。冒頭の戦争シーンの男たちが本当に獣のようで怖いです。ほんとホラーやゴキブリより人間の方が怖いし、スプラッター映画やホラー映画より戦争映画の方が怖くて見れないでいる。

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レクター家の別荘を占拠した男達は、足止めをくらい長期滞在していた。食物も尽きていた。しかも外は大雪。獲物となる動物たちもいない。しかし、生きるためには何かを食べなければ餓死してしまう。

食べるもの、動物の次に弱くて自分より小さいもの・・・。ここでハンニバルの記憶は途切れ、8年後のハンニバルのシーンになる。

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ハンニバルは生きていた。

自らの家だったレクター城はソ連の孤児院に変えられ、ハンニバルは生まれ育った家に戻ることとなった。つまり、孤児として。生まれ育った家、思い出の数々、そういったものがどんどん取り上げられていく。自分の家なのにハンニバルには自由がなかった。

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ここがハンニバルの家だと知っている長?らしく人から哀れみと教訓を投げかけられるハンニバル。平等とはほど遠い時代です。強い者は弱い者から奪い生きる。弱い者や反抗する者は奪われるのみ。

しかしハンニバルは、たぶん生まれ持った性質なのだろうと思いますが、弱い者に対して奪うではなく、与えるという愛を持っていました。

納得できないハンニバルは、母の引き出しから手紙を取り出し、親族を頼りに孤児院から脱走します。

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親族である叔父は一年前に他界しており、そこにいたのは未亡人となったレディ・ムラサキという日本人女性でした。

彼は彼女から日本の精神を学ぶ。剣道しかり生け花しかり。

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フランスで暮らす日本人女性。もちろん差別の的であり偏見の対象でしょう。今よりずっと激しく強烈だったと思います。無視するムラサキでしたが、肉屋が彼女のお尻を触ったことにより、ムラサキは抵抗。

しかし、もっとキレたのはハンニバルでした。

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ここからハンニバルの復讐劇と言う名のお礼参りが始まります。

 

ハンニバルがなぜクラリスに執着するのか。

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↑「羊たちの沈黙」より。

弱いものを助けられなかった無力さに捉われているクラリスはハンニバルにとって自分自身であり、助けられなかった妹でもあるのではないでしょうか。

羊たちの声が消えない、と震えるクラリスと、毎晩ミーシャの夢を見るハンニバル。

 

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さて、本篇に戻り、ムラサキはハンニバルの犯行に気付きますが、彼を守ります。彼女もまた、戦争により家族を亡くした一人でした。広島の原爆の被害者である彼女は、ハンニバルの痛みを理解することができた。ハンニバルにとって両親と妹が死んで以来、初めて出会った理解者でした。

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しかも彼女、単車に乗れる。

めっちゃかっこいい。

大型バイク乗ってる女性ってかっこいいなぁと思う。

時代的に他国で旦那は死んじゃって一人で生きていかなければならないムラサキは強くならざるを得なかったんだろうな・・・と思うと切ない。

でも、そういう人ってかっこいいんだよなぁ。

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ムラサキはハンニバルが無意識の内に閉じ込めた記憶を取り戻そうとしているのを知り、それがハンニバルを傷付けるであろうことに気付く。

そもそも忘れたい記憶だから防衛本能として消えたのでしょう。

しかし、ハンニバルは自分が傷付いても男たちの名前を思い出すことを決める。

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妹とともに死んだハンニバルがこの世で成すべきこと。

それは誰にも止められなくなっていた・・・。

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最後のハンニバルは、レクター博士の面影があってすごいなぁと思いました。

 

お礼参りが終わっても、人肉に捉われ続けたハンニバル。

やっぱり気になっちゃって原作読みたいなぁ・・・。

ハンニバル・ライジング 完全版 プレミアム・エディション [DVD]

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 レクター博士シリーズ、「ハンニバル」以外はかなり面白かった。目が離せない展開で画面にかぶりつきでした。上半期に見た映画ではダントツかな?