《内容》
小さな田舎町で再び起きた連続児童失踪事件。「COME HOME COME HOME(帰っておいで…)」という“それ”からの不穏なメッセージが届き、幼少時代に“それ”の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に固く誓い合った〈約束〉を果たすため町に戻ることを決意する。だが“それ”は、より変幻自在に姿を変え、彼らを追い詰めていくのだった…。R15
前回の話はこちら↓
前回は子供時代の戦いでしたが、今回は大人になったルーザーズが立ち向かいます。普通に考えて怖いよね。大人になっても、あの恐怖がやってくるなんて。そんな悲劇がまず一番最初にやってきます。
記憶はついて回る
誰にも大切にしたい記憶ってありますよね
だから変化が怖い
過去の嫌な出来事
黙らせたかった囁き
抜け出したかった悪夢
変えたかった記憶
打ち明けられない秘密
それらはついて回る
でもいい記憶やいい光景はすぐ消える
大事な思い出ほど残らない
僕は忘れたくないのかも
今日が忘れるための日なら
僕はゴメンだ
今日から大人と言われても
何も変わる気はしない
僕は負け犬だ
何があろうとこの先も変わらないだろう
大人になり、デリーを出てそれぞれの人生を謳歌していたビル・スタン・リッチー・エディ・ベン・ベバリーに1本の電話がかかってくる。
あの恐怖の体験をした仲間たちの中で唯一デリーに留まっているマイクからの電話だった。
自分たちがやっつけたはずのヤツが、またデリーで子供たちを襲い始めた。
今こそあの約束を果たす時だ。
その電話は彼らに恐怖の記憶を呼び起こし、因縁の地でありふるさとでもあるデリーに彼らを集合させた。ただ一人、スタンを残して。
なんでストリートファイターなんだよww
という、キングの茶目っ気はおいておいて、残りのメンバーは再びペニーワイズと戦うこととなる。
大人になって肩書を得ても子供の魂は彼らに残っている。つまり、怖いものは怖いのだ。子供だから怖かったわけではなく大人になっても怖かった。
恐怖で足が動かない。仲間がやられていても全身を震わせながらじっとみていることしかできない。そんなエディにビルはキレる。
それぞれが再び自分の恐怖と立ち向かうこの物語は、未来のこどもたちを救い、ルーザーズのこどもの命を二つ奪って終焉となる。
なぜスタンは死んだのか?
ルーザーズ(負け犬)の中で、たった一人、デリーから離れても子供の記憶を忘れなかったスタン。
冒頭の引用文は幼きスタンが教会で語った言葉だ。
大切にしたい記憶は、嫌な記憶も内包している。だから、スタン以外のメンバーは恐怖体験を忘れるとともに子供のころに大切にしていたものもデリーに置いてきていた。
つまるところスタンとマイク以外のルーザーズはペニーワイズを忘れてたから集合できたんですよね。忘れるというプログラムは人間に与えられた最高のプレゼントだ。
スタンは、メンバーの中で控えめなポジションでしたが誰よりもみんなと過ごした日々を大切にしてたんだな。だからこそ、ITを倒すためのキーパーソンになったんだな、と思いました。
キングの映画ってビジュアルとか動きもホラーで怖いっちゃ怖いんですが、一番怖いのは、スタンみたいに怖くて戦うよりも自死を選ぶというキャラクターがいることなんですよ。スタンの自死で一気に映画にリアルが生まれたし、ペニーワイズがほんとうにいるんだということが視聴者に伝わる。
面白かったけど、やっぱり小説の方がギュっと内容詰まってて好きだなぁ、と思いました。もっとキャラクターたちの心情が描かれているので、長いですけど興味を持った人はおすすめです。
ITの正体もわかりますしね。
ペニーワイズが好きすぎて、このマグカップつきのDVD買ってしまいました・・・
エディとリッチーの掛け合いとかすごい好きで、マジで嘘だと言ってくれよ・・・と思った。