深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】世界にひとつのプレイブック~誰かに傷付けられても世界にはたくさんの人がいる~

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≪内容≫

 妻の浮気が原因で心のバランスを崩し、全てを失くしたパット。今は実家で両親と暮らしながら、社会復帰を目指してリハビリ中。そんな時出会ったのが、近所に住むティファニー。愛らしい姿からは想像もつかない、過激な発言と突飛な行動を繰り出す彼女に振り回されるパット。実は彼女も事故で夫を亡くし、心に傷を抱えていた。ティファニーは立ち直るためにダンスコンテストへの出場を決意、パットを強引にパートナーに任命する…。

 

 人に傷付けられ、人によって回復する。世界にはたくさんの人がいる。

 

修復の物語

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  主人公・パットに降りかかった災いは妻の浮気だった。

 しかも妻は二人の結婚式に流した曲を流しながらシャワールームでパットの同僚の教師とヤっていたのである。

 そこにうっかりやってきてしまったパット。

 人は事実を言葉で語られた場合には都合よく脚色できても、目で見たものは忘れない。しかも目だけじゃない。現場には、音楽と、シャワーの湿気があった。パットのダメージは心だけじゃなく五感にも与えられたのだ。

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  その場にいた同僚をボコボコにし、妻からは接触禁止令が出され、突然全てを失くしたパット。

 躁うつ病から精神病院に入院し、母の助けで退院するもパットの奇行を治まらなかった。

 

 そんな中出会ったティファニーはパットと友達になりたいと言う。彼女は夫を亡くした悲しみから人と向き合う方法にセックスを選択したため、パットと同じ精神病の薬を飲んでいたのだった。

 

 彼女とパットはお互いに傷付けあいながらもティファニーの提案でダンスの大会に出場することになる。

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 傷付けられたパットと、傷付けたまま失ってしまったティファニーは踊る。

 点数でもやりがいでもなく、ただ踊るのだ。

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

 

  踊ることで二人だけでなく周りも巻き込まれていく。

 

 妻に執着して周りが見えなくなっていたパットも、人と関わる方法が分からなくなってしまったティファニーも踊ることで、過去を胸に留めたまま、新しい一歩を踏み出していく。

 もし傷付いても、傷付けても、やり直せる。踊ることをやめなければ。