≪内容≫
郊外の団地に三好昭と妻の邦江、娘の昌子の三人家族は住んでいた。その付近には、まだ葦の繁みがあり、ある日昌子は湿地の泥の中を蝶を追って捕虫網をふりまわしていた。数日後、母の邦江は昌子の小さな異常に気づいた。食事中、昌子は食物をポロポロこぼし、トイレに立った後姿は鵞鳥のような歩き方をしている。風邪かなと邦江は心配したが、その直後に昌子は絶叫をあげて倒れる…。
これ幽霊でも悪魔でもサイコパスでもないのにめっっっっっつちゃ怖かった。
でも見てよかった。ほんと日本のホラーってなんでこんなに怖いのか。たぶん徹底的に美しい描写を避けてるからな気がする。救いがない。いやあるけど、救いまでが長いんじゃ。
エクソシスト破傷風
これオカルトでも悪魔つきでもなくて、破傷風という細菌感染のお話なんですけど、とにかく血が出るし、「エ”ゥ”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”!!!!」っていううめき声がすごくて怖いのです。
細菌によって痙攣を起こすみたいでそれがエクソシストみたいなんです。破傷風って名前からして勝手に「なんだー傷口からバイ菌が入って病気になるんだー」って軽傷に思ってたんですけど、致死率のかなり高い病気なんですね。
怖いし、こんな辛い思いして結果死ぬなんて、それこそ悪魔とか思いたいレベル。
感染経路は団地の近くにあった池で指を切ったことでした。
ただ、これだけ。それでここまで大量の血を吐き、光を怖がり、舌を噛み切るくらい強く口を閉ざしてしまうのだから怖いよね。
一生懸命面倒見ていてもこんなことになるなんて親が一番想像つかなかったことでしょう。見るからに狂っていく娘を見ながら回復を信じ続ける精神力って並大抵のものじゃないな、とこの映画を見て本気で思った。ケンカもするよ、と思った。
もちろん娘が一番痛いし怖いし苦しいけれど、親もものすごい精神力で戦っていました。
一番怖かったのが、麻酔なしで歯を引っこ抜かれるシーン。
乳歯だろ?生えてくるからいいよね!!??
と先生に言われたら頷くしかない両親。ていうかこの映画何が怖いって音がめちゃくちゃリアル、というかグロテスク。
こういう歯を抜くグチョグチョした音とか、ネチャネチャした音とか、血のゲポゲポした音とか、そーいうのがダイレクトに耳にクる。
やっぱホラーって音だわ、と再認識した。映像より音。
先生も必死に口を開ける為にやってくれてるんだけど、もう何が正常なんだかよく分かんなくなってくるのが一番怖いんだよなぁと思う。自分で判断出来なくなることというか、自分の中の基準とか道徳の形が崩れてくると足場が分からなくなってくる。
最後まで暗いトーンで終わるという、OH!WHYジャパニーズピーポー!終の冬の上の部分が霞んでて怖いよ!!!ハピエンなのになぜ!余韻まで怖さ引きずる!
日本はアニメとホラーの国と思われていいし、アニメとホラーの国って最高に気持ち悪くて得体の知れない感あって好き。