
≪内容≫
恋人同士だったジョエルとクレメンタインは、バレンタインの直前に別れてしまう。そんなある日、ジョエルのもとに不思議な手紙が届く。「クレメンタインはあなたの記憶をすべて消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないように-」。自分は仲直りしようと思っていたのに、さっさと記憶を消去してしまった彼女にショックを受けるジョエル。彼はその手紙を送り付けてきた、ラクーナ医院の門を叩く・・・
めっちゃかわいい。
これはcharaとかtommy好きにはたまらないんじゃないでしょーか!
最低で最高な逃避行
主人公のジョエルとクレメンタインはお互い惹かれるところがあって付き合いだす訳だけど、徐々にお互い嫌なところも見えてきて、そのズレがどんどん広がっていくと好きなところより、嫌なところの方が目立ってきちゃう。
相手の見えないところでは普段本人に言えない分言いたい放題言葉も選ばずに欝憤を晴らすかの如く罵倒してしまう。
まあ一切ケンカしないよって人もいるので、個人差ありますが、私的には洋画のカップルのケンカの方が身に覚えがあるので「あるある・・・w」と思って見てました。
始まりが「好き」だから「嫌い」が生まれちゃう。嫌いって好きの感情の先にあるものだと思っているので、嫌いってことは好きだった時期が絶対あるんですよね・・・私は。
相手を忘れるには、自分の脳内図の中に存在する相手を思い出して消去しなければならない。奇しくも相手を忘れるために相手との思い出を丁寧になぞらなければいけなくなったジョエル。
だけど、記憶の中のクレメンタインと話していると、どんどん好きだった気持ち、好きになったところを思い出して、やっぱり忘れたくない!と思い立つ。しかし、記憶の中のクレメンタインとは話せても、現実の彼女はすでに自分の記憶を消して新しい人生を始めている。
それでも、記憶の中でクレメンタインが話してくれたことを思い出して、彼女ともう一度やり直したいと思い始めたジョエル。
記憶の中の自分が消されちゃうなら、出会う前のジョエルの記憶の中に連れて行って、という記憶の中のクレメンタイン。こうして二人の逃避行が始まります。
二人が出会うもーーーっと前。まだ小さな少年少女だったころにタイムスリップ。
これには先生もびっくり仰天。
だけど記憶図から抜け出したって夢は永遠には続かない。ジョエルは必ず起きてしまう。
崩壊していく記憶の中で"さよなら"の代わりに消されてしまった記憶の中で、"さよなら"をするふたり。
「さよなら」の後には「こんにちは」が来るんだよ、という言葉は私の中のバイブル、「ねこねこ幻想曲」の中で出てくるんですが
たぶん、「こんにちは」する為に、ここで一度「さよなら」をしたんでしょうね。ちょっとSF要素も入っていて、最後が最初に繋がっていきます。
恋愛をすれば必ず訪れる倦怠期。 そのありきたりな光景をこれほど切なくかわいく新しい視野で描いているこの作品。作品ってこういうことを言うんだろうな、と改めて思いました。
「私が存在しない記憶へ連れて行ってよ」っていう台詞だけご飯50杯はいけそうなぐらい美味しい。このワード最強にかわいすぎる。