≪内容≫
ひとつ屋根の下に集まった5人のカラス。だが、この出会いが導く結末を、まだ誰も知らない―。
悲しい過去を背負いサギ師になったタケ(阿部 寛)と、成り行きで相棒となった新米サギ師テツ(村上ショージ)。
そんな2人の元に、美人姉妹(石原さとみ、能年玲奈)とノッポ(小柳 友)が転がり込む。3人もまた不幸な生い立ちを背負っていた。
しかし、タケが過去に起こしたある事件が、彼らを人生を賭けた、一世一代の大勝負へ導こうとしていた…。
待て待て待て。原作・道尾秀介でここまで明るい話が?ホント?となるくらいハッピーなお話。阿部寛×スーツだとどうしてもミステリーかサスペンスを感じてしまうのだが、能年玲奈がコミカル部分に誘導してくれる。160分と長い映画だが飽きずに見られて最後のどんでん返しも全く予想してなくて面白かった。
ハートフル詐欺集団
タケ(阿部 寛)と、テツ(村上ショージ)の二人と美人姉妹と身体は大きいが気の弱いノッポの三人が組んで五人一つ屋根の下で暮らす。
全員ワケアリの5人は、なんと復讐の相手も同じだった。闇金に追い立てられ、追い立て屋になれと言われたタケが追い詰めたのは美人姉妹の母親であり、その母親は5千円だけを残し自殺。
自分が追い詰めた女性が自死したことからタケが全てを警察に洗いざらい話したことで闇金は警察に逮捕されたが、その恨みを買ったタケには復讐の炎がつきまとう。
まっとうな仕事に就けず、闇金からの復讐に脅えて暮らすタケの元に何の因果か自分が殺したといっても過言ではない女性の子供たちがやってきた。
タケとテツは得意の詐欺で闇金をだまくらかし金を奪い取ってぶっつぶすことを計画する。かくして5人は詐欺軍団となり因縁の敵に向かっていく。
短い間だが、一緒に暮らした時間の中で本当の家族のような関係になっていった5人だが、タケと姉妹には大きな溝があった。
しかし、唐突な出会いと同じように唐突な別れはやってくる。だが、手を振る姉妹の顔は明るい。その訳をタケは一人になってようやく知ることとなる。
こういう明るい映画は久しぶりに見た気がします。タケの言うとおり「あまりに出来過ぎている」内容ですが、望むのは憎しみの連鎖や復讐ではなくて、許し許され前を向くことです。
敵の敵は味方。一人じゃ立ち向かえなくても守りたい人や、一緒に闘ってくれる仲間がいれば歩き出すことができる。