深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】風と共に去りぬ~「明日は明日の風が吹く」を生んだのはとてつもないハングリー精神だった~

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≪内容≫

1861年。アメリカ南北戦争直前のある日、ジョージア州タラで、大園遊会が開かれた。
いつもパーティーの女王であったスカーレットは、その日、心に決めていた男性アシュレーと彼のいとこのメラニーの婚約が発表されると聞き怒り悲しんでいた。
その夜、ついに南北戦争が勃発。激動のアメリカを舞台にスカーレットは強く、激しく生きていく。

 

 人生の中で一度は出てくるのが「風と共に去りぬ」と「嵐が丘」ではないですか?ただこの映画200分を越える超大作・・・!これだけの長編は「タイタニック」以来だな・・・と腰が重かったのですが、観てみるとすぐに終わってしまった!やはり名作はあなどれない・・・

 

強すぎる女は失い続ける

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  主人公・スカーレットは農園主の娘で、その美しさと気の強さから男性に愛想を振りまき全ての男性の心を奪うような勝ち気な女性であった。

 唯一スカーレットになびかないアシュレーに恋をするが、アシュレーはメラニーと婚約を交わしていた。しかし、スカーレットは二人が結婚したあともアシュレーに自分を愛しているのでしょう?と何度もアタックする。

 

 ついに南北戦争が勃発し、アシュレーも旅立ってしまうというとき、スカーレットはアシュレーにメラニーの面倒を頼まれる。

 北軍が攻め入り一刻も早く逃げなければならなくなるが、メラニーの出産のため、スカーレットはメラニーに付き添い、医者を呼んだりと恋敵であってもメラニーを見捨てずにお産を終えてから一緒に故郷タラに帰ったのであった。

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神よ お聞き下さい
この試練に私は負けません
家族に二度と
ひもじい思いはさせません
生き抜いてみせます!
たとえ盗みをし
人を殺してでも!

 

神よ 誓います
二度と飢えに泣きません!

 

  しかし故郷は変わり果て、母は死に、父は呆けてしまっていた。食料はなにもなく、頼れるのは自分だけだった。スカーレットは誰にも涙を見せず、一人農園に唯一ある痩せた大根をかじり、土に涙をこぼしながら神に誓いを立てる。

 このひもじい経験はスカーレットを変え、後年も悪夢として何度も繰り返されるのであった。

 

 アシュレーとメラニーの結婚に当てつけた結婚は、相手が戦死のために終わり、二度目の結婚は妹と相思相愛だった男の事業をもらい家族を養うために結婚した。しかし、その相手も戦いで死に、スカーレットの相手はいつも死んでいた。

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 そして三人目の夫となるのは、レット・バトラー。彼はいわゆるジェントルマンではなく、スカーレットと似たエゴイスティックな男性であった。

 スカーレットは窮地に陥ると何度もレットに金の無心をしていた。レットは飾らないスカーレットを気に入り、ついに二人は結婚するが、それでもスカーレットはアシュリーを愛していた。

 そのことがレットの心を乱し、更には二人の子供の不慮の死、スカーレットの心にもない発言や流産など、二人のすれ違いは次第に決裂を生み、ついにレットはスカーレットの元を去るのだった。

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  スカーレット、「風と共に去りぬ」を体現しすぎじゃない?

ってくらい、去られまくる。

レットが去る前に、メラニーの死とともにアシュリーも去ってるし。だからこそ、「明日は明日の風が吹く」という名言が生まれたのかもしれないが。

 

 スカーレットは自分のエゴのために三人の男と結婚した。その内の二人の死にはまったく悲しみも感じなかった。スカーレットの心を動かしたのはアシュリーだけであった。

 私が思うに、スカーレットはアシュリーに操を立てていたのだろう。今は一緒にいられないけれど、心では繋がっている人がいるのに、その人以外に涙を流したり動揺するのは裏切り行為として自分を律していたのではないかと思う。

 彼女の呪いが解けたのは、アシュレーとの恋が「幻」であり、レットとの結婚生活が「現実」だと気付いたとき。

 しかし、そのときにはすでにレットは疲れ果ててしまっていた・・・。

風と共に去りぬ (字幕版)

風と共に去りぬ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

  この映画を見て思ったこと。過ぎる言葉は人の心を打ちのめす。そして打ちのめされた心は二度と元には戻らない。人を巻き込む強さは瞬間その場にいる全員を天に近い場所へ送るが、その反動で全員地に叩きつけられる。その強さに助けられ生きていくことができたのがメラニーとその子供ではあったが。