≪内容≫
リッチ(ジェイソン・ベイトマン)の息子はソーシャルネットワークを通じて攻撃され、自殺しようとするも一命を取り留めたが意識不明の状態になってしまう。
弁護士として仕事に忙殺される彼は家族との関係もおざなりにしていたため、息子の自殺の原因がまったくわからず困惑していた。
一方、元刑事の厳格な父親と二人暮らしをする加害者の少年は愛情に飢えており……。
SNSの悪い部分が描かれています。SNSってめちゃくちゃ使う人を選ぶと思う。
現実世界だろうがSNSだろうが悪は悪
この映画を見て単純に「SNSはやはり虚像だ!現実世界できちんと生きなければ何にもならない!実際頼れるのは身近な人間関係なんだ!」とは思わない。
SNSを一旦挟むことによって現実問題を直視することとなった三つの家族と一つの出会いの話なのですが、盗まれたお金も意識不明の息子もそのままで終了してしまいますが、個人的には未来あるラストだなぁと思います。
厳しい父親と二人暮らしの男の子は悪友とつるみ、一人の少年にFacebookで絡んでからかっていた。
ネカマになって裸の写真を送り、相手から送られてきた写真を全生徒に送るという本人たちにとってはただの度が過ぎたイタズラ感覚だったかもしれないが、鬼畜の所業と言わざるを得ないことをやってしまう。
家族も姉も弟がそんな目に遭ってることは気付かず、少年も誰にも何も告げずに首を吊ってしまった。たまたま姉が発見したが、少年はずっと意識不明の重体のまま。
事態を知った父親は息子を追い詰めた犯人を捕まえるために、息子が話していたジェシカというネカマにメッセージを送る。
母親は事実を追いかけ、眠り続ける息子に目もくれない父親に苛立ちが募る。そんな二人を見て姉は「三人家族はいやだよ」と眠る弟に話しかける。
姉も姉で弟が学校で一人ぼっちなことも、バカにされていたことも知っていたけど、自分の学校生活を優先して彼を気遣ってはいなかった。彼が起こしたことで残された家族は自分たちのやり方についてぶつかっていくこととなる。
犯人の少年はその父親とSNS上で会話することにのめり込んでいった。自分の父親にはないものをあの少年は持っている。息子のために必死に情報を集め、反省する父。
満たされない感情を相手にぶつけることではなく、SNSを通じて全く知らない他人にぶつける。それが心からの叫びであることもあれば、悲しみが憎しみに変わり悪に変化したものになっていることもある。
少年は自分の父親に求めている姿を自殺未遂に追い込んだ同級生の父親に見るのだ。
この映画ではSNSの被害者と加害者が描かれているが、SNSに救われた人もたくさんいると思う。
人の孤独につけ込むことや、覚悟もないのに衝動だけで人の人生を変えようとするのは現実世界じゃ難しくてもSNSだとハードルが下がるんだと思います。
でもその後にやってくる結果は現実もバーチャルでも変わらない。バーチャルの結果も現実に反映されるのだから。顔が見えなくても普通に傷付く。人間だもの。