深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

アニメ「BANANAFISH」を見終わったので感想を書く。

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 ≪内容≫

 ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。
ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。

 

 もし実写化するなら絶対アッシュはライアン・ゴズリングだよね!!とか思ってみてました。

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 似てないですか?ちょっと年齢的にアレだけど・・・。

ま、そんなことはどうでもよくて、私的に総括したかったので書いていきます!

 

アッシュ・リンクスが戦ってきたもの

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 恥ずかしながら24話のこの憎きエロクソジジイのセリフを聞くまで、アッシュがなぜ憎んでる筈のゴルツィネのジジイを殺さなかったのか疑問に思ってました。

私が恐ろしいだろう
恐ろしいはずだ
かわいそうに
いくら忘れようとしてもお前の肉体は覚えているはずだ

  まぁでもその部分も含めてアッシュという謎多き少年というキャラクターとも言えるのかなぁ・・・と。

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 始まりはアッシュの兄グリフィンが呟いた「バナナ・フィッシ」と言う言葉に、グリフィンがおかしくなってしまった原因があるとみて、それに関連する人物を追いかけていた。

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 追いかける途中に紆余曲折があって、結局アッシュは大体ゴルツィネの近くにいることとなる。もしくはゴルツィネの財力、コネ、情報を使うことになる。アッシュはIQ180の超天才児、加えて容姿端麗ということもあり、ゴルツィネは控えめに言ってアッシュを甘やかしていたと思う。

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 人はアッシュのその人並み外れた才能と容姿を見て、富と権力を差し出そうとする。それが誰にとっても幸せなものであるかのように。だけどアッシュにとって必要なものは、たぶん愛情だったんだと思う。

 

 生まれ育った環境だけでなくその頭の良さと容姿という自らが望んだものじゃないもののせいで、奪われる対象、尊敬の対象、上に立つ者としての運命を架せられてしまった。

 たぶん、平凡な家庭に生まれて、家族と暮らし、結婚して家族を作って・・・っていうそういう愛にこそ幸せを感じるタイプなのだと思う。

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 アッシュが英二に依存気味だったのは誰の目か見ても承知の事実だったけど、実はゴルツィネにも依存していたんじゃないかと思う。

 

 これだけ自分に目をかけてくれていること、迷惑をかけても追いかけ続けることを分かっているからこそ、ゴルツィネが自分にした過去の仕打ちが益々許せなくなっていったんじゃないかなぁ。

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 ゴル(略)もゴルで、アッシュをここまで愛してしまうと思っていなかったからこそ、年々後悔と執着が増したんじゃないですかね。アッシュが英二と出会って人殺しの自分を恐れはじめたように、ゴルもアッシュを愛してから過ちに気付いたんじゃないでしょうか。

 

 ゴルを撃ったのはエロクソジジイだし、そのエロクソジジイがアッシュの頭に銃を突きつけたときに、引き金を引いたのはゴルです。

 ゴル二発も胸に穴を開けられたのに、ここまで追ってくる執念深さという名のアッシュへの愛情。たぶん、愛だけじゃなく懺悔の気持ちもあったのでは・・・。

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 アッシュは心優しい甘えん坊な人なんだろうなぁ・・・と思う。

 だけどあまりに人を殺し過ぎてしまって、最初の方からたぶんアッシュは死ぬだろうし、英二と一緒に日本に行くことはできないだろうと思ってた。

 

 もし仮にアッシュが生きていたとして、英二と日本に行ったとしてもアッシュはとても生きていけなかった気がする。

 今はまだ殺人が日常の世界だから持ちこたえられてる恐怖が、愛を知れば知るほど襲ってくると思うから。

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 英二がアッシュの弱点になるというけど、人は人のために強くなることをどこかで覚えないと人の形をした獣になってしまう。

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 それが中国マフィアのリー・ユエルンで描かれている。

ただ、アッシュもユエルンもまだ若いからめちゃくちゃ迷うし柔軟性がある。ちなみに私が本作で一番好きなキャラクターがこのリー・ユエルンである。

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 この物語でもそうだし、たぶんこの世界でも中国はものすっごい血を気にするというか、家族だったりコネクションがものを言う国だとはほとんどの人が耳にしたことがあると思うのですが、結局その血のためにたくさんのチャイニーズマフィアは殺されていってしまう。

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 同じ中国系のシン・スウ・リンは人懐っこく素直で、この中国コンビがすごく好きだった。

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 感想なんて結局自分のものさしでしか語れないのだけど、私はこのラストが猛烈に悲しいことは事実だけどとても気に入ってます。

 愛する人が傍にいてももう心を通わせることができない状態で死ぬのと、離れていても自分の近くに感じている時に死ぬのだったら、私は後者の方が嬉しい。

 

 若さや生い立ちで死を嘆くのではなく、アッシュの本当に欲しかったものを手にするまでの戦いに拍手を送りたい。 

 ↑ 2018/12/26現在はprimevideoで全話見れます。

 にしても最終回24話のタイトル「The Catcher in the Rye」は秀逸過ぎると思う。

 アッシュは銃を手放せない血生臭い世界から抜け出して、やっとライ麦畑で遊んでいる無邪気で自由な子供になれたんだね。