深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

どんなに会いたくても、もう二度と会えない人って過去の自分なの知ってた?

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 今週のお題「わたしの好きな歌」

 

 私は音楽大好きでけっこう幅広く聞きます。なのでそのときの心境によって響く曲が割と変わる・・・のは皆そうかな?恋してないのに失恋した女の子になりたくて、ひたすらJanne Da Arcの「DOLLS」を鬼リピしながら「私じゃダメなの・・・もう好きじゃないの・・・?(´;ω;`)」という感情に浸ったりさ・・・皆わざわざ口に出さないけどこういうことしてるよね?

DOLLS

DOLLS

 

  ちなみに会社に近付くとAcid Black Cherryの「in the Mirror」のこの部分を思っくそ心の中で歌いながら社員証ピッってするとこに行く。

 

わかってるんだ でも できないんだ
鏡の中の俺が言う
「構わない このまま世界よもう終われ」
投げ出してしまいたい俺と 諦めたくない俺
「死んだように生きていくなんて出来ないよ」

 

 死んだように生きていくなんて出来ないよ!でもここから先は生きてるのに死んだようになる世界なんだよ!!!うおおお!!!と思いながら毎日ピッとするのだった。

 

さて、今回語りたいのはtacicaというバンドの「ハイライト」という楽曲である。

ハイライト

ハイライト

 

 

演奏に会いたくて
聴こえもしない音符を
また丁寧に掻き鳴らされる
思い出に因る逆襲の罠

 

ずっとこうやって
ある日のハイライトを
目に映したから
僕は又独り

 

交換に失くしたモノ
それなら僕には戻らないって事
今日に辿り着く迄に身に付いたもの

 

重傷と解っていた
それ位じゃ僕は失くならないって事
今日に辿り着く為に身に付いたもの

 

だから
どんな誰かに会おうとも
独りきりの奥で
待ち侘びてるのは自分であろう

 

  これ歌詞もとってもいいんだけど、メロディラインがとても素敵で(tacicaの曲は大体切ないメロディでダイスキ!)ミディアムテンポなのですが夕日が思い浮かぶような、そんな楽曲です。

 

 で、この歌詞の意味をずううううううっと考えていたんですが、まあタイトル「ハイライト」は人生のハイライトともいうように「人生の中で一番輝いていた瞬間」のことですね、たぶん。

 

 んで、

ずっとこうやって
ある日のハイライトを
目に映したから
僕は又独り 

  は、そういう"輝いていたあの日"が強烈に焼きついているから、今もその日に閉じ込められている=独り、なのでしょう。

 秒速5センチメートルは、"あの日の恋"を大人になっても追いかけるお話じゃないですか。もっと身近なところでいうと勝手にふるえてろの主人公がず~っと片思いの相手を思い続けるのも、その相手に恋していた学生時代が"ハイライト"だからです。過去を追いかけてるから独りなんですよね。だって、過去には誰も行けないもん。

 

 だけど、人は老いる。時間は逆さまにならない。

演奏に会いたくて
聴こえもしない音符を
また丁寧に掻き鳴らされる
思い出に因る逆襲の罠

  だからどんなに昔に戻りたいと思って記憶のピースを全部見つけ出しても、綺麗な過去のワンシーンが蘇るだけ。そこを見ることはできても、そこに存在することはできない。

 もしも"ハイライト"を永遠にしたいならそこで死ぬしかなくなっちゃう。このことは、「禁色」で大いに語られています。

www.xxxkazarea.com

 だけど、人生の"ハイライト"。「あの時は良かった・・・」と思えるのって過去になってからですよね。大体あとからハイライトだと思う瞬間って、その当時は日常の流れの中にあるから全く意識していないもんですよね。

 

交換に失くしたモノ
それなら僕には戻らないって事
今日に辿り着く迄に身に付いたもの

 

重傷と解っていた
それ位じゃ僕は失くならないって事
今日に辿り着く為に身に付いたもの

 

  "ハイライト"だと思える日々を越えて我々は今日も生きていくのだけど、じゃあ悲しいのかっていうと、今に辿り着くまでに失くしたモノもあればあの日からもっともっと強くなった部分や、あの時手に入れられなかったものが今は手の中にあったりすることもある。

だから
どんな誰かに会おうとも
独りきりの奥で
待ち侘びてるのは自分であろう 

  だからこれから先の人生で誰と出会っても、そこで傷付けられたり傷付けたりしても、そのことを望んでるのは自分自身なのだ。だって、あの日のハイライトを胸に秘めながら生きることを選んだのは自分なんだから。だから今ここにいる。

 

 懐かしかったり温かかったり、夢や希望に溢れていた眩しい日々、あの日のハイライトに生きている自分にはもう戻れないし、会えないけれど、それがあったから今の自分もある。

 

 あの眩しい光の中で死んでたらこんなに辛い毎日を送らなくて済んだって、

重傷と解っていて
脅えながら夜を跨ぐ生命へ
今日は少しだけ悪い夢を観ただけ 

  朝が来るのが嫌で嫌でしょうがない今に存在しなくて済んだって思う日もあるんだけど、

永遠に会えなくて
祈るより泣いた後に
繰り返して踊る この体温は
不思議と希望を讃えている 

  生きてる自分の体温は本物なんです。

 もう永遠に会えなくて、もう二度と戻らない日々を想いながら今日も生きる。

この長所も短所も
その他諸々まで
同じ僕なのに
同じ音色の日は
二度とは来ない 

  昨日の自分と今日の自分、自分は変わらなくても同じ日というのはもう絶対に来ないのだ。

 

 だから、今日が最悪で、自分が変わらないから明日もきっと何も変わらないっていうのは少し違うんだろうと思います。人は、自分が変わらなければ何も変わらないと考える。それはきっと主観の世界ならそうだろう。だけど、俯瞰して見れば同じ日なんて一日もないし、自分が変わらなくても世界規模で考えれば日に日に何かどっかしらは変わっている。

 

 重傷なのは解ってる。この先、小さい頃に感じたような純粋で穢れのない、万人が善人に見える世界にはもう二度と辿り着けないだろう。

 でも、だからこそ新しく見える世界がある。それが例え光の当たらない暗い世界だとしても心の中に"ハイライト"っていう超明るい懐中電灯があるから、それを持って歩いて行ける。

 

 生きていける。

 切なくなりながら生きるぞ!って思えるわたしの好きな歌でした。