≪内容≫
「図書館戦争」の有川浩のミリオンセラー小説を、岩田剛典、高畑充希主演で映画化した恋愛ドラマ。行く当てのない青年・樹と出会ったさやかは、ひょんなことから彼を家に住まわせてあげることになり…。
これ最初にクレジットで「有川浩」って出た瞬間、もう安心感しかなかった。こういう作者の信頼ってすごいですよね。絶対ハッピーになれるって分かるって。
一人じゃできないこと、二人だとできること
不動産で働くさやかは仕事では怒られっぱなしで、実家には頼れず、コンビニ弁当を買って一人の家に帰るのが日常だった。
ある日仕事から帰ってくると駐輪場で倒れている男の人を発見する。一人の寂しさとその男の無邪気さから家に招き入れるさやかだったが・・・。
なんかこの手の恋愛ものって絶対分かるじゃないですか。もう分かってるんですよ。でもね、でも感動するの・・・!!!!っていうか、一人暮らしってマジ孤独ですよね。
そんなときに、家にいてご飯を作ってくれてお弁当まで作ってくれる無害な男性がいたら・・・そりゃ癒されますわな。
最初に「半年」って言われてるわけだから、別れがくるのは分かっているんだけど、それでもその短い間でさやかはすくすくと成長していくのです。
一人の時は料理するほどの気力もなかったけれど、二人になったら一緒に料理を作って食べることができた。これって料理に興味ない一人暮らし経験者で分かる人はめっちゃ分かると思うんですが、ご飯が生活の基盤だと分かっていても自分の一人のために手間暇かけてご飯なんて作れないですよね。
だって一人分ならスーパーで買った方が安上がりだし、片付けしなくていいし、食材買わなくていいし、何しろ失敗するかもしれないというリスクがない。
だからこの成長はものすごく意味のある大きなことに感じました。
そしてやっぱり料理って一人でするものじゃないな、と改めて感じました。私は料理が嫌いなんですが、出来ないわけじゃなくて嫌いになったんです。それからほとんどしなくなった。なんか、そのとき恋人と暮らしてて相手が一切しない人の割に手料理を求めるのでしてたんですが、それで一気に嫌いになりました。
作ってない人って、興味ないんですよね。「おいしい」とか「おいしくない」とか「好き」「嫌い」だけで、それでご飯の話はおしまい。後はテレビとか仕事とかそういう話。
いやご飯の話がしたいわけじゃない。
でも時間と体力を使ってできたご飯が猛烈な勢いで消えていくことや、明日の分と作ったものまで無くなってしまうことが私には積んでも積んでも倒されて永遠に終わることのない賽の河原の石積みに思えた。
そう思ってしまうと、相手が察して外食を続けてくれて自炊がたまにになっても「あ、また三途の河原にきちゃったんだ」と思って地獄を好きになることはできなかった。だって結局積むのは私で倒すのは相手だから。
でもこの映画見たら、自分一人でやるんじゃなくて相手が一緒にやってくれたら好きになれるかもしれないって思った。この人の話って恋愛したくなるというか、相手を信じたくなる力があると思う。すごい陽のパワー有川浩。