≪内容≫
これは、誰の日常にも起きる現実。
巨匠クリント・イーストウッドが、テロの真実に迫る【実話】。
2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、554名の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち上がったーー。
これ、主役の三人が本人出演なんだそうです!
wiki見るまで、ふつーーに俳優さんだと思ってました。個性的な俳優さんだなァくらいの感覚で素人とは思えないほど自然な演技でびっくりです。
キング作品によくあるアメリカの「はみだしクラブ」的少年時代から例の事件に遭遇するまでの三人の軌跡が丁寧に描かれています。学校の先生や親、クラスメイトと馴染めず、それでも人を愛し続ける三人の魅力は底知れないです。
運命に呼ばれる準備
本作の実際の事件はこちら↓
スペンサーとアレクは学校の集団行動に馴染めず、校長室に呼ばれたり、同級生からからかわれることが多かった。そのことについて担任は彼らをADHDの可能性があると判断し、二人の母親に投薬をすすめる。
ある日二人が校長室に行くと、部屋からアンソニーが出てきた。彼もまた言動が適さないということで呼び出しの常習犯だったのだ。
マジョリティから除外された三人は自然に三人でつるむようになり、スペンサーが持っていた銃で戦争ごっこをして子供時代を過ごした。
本作は三人の中でも犯人に攻撃を受けながらも奮闘したスペンサーが主役となり進んでいく。彼ははみだし者であったが、誰かを救いたい、助けたいという意志が強く、そのために軍人となったのであった。
しかし彼の軍隊にはいるという決意に、アンソニーは首をかしげた。なぜなら小さい頃から彼を知っているが、彼が部活動でも何でもなにかをやり遂げたことがなかったからだ。挑戦しては諦めてしまうのが彼だった。だが、今回のスペンサーは諦めなかった。減量に成功し無事合格を勝ち取ったのだ。
人は闘いを避ける
人は痛みを避ける
夢を目指しているとある時点で
変化が起きてくる
今まで活性化しなかった何かが
お前の中で目覚める
より高く跳ぶこと
より深く知ることを学べ
人に夢を認めてもらう必要はない
正しいことをしろ
一人暗い部屋で「平和の道具にして下さい」と祈っていたスペンサーの平和への夢が形となる一歩目が軍隊合格だった。努力していく過程でスペンサーは正しいことへと導かれていく。
止まらない列車の中で一人の乗客が撃たれ、犯人は落ちた銃を拾いに軽やかな足取りで廊下を歩く。脅える乗客達の中で、三人の幼馴染は一言も交わすことなく犯人と戦うことを決める。
スペンサーが先陣を切って動くことは三人すでに意思疎通済み。誰も逃げようとも脅えることもなく、まさに自分たちのすべきこととして何の疑いもなく犯人に飛びかかって行ったのだった。
「正しいこと」に辿り着くにはそれができるだけの段階を踏まねばならず、「正しいこと」が何なのかを知るためには誰も見ていなくても自分を信じて腐らずに努力し続けること。そうすれば、自分が進むべき道は自ずと決まってくるものなのかもしれない。