深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?~過程が違えばその先の生き方や世界の見方は変わる。~

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≪内容≫

 岩井俊二、大根仁、新房昭之らトップクリエーターが顔を揃えた劇場版アニメ。繰り返される夏の1日、少年と少女の瑞々しい恋と冒険を描いたラブストーリー。ボイスキャストは声優初挑戦の菅田将暉、広瀬すず、声優界のトップランナー・宮野真守ほか。

 

ボーイミーツガール!

これから恋愛の季節、夏に近づいていくせいかこういうひと夏の恋愛ものばかり見てるなw

パッケージの二人が何度も繰り返すループ物でSF感満載なんですが、その中で超リアルだと思ったのが二人の身長差。そうそうこの年齢って大体女子の方がちょっと大きいんだよね。

 

もしもの世界

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  本作は打ち上げ花火を下から見る世界と、横からみる世界の二つが描かれています。

 母親の再婚によって転校が決まったヒロイン・なずなは何度も再婚する母親に反抗し街を出て東京で一人暮らしをしようと考えます。

 そんな彼女の元に二人の男子が現れる。典道祐介。二人のどっちを誘うかでなずなの未来は変わっていく。

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 逃げるなずなと追いかける母親の攻防は路中で繰り広げられ、それを見た祐介は「やべーなー」と一緒にいる男子群に気を使って引くのに対して典道は「何か大変なことが起きてる・・・」と心配するのであった。

 ということで、典道となずなの物語になります。

 そして作中に何度も出てくるこのペンペン草は薺(ナズナ)です。この地に根付いて生い茂るナズナのように彼女もこの街にいたかったのでしょうね。

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 まだ学生だからね、どうしても大人の庇護の下でしか生きられない。だから何度繰り返そうが繋がる未来は一つしかない。

 結果論で言えばそうなのだけど、そこに辿り着くまでの過程が違えばその先の生き方や世界の見方は変わる。

 なずなの逃げ出したいという気持ちは強くても一人では心細く頼りないものでした。衝動にかられたくても理性や思いやりが勝ってしまうこともある。そんなときに手を引いてくれる男子がいたという確かな事実はこの先もなずなの中で希望になり続けるだろうし、典道にしても何かを成し遂げたという自信になるのではないでしょうか。

 

 この映画のすごくいいところは、男子と女子の関係性です。私が思うのとぴたりとハマってた。これはガールミーツガールでも私の中で成り立つんですけど、なずなには不安や心配や察する力のせいでどうしても大人びてしまう9割の思いと1割の逃げ出したいという感情があって、同じ女子なら共感や同調で9割の方を取って「分かるよ・・・大変だよね・・・」「うん・・・でも頑張んなきゃだよね」ってなる。

 ところがこれが男子に出会うと残り1割を見つけて手を引いてくれるもう一つの道になるんですねぇ。

  典道と祐介の違いは、男対女として見るのと同じ年の同級生という視点で見た違いだったのかなぁと思います。自分にはない苦しみでもがいている一人の人間としてなずなを見たのが典道。性というのは後付けだよな、とも思う夏の切ない一作でした。