《内容》
「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」の新海誠監督が、卒業と同時に離れ離れになった少年少女の淡い恋を描いた青春ラブストーリー!小学校の卒業と共に離れ離れになった少年・貴樹と少女・明里。互いに特別な思いを抱きながらも伝えられず、時間だけが過ぎて…。二人の再会をいた「桜花抄」、少年・貴樹を別の人物の視点で描いた「コスモナウト」、2人の恋の行方を描いた「秒速5センチメートル」を収録。
二回目の鑑賞なんですが、こう新海作品を「天気の子」以外すべて見た後で見ると異色に思えます。
「互いに特別な思いを抱きながらも伝えられず、時間だけが過ぎて…。」って、別に悲しくもない伝えなきゃ伝わらないでしょうという一言で終わってしまうんですが・・・あ、これって言わなきゃ伝わんないよ!っていうお話なのかな?
落ちた桜は戻らない
秒速5センチなんだって
桜の落ちるスピード
秒速5センチメートル
桜の花が咲き、風に吹かれて花びらが地面に落ちるまでの秒速5センチメートルが、二人の恋愛の時間。キスをしたことで風が吹いてからはもう落ちることが決まっていたみたいに。こう考えると、タイトルの時点で悲恋ですね。
この物語は、転校生同士の少年・貴樹と少女・明里が別々の学校になっても文通を続け、のちに両思いになるが、物理的な距離と心の距離は比例していつの間にか疎遠になった。大人になっても元少年は思い続け、元少女は懐かしい思い出とした。というのが結論ですかね。
いろいろと設定的にリアルではない(雪が降り、しかもめっちゃ積もっているような気温の中で畑の隅の小さな納屋で毛布にくるまって一夜を過ごしたとかストーブもなしにこれはマジで可能なのか?)ところは多いけれど、一番の謎は主人公の貴樹くんの気持ちです。
明里とキスしながら「悲しい」とか「わかんない」とか「明里の魂をどう扱っていいかわからない」とか「僕たちはこれから先ずっと一緒にはいれない」とか言ってるのに、なぜ引きずっている(らしい?)のか全く意味が分からない。
「彼女を守れる力が欲しいと思った」とか・・・本当に???どういうこと?
明里は守ってほしいとか、自分の魂を扱ってほしいなんて言ってないのに、なぜそんなことを・・・?
「悲しい」という感情とか「僕たちはこれから先ずっと一緒にはいれない」であろうという予測は自分軸だからわかるけど。
この数年間
とにかく前に進みたくて
届かないものに手を触れたくて
それが具体的に何を指すのかも
ほとんど脅迫的ともいえるようなその思いが
どこから湧いてくるのかも分からずに
僕はただ働き続け、気づけば日々弾力を失っていく心が
ひたすら辛かった
そしてある朝
かつてあれほどまでに真剣で切実だった思いが
きれいに失われていることに僕は気づき
もう限界だと知ったとき、会社を辞めた
???
まず、これは3年間付き合った元カノから「あなたとは1000通やりとりしたけど全然距離近づかなった」と言われたのがショックだったのか、ある朝とつぜん明里のことをあきらめたから会社を辞めた?という流れなのでしょうか・・・。
私はこの映画に関して全く何もつかめていないようです。
そもそも明里が結婚することは、視聴者にはわかっても貴樹くんは知らないんですよね?
マジでどこからどこまでが明里が関与しててどこからどこまでが貴樹くん自身の問題なのか皆目見当もつきません。
そもそも「僕たちはこの先ずっと一緒にはいられないだろう」的なことをすでにキスしながら思っていたのに?届かないものってなに?
ていうかどういう未来なら貴樹くんは笑ってくれたの?笑ってくれよTT
終始悲観的で暗い貴樹くん。
せめてどうしたいか言ってくれないか。また同じ桜を見たいなら連絡すればいいじゃないか。それで心を病むくらいなら。ていうかそれで心を病んだのか?もわからないけれど・・・。
本当によくわからないけど、もし貴樹くんみたいな人を好きになったら一番最初に思うことは何とかして笑わせよ!だろうなぁ。
この映画を見て分かったこと。ミステリアスな人を理解することはものすごく難しい。