深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】雨に唄えば~優雅なダンサーは気取るな、笑いを取るまで踊り続けろ~

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≪内容≫

 サイレントからトーキーに移行しはじめた時代のハリウッド、人気スターのドンとリーナは10本以上の作品に共演する名コンビ。しかし、新作はトーキー映画。ドンはリーナの悪声にうんざりしていた。そんな時、コーラスガールのキャシーを知る。ドンは親友の音楽家と相談しキャシーを起用...

 

やっぱり名作・有名作は観ておくべき・・・と必ずそういった作品を観るたびに思う。

この作品を知ったのは、時計じかけのオレンジで出てきたからですが・・・

 雨に撃たれながら笑顔で歌い踊りまくるシーンはなぜか知っていた・・・。そういう謎知識って意外にありますよね。

 

 

笑い飛ばして希望を捕まえろ

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私、アメリカのこういうポジティブ映画がけっこう好きなんですが、小さい頃はあんまり好きではありませんでした。ちなみにお笑いもあんまり好きではないんです。(見れば笑うのだけど)

 

ポジティブな言葉とか、人を笑わせるとか、ギャグにしちゃうとか、そういうかっこよさを感じられる部分が自分になかったんだと思います。

 

だけど色んな映画を見てきたからこそ、この明るさの強みがじわじわとクるようになったのです。

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「雨に唄えば」の雨は実際の雨もそうですが、人が感じる憂鬱だとか悲しみだとか、理不尽な苦しみや仕打ち、そういう意味もあって、それを笑い飛ばせばその奥から太陽が顔を出して光の下にいけるぜ、って歌なのかなぁと解釈しています。

 

この映画のヒロイン・キャシーは、顔だけと人気が取り柄の大女優・リーナに声を当てたことをきっかけに、ずっとリーナの影武者として働くように言われてしまいます。

まさに、キャシーは雨の中に閉じ込められてしまいそうになる。

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だけど、そんな中でもキャシーは「雨に唄えば」を歌います。嫌だけど、逃げない。悲しくても、やるせない思いでいっぱいでも、明るく元気に歌います。

 

そうすることで、キャシーは幕の奥の暗い場所からステージの光を浴びることになるのです。

 

内容は王道のシンデレラストーリーって感じですが、台詞の一つ一つ、俳優陣の明るい歌と踊り、この映画深いなぁ~と感じました。きっと見る人の人生経験や年齢によって大分内容が変わってくると思います。

 泣いたって逃げたってしょーがないんですよね。それでいて、頑張ってやってれば太陽が現れる。そう信じてみるのも悪くない。そんな風に前向きに思える映画。