深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】さくらん~諦めと反発心との両方を胸に抱きながら日々を乗り越えることが人生~

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≪内容≫

吉原遊郭「玉菊屋」に売られて来た8歳の少女、きよ葉。
女だけの世界で自分も遊女になっていくのが怖いと逃亡を試みるが即座に捕まってしまう。
店番の清次は咲かないと言われた吉原の桜が「もし咲いたら」ここを出してやるという。
トップ花魁・粧ひの挑発に乗せられ吉原一の花魁になる決意を固めたきよ葉は花魁街道まっしぐらに人気遊女への道を駆け上がっていく。

当たり前なんだけど、生まれた時代が"ものさし"になるから行き詰ったときに別の視点をくれるのって他の時代の生き方だったりするよね。

 

強く生きていこうぜ

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 吉原に売られた少女・きよ葉は女朗の生き方を間近で見て、こんな人生はイヤだと言う。しかし、ここでしか生きられないと諭されてからは咲くことを諦めた桜が咲く日を信じることで強く生きていくことを誓う。

 人気女朗に掛け上がる途中には、初めての恋心に夢を見ては男の欺瞞に涙を流し、父の分からない子を宿し、別れたりして涙に暮れる日もあった。しかし持ち前の負けん気で武士から身請けの話を持ちかけられるほどに成長していくのだった。

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  桜が咲いたら出ていくという幼い誓いによって身請けを断るきよ葉のために武士は吉原中に桜をもってきて、玉菊屋の皆に酒をふるまいお花見を開催した。

 武士の本気と店の後押しできよ葉はとうとう玉菊屋を出なければならなくなってしまう。しかしきよ葉のいう「桜」とは何でもいいわけではなく、絶対に咲かないと言われている小さな神社の桜のことだった。不可能が可能になる瞬間をきよ葉は求めていた。女朗のありきたりな(とはいっても稀)身請けの未来ではなく、誰もしたことがないようなそんな女朗の新しい未来を探していたのだ。

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 金魚鉢(玉菊屋)の中の金魚(きよ葉)にちょっかいを出した猫(店番の清次)を叱りつけ、金魚を鉢の中に戻す禿は「お前はここでしか生きられないんだよ」といい金魚を鉢に戻す。

 

 きよ葉は身請けの当日に本物の桜を見に清次と玉菊屋から出ていく。満開の桜の中で笑う二人だったが、その喜びは桜がすぐに散ってしまうように儚い時間であるだろう。命や生きていくことを考えれば無謀だが、何かを変えたいという考えならば一生小さな鉢の中で暮らすより死んでも海に出たいと思うのは相当な覚悟だったのでしょう。

 

 この時代、百姓一揆もそうだけど一揆のリーダーとなる人間は意見が通ろうが責任の元に死んだし、何でも既存のルールを変えるには血を流す覚悟の元に行われてきたんですよね。

どこへ行こうと同じこと
分かっただけで儲けもんさ

 諦めと反発心との両方を胸に抱きながら日々を乗り越えることが人生。どんな人間も明日を迎えるには今日という一日を過ごしているのだ。

さくらん

さくらん

 

 頑張ろうぜ。

 

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