深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】祈りの幕が下りる時~宿命は強い絆を生みながら一緒には生きていけない~

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≪内容≫

 阿部寛主演、「新参者」シリーズ完結編。東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見され、殺害現場となったアパートの住人も行方不明になっていた。遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを知った加賀恭一郎は、激しく動揺し…。

 

 いや、これ平成の「砂の器」やんけ・・・と思った。原作はどちらも未読なので分からないけど、映画の展開というか魅せ方はもうそのもの。これ電車の中で見ちゃって涙が止まらなくてほんと恥ずかしかった・・・要注意☆

 

父と娘の宿命

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 「砂の器」は父と息子の放浪でしたが、本作は父と娘。前者がハンセン病という社会的な問題だったのに対して本作は家族のお話です。

 

 私は加賀恭一郎シリーズというのを知らなかったのですが、シリーズで読んでいる人にとっては加賀の母親の真実も分かって倍楽しめたかもしれません。

 なんだか「楽しむ」というと不謹慎な気がする内容ですが、そういえば東野さんの作品って悲しいお話が多い印象です。「白夜行」も宿命的な二人でしたね。

 そう考えると東野さんは宿命的な物語を書く人なのかな・・・「さまよう刃」や「麒麟の翼」は見たことがあって、考えると家族の物語が多い気がします。

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 殺害されたアパートの腐乱死体とホームレスの焼死体。そして加賀の母親の記憶が交差して、全てが繋がっていく。

 まさに加賀にしか解けなかった問題であり、この事件に出会うために彼は日本橋に居続けたのかも知れない・・・。

 

 松島菜々子がほんとうにほんとうに演技が上手い、というか「うわ~すごい女優さんだな・・・」と感動しました。

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 二人の母親と二人の父親。そして二人の子供。二つの家族が知らない間に点と点で繋がっていた・・・。

 

 あんまり伏線とか気にしないで見てしまうのですが、本作と「バーニング」は、「あ~それここの伏線だったんか・・・自然!!!」と思ってしまうところが何箇所かあって、ミステリーの面白さに触れることができました。

祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

 

  よく職場のおばちゃんが、「誰でも笑ってても明るくても胸に秘めてる苦しみがあるのよ。誰だって小説ひとつかけるくらい波瀾万丈の人生なんだと思う」と言うんですが、ほんとに人って見た目じゃ分からない。