≪内容≫
巨匠ヒッチコックによる伝説のサスペンス・スリラー。全世界を震撼させた連続殺人、呪われた館に今宵も殺人鬼の影が・・・
桜庭一樹さんが「ばらばら死体の夜」の参考にしたのが「サイコ」と聞いて。
サイコ2はこちら↓
精神異常と母と息子
私は前回、同じくホラー映画の古典という噂を聞いて「キャリー」を観たんですが、そこでひとつ学びました。
リメイク版より白黒原作の方がイイ!!ということを。
なので、60年代の白黒映画を観たんですが、白黒って怖いですね~。
あと、音楽がジョーズみたいでレトロ感はあるけどドキドキさせてくれます。
簡単に説明すると、パッケージの女性が職場の現金を横領して逃亡。逃亡中のホテルで殺されちゃう。現金強奪の知らせが妹に入り、妹は姉を探す。
姉の恋人に姉の行方を聞くも知らないと言われ、そこに私立探偵が加わる。
警察が動かなかったのは、姉の職場の人が金が戻ればいい、警察沙汰にはしない、と言ってくれたから。
私立探偵はホテルをクロとし調査をするもそこで殺されてしまう。不審に思った恋人と妹はホテルに乗り込んでいく・・・。
たぶん見ている人は、はく製が出てきた時点で不穏な何かを感じ取るはず。
はく製が趣味で、一番の友達がお母さんだという男・・・。怪しいじゃない!
主人公は女性だと思っていたんですが、この男・ノーマンだったんですよね~。ミスリード!
そして、ノーマンの母親が心の病気で裏の屋敷に住んでいるという話が出てきます。彼女の姿はカーテンが開いている窓から何度も見えます。そしてノーマンを叱りつける声も聞こえます。
人が人の存在を認識するのには、姿が見えて声が聞こえれば、それだけで疑いを持ちません。例え自分の目で見ていなくても。
そういう心理を使われちゃってるー!
なん・・・だと?
おい!気持ち悪いぞ!どうなっとるんや!
もしかして・・・もしかして・・・・
やっぱノーマンかーい!
満面の笑みでカツラにワンピースで殺しにかかってきます。
めっちゃ怖いんですけど。
なにこれ、スプラッター映画よりめちゃくちゃ怖い。
今更ですけど「サイコ」っていうタイトルの通りサイコパス(精神異常者)のお話だったんですね。ここで気付きました。
だって二重人格とか多重人格のシーンが出てこなかったし、まぁちょっと嘘付きだな~っていうのと、お母ちゃんおかしい、もしくは母の死から現実逃避してるのかも?くらいだった。
まさか・・・
まさか・・・
もともと二人だったとはね!
全然想像付きませんでした。
今はもう全て母親なんだそうです。でも母親って死んでますからね、ノーマンが造り出した母親なんですけど・・・。ここら辺どういうことなんでしょうか。
このあとの最後のシーンが一番怖いかもしれません。
もうノーマンが演じているのか、ほんとうに母親なのか、分からない!!
最後はこの本みたいだなーと思いました。
いやー・・・
ちょっとほんとびっくりキモチワルイ。
でも桜庭さんがどうやって"ばらばら~"にこの要素を組み込んだのか、ちょっと分かった気がしました。
欧米のシリアルキラーって母親からの抑圧が多い気がするんですが、それってやはり家族の中で常に神である父がいるのに母までも自分を抑圧するからなんでしょうか?
エロスとタナトスの話がありますが、エロスを一切に禁じられた人はタナトスに行くしかないと。
マザコンって悪いことなのか、という疑問に対して「悪い」という回答になるのは、この作品やら"ばらばら~"に出てくる男やらが母親に支配されて自分がないからなんだろうな・・・と密かに思っています。
マザコンっていうか「だってママが・・・」みたいに人の褌で相撲を取るようなことが、かっこ悪いんだろうなぁと。
大事にするのと利用するのって紙一重だから、気をつけないとですね。マザコンって一口で言っても正確には伝わらないし。マザコンじゃなくたって、彼女を自分が寂しい思いをしないための道具としているかもしれませんしね。
どこから道具でどこから人間として見てるかの境界線って曖昧でも通用しちゃうんですが、しっかり自分の中で人間は人間として、親だろうが恋人だろうが見たいものです。
他者に分かってもらうには
はく製のようにじっとしていましょう。