深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

【映画】ミザリー〜あなたの一番の愛読者なんです〜

《内容》 雪道を運転中に事故に遭った人気作家のポール・シェルダンは、元看護婦アニーに救われ一命をとりとめる。ポールの小説『ミザリー』の大ファンだというアニーは献身的な看病を続けていたが、新作でヒロインが死ぬことを知った途端に豹変、ポールを拷…

【映画】ボディガード〜なんで付き合えないんだよ!〜

《内容》 世界でも有数のボディガードであるフランク(ケビン・コスナー)は、ある時、歌手であり女優でもあるスーパースター、レイチェル(ホイットニー・ヒューストン)の護衛を依頼される。彼女には脅迫状が送り付けられたりと、立て続けに不穏な事件が起こっ…

【映画】コロニアの子供たち〜実際にあったナチズムを引き継いだ強制労働施設〜

《内容》 奨学生としてコロニア・ディグニダの学校に通い始めた12歳の少年・パブロは、入学してすぐに集団を統治するパウル様の“お気に入り”に選ばれる。しかし、それは彼にとって地獄の日々への入り口だった。地域から隔離された謎の施設で遭遇する、あまり…

【映画】オテサーネク〜チェコの怖い民話〜

《内容》 不妊に悩む夫婦がいた。ある日、夫が庭の手入れをしていると、偶然見つけた切り株が、子供の形に見えたことから、それを持って帰って奥さんに見せると、彼女はそれを我が子と信じ、人間の子のように世話をしはじめる。ご飯を与えても与えても“もっ…

【映画】aftersun/アフターサン〜ねぇ、あの時、あなたの心の声が聞けたなら〜

《内容》 思春期真っただ中、11歳のソフィ(フランキー・コリオ)は、離れて暮らす若き父・カラム(ポール・メスカル)とトルコのひなびたリゾート地にやってきた。輝く太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、親密な時間をともにする。20年後…

【映画】落下の解剖学〜真実は見つけるのではなく創るもの〜

《内容》 人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。はじめは事故と思われたが、次第にベストセラー作家である妻サンドラに殺人容疑が向けられる。現場に居合わせたのは、視覚障がいのある11歳の息子だけ。証人や検事により、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場…

『犠牲』への手紙/柳田邦男〜多くの人は自分が生きてる世界の価値基準を俗世的なものに固定しすぎている〜

《内容》 『犠牲 わが息子・脳死の11日』をなぜ書いたか──内面の葛藤と読者からの反響を通して、書くことによる癒しと再生を率直に語る 「この門は、おまえひとりのためのものだった。さぁ、もうおれは行く。ここを閉めるぞ」 ーーこれだけの話なのだが、…

犠牲〜わが息子・脳死の11日〜/柳田邦男〜現在の生は、数限りない名もなき兵士の犠牲の上に成り立っている〜

《内容》 「脳が死んでも体で話しかけてくる」 冷たい夏の日の夕方、25歳の青年が自死を図った。彼は意識が戻らないまま脳死状態に。生前、心を病みながらも自己犠牲に思いを馳せていた彼のため、父・柳田邦男は思い悩んだ末に臓器提供を決意する。医療、脳…