深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】永い言い訳~与えられた愛ではなく、自分が欲しい愛だけじゃ生きていけない~

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≪内容≫

 第71回毎日映画コンクール監督賞(西川美和)・男優主演賞(本木雅弘)受賞! 
『おくりびと』以来7年ぶり、待望の本木雅弘映画主演作! 
『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』の西川美和監督が、自著の原作小説を映画化! 

妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。

 

 おおおおおおおおおおお・・・・

 なんか最近洋画見まくったせいか、邦画の良さに気付いた気がする。

 

人生は何でできているのか

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 「妻が死んだ。これっぽっちも泣けなかった。そこから愛しはじめた。

 という文言に衝撃を受けたが、冒頭の二人の顔が死んでてめちゃくちゃリアルだなぁ、とおもいました。特に夫の方が妻に当たりがキツくて、妻は聞き分けのいい女性として幼稚な夫の返答を聞き流している。

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 夫は妻が友人と旅行にいったのをいいことに、愛人を家に連れ込みヤリたい放題。何度も鳴る電話を無視していると留守電に吹きまれたメッセージが流れてきた。

 妻の訃報だった。

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 全然悲しくないけど、とりあえずパフォーマンスとして悲しんでみる夫だった。一応有名な作家だし、TVにも出てるし、世間体あるし・・・。

 

 ついつい他人の前だと善人ぶってしまい、妻と一緒に旅行して亡くなった女性の家族の面倒を自ら願い出る。

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 おそらく初めは子どもにも善人ぶっていたであろうが、徐々に子どもたちの面倒をみることに本気になってきた。

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 父親と子供のぶつかり合い、母親が死んだことで失いそうになったもの、また失いたいと思ったもの、そういったたくさんの感情が男にぶつかってきたことで、男は妻のことを思い出すようになっていった。

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 おそらくだけど、男は自分は妻を愛していないが、妻は自分の世話も焼いてくれるし髪の毛も切ってくれるし、愛していないのは自分だけだと思っていた。

 だが、彼女の残した携帯には自分宛てに下書きされた文字が残っていたのだ。

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 愛し愛されることを消化できずに大人になった自分の前に、同じように与えられた愛ではなく、自分が欲しい愛にしか目を向けられない子どもがいた。

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 愛してくれた人、愛した人、そういった人たちが愛した人や、愛したものを大切にする。与えられた愛に気付き、それを受け止める。そういうことができるまでの時間が「永い言い訳」なのだと思います。

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 この映画、私も主人公と同じで相当自戒しましたね・・・。

 耳のみならず全身が痛い・・・。

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  こういう誰も教えてくれないし、言葉にできないけれどすっごく大切なことに光を当てて見せてくれる作家さんには本当に感謝してもし足りない。