《内容》
M・L・ステッドマンのベストセラー小説をデレク・シアンフランス監督が映画化した感動作。戦争の傷跡で心を閉ざし、孤独を求めてオーストラリアの孤島の灯台守となったトムは、美しいイザベルと出会い結婚するが、流産という試練が彼らを襲い…。
原作はこちららしい↓
私、ブルーバレンタインという映画が大好きで、その監督ということで見てみました。
ブルーバレンタインはめっちゃリアルだったけど、本作は個人的にペイ・フォワードが似てるかな?と思いました。
人を許すこと、それが本作のテーマだと思います。
光は許しであり
希望でもある
第一次世界大戦で多くの仲間を失い自分自身が死ななかったことに対して罪悪感を感じているトムは人と触れ合うことを避けるため孤島の灯台守を志願する。
しかし、そこでイザベルという希望に溢れた女性に愛されることにより新たな人生を歩み始めた。孤独を求めていたはずが、イザベルたちの家族と触れ合い、前向きに人生は進んでいった。
だがイザベルは二度の流産をきっかけにふさぎ込んでしまう。
そんなあるとき、波に揺られるボートをトムは発見する。そこにはすでに冷たくなったドイツ人の男性と泣きじゃくる赤子がいたのだった。
心を閉ざし、家族との縁の無さからも自分が死んでも悲しむ人はいない、望みは生きることだけ、と孤独の中にいたトムにとって妻・イザベラは「光をくれた人」だった。そして、二度の流産を経て出会った赤子はイザベラにとって「光をくれた人」となる。
人々の明かりを守ることが役目の灯台守・トムは、イザベラから光を奪うことはできなかった。たとえそれが犯罪であるとわかっていても。
あなたはつらい目にあってきたのに・・・
いつも幸せそうだわ
なぜそうなれるの?
この赤子と一緒に乗っていた父親はドイツ人であった。戦争の影響からドイツ人は街で迫害を受けていた。ボートに赤子と二人でいたのも、迫害から逃れるためだったのだ。
唐突に二人を奪われた本当の母親・ハナの元から光は消えてしまった。だが、罪悪感からトムが出した手紙により娘が生きていることを知ったハナはついに娘を取り戻す。
光が戻ってきたと思ったが、4歳になった娘にはすでにほかのママがいた。
ハナは辛い日々のあと、やっとの思いで見つけ出した自分の娘と暮らしても苦しいままだった。そんなとき、亡くなった夫の言葉を思い出すのだ。
一度 赦すだけでいい
ハナは苦しみながらも最愛の人の一番美しいところを思い出して自分の心に光を灯したのだ。
だが、トムの自白によって子供を奪われたイザベルはトムを一生赦さないという怒りに燃える。トムが自分をかばってくれたことはもちろん、もともと死んでいた男のこともおそらく明確に自供しなかったのだろう。トムは誘拐の罪だけでなく殺人の罪にも問われることとなった。
しかし、ハナが自分の心に亡き夫という光を灯し、イザベルの家にやってきたことでイザベルの心にも光が灯る。
見る気になれなかったトムの手紙を初めて読むイザベル。
そこに書かれていたのは、自分をまっすぐに愛してくれているトムの言葉だけだった。
美しすぎる内容ですが、なんといってもハナが強くて素敵でした。
迫害を受けていた夫は、本屋で好きな本も買えず何も悪くないのに謝り店を後にする。そんな光景に出くわしたハナはその本を買って走って夫の後を追いかけた。
結婚する時も家族からドイツ人と結婚するなら縁を切ると言われても、彼の美しい心を選んだ。
夫も、その夫との唯一の繋がりである娘も亡くすなど相当辛いことなのに、ハナはママの元に帰りたいと泣く娘のために、イザベルに娘を託そうと言ったのだ。
美しい心が、どんどん触れ合った人の心に明かりを灯していく。
美しい人になりたい。