深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】グッバイ、サマー~フランス少年の自分探しの夏休み~

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≪内容≫

画家を目指すダニエルは沢山の悩みを抱えていた。中学生になっても女の子のような容姿で、クラスメイトからミクロ(チビ)と呼ばれて馬鹿にされ、恋するローラにはまったく相手にされていない。おまけに母親は過干渉で、兄貴は暴力的なパンク野郎だ。誰も本当の自分を理解してくれる人はいない……。そんなある日、クラスに変わり者の転校生がやってきた。名前はテオ。目立ちたがり屋で、趣味の機会いじりのせいでガソリンの匂いを漂わせている。周囲から浮いた二人は意気投合し、学校や家族が自分たちを枠にはめて管理しようとする息苦しい毎日から脱出するための“ある計画"を考え付く。それは、スクラップを集めて“夢の車"を作り、夏休みに旅に出ることだった――。

 

 期待を裏切らないTHE・フランス映画。フランス人は中学生の時点で親と死について話し合ってるかと思うとフランスには絶対に一度は行きたいし討論に参加したいと思ってしまいます。

 この手のひと夏の少年たちの青春映画はどこの国でもあると思うのですが、さすがフランス。ラストはしっかりと現実に戻ってきます。

 

さよなら昨日までの自分

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 中学生になっても女子に間違われてしまうダニエルは、絵を描くのが好きな少年。彼はちょうど性の目覚めの真っただ中で、自分で書いた女性の裸で自慰行為をするが精通がないのか何も出ない。性の目覚めと同時期に息が苦しくなったり、死ぬのが怖くなったり、自分のことを認めてほしいと願うようになったダニエルは、変わり者の転校生テオの大人びた精神に惹かれ行動を共にするようになる。

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  骨董品点の息子であるテオは廃材を集めて車を作り早く自立して家を出たいと考えていた。二人は自作の車に乗って親にも誰にも何も言わずに旅に出る。

 

 旅路の途中で二人はケンカしたり車を壊したり、風俗店に行ったり、大人にからまれたりといろんな経験をする。

 この物語の主人公はダニエルでテオは同い年でありながらダニエルの道を切り開くドライバーなのだということが唯一切ない。

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  帰り道のダニエルは自分の世界が急激に変わったことに気付く。目の前の世界が古く見えてしまうくらいダニエルの脳内の世界は前に進んだのだろう。何度も今いる場所を確認するダニエルと達観している故に特に景色の変わらないテオだった。

 

 ダニエルはこの夏の冒険で多くのもやもやを解決したが、テオにとっては文字通り最後の夏休みなのだった。

 こういうところはさすがフランスだなぁと思います。

この映画の感想記事を読む。

 キングスみたいに明るい終わりにはならないところがなんともね。

 人が人によって導かれるのに年齢は関係ないのだと再認識した一作。私もこんな夏休みをもう一度過ごしたいな。

 

↓性と死と愛が入り混ざった珠玉のフランス映画記事↓

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