≪内容≫
江戸時代末期の新吉原。囚われの身ながらも地道に働き、間もなく年季明けを迎えようとしていた人気女郎・朝霧は、縁日で半次郎という青年と出会う。幼い頃に母から受けた折檻のつらい記憶から、心を閉ざし空っぽな日々を送っていた朝霧だったが、半次郎に生まれて初めて胸のときめきを感じ、今まで知らなかった女性としての気持ちが徐々に目覚めていく。しかし、過酷な現実が彼女の運命を大きく変えてしまう――。
めっちゃええやん。
なんでしょうね。こういうもう王道のね、悲恋。展開予想ついちゃうんだけど、もういいんですよね・・・。ていうか私が吉原ものが好きなのか、花魁ってどーーーーーしても華があって好きなんですよね。
これに出てくるあさひ太夫が美人なんだほんと。貫地谷 しほりがね、ほんと美しかった。
あとこれはもう花魁というか、女の強さが出ててしたたかでかっこいいんだみんな。
銀魂の吉原炎上編の日輪太夫も話しもすごく好き。つっきーも。女が集まるとドロドロして大変とかいうけどさ、わりと団結力もあるし、仲間意識もあって強くなるんだよ。女を強くするのは男と子供だけじゃないんダヨッ!
本作、安達祐美がほんと美しいだけじゃなくて可愛らしくて、目がすごくいいんです。私的三大目で演技する女優は蒼井優、池脇千鶴、安達祐美。
誰かを死ぬほど愛することができたら
母親は女朗で、生まれたのは女朗部屋だった。男に騙された母親は恨み辛みを幼い朝霧にぶつけて死んだ。路頭を彷徨っていた朝霧を助けたのは霧里という女郎で、以来、朝霧は霧里を慕い、男を一切信じずに生きてきた。
しかし、縁日で倒れた朝霧を抱えて助けてくれた半次郎に恋をしてしまう。
女朗として出会ったわけではなかったが、朝霧の客である唐島屋が半次郎を連れて来て、二人はお座敷で出会うこととなる。
二人は惹かれあっていたが、朝霧は女朗で、半次郎は駆け出しの染物職人であった。唐島屋は半次郎の取引先であり、朝霧の顧客。何とも嫌な展開である。
両親に恵まれなかった二人は、ひっそりと逢引を重ねるが、二人の出会いには二人にとって大切な人が絡んでいた。
そのために、二人は出会うことができたのだ・・・と思う。
朝霧は慕っていた花魁の道中を見て、いつか自分も・・・と夢を見ていたが、規制で花魁道中はなくなってしまった。朝霧の叶わぬ夢を聞き、半次郎はある決心をする。
花魁道中は、たくさんの人に囲まれて人気の太夫が練り歩くものだが、花宵道中はたった一人のための路に続いていたのだった。
こんなに人を愛せたら、それこそ死んでもいいかもしれない。
ノーザンクロスでも「きみを尽つきるまで愛して死にたいよ」と言うしさ
Wanderin' Destinyでも「あなたと死ねたら」って歌うしさ
恋愛だけが全てじゃないけど、たぶんそれが求められるのは、それだけ人にすごい力を与えてくれるものだからなんだろうなぁと思います。
やっぱり美しさと哀しさが混じるととんでもない次元の物語が生まれるよね。