深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】幼い依頼人~虐待される子供はかわいそうだけど運の悪い子供だからしょうがない~

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《内容》

ロースクールを卒業して出世の道を突き進むはずだったジョンヨプは何度も就職に失敗し、姉の勧めで臨時に児童福祉館に就職する。ある日、継母から虐待を受けている“ダビン”姉弟に出会うが、数日後、法律事務所に就職したジョンヨプは電話を受けダビンの鼓膜が破れたことを知る。その後弟ミンジュンの死に加え殺人の被疑者とされたダビンを見て衝撃を受ける。ジョンヨプは真実を明かすため、ダビンの弁護士になることを決心する。

 

めちゃめちゃ涙出ました。

これが実話ってひどすぎて。

継母が兄弟を虐待し、弟を殺し、その罪を姉になすりつけた。

目の前で弟が殺されるのを目撃した姉は、殺人犯に逆らうことはできなかった。

 

言ったら私は殺されるのに

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おじさん
愛し合わない親から生まれた子は普通に生きちゃダメなの?

 

 少女はその罪について何も語らなかった。何も語らなければ罪はそのまま少女のものとなってしまう。だけど、大人に傷つけられ続けた少女の心は固く閉ざされていた。

 少女を傷つけたのは両親だけではなく、虐待を知りながら少女が捕まるまで黙っていたマンションの住人、少女が捕まってから「あなたがほんとうにやったの?」と真実しか聞かない通りすがりの人、そして何度も救いの手を差し伸べたのに遠くへ行ってしまったジョンヨプだった。

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 ダビンミンジュンは母を亡くし父子家庭の子どもだった。ミンジュンは幼稚園に通わせてもらえず、ダビンの帰りを校門で待っている、そんないびつな家族の仲の良い兄弟だった。

 

 父は子供の面倒を見る気はないが、金がもらえるため子供を手放すことは考えていなかった。そして面倒を見させるため再婚するのだが、その女は二人を地獄へ突き落すのだった。

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 きっかけはミンジュンがうまく箸を使えず、食べ物をテーブルに落としてしまうことだった。なんど言っても直らないミンジュンへの怒りはダビンに向かった。

 

 ダビンは優しかった継母が急に血相を変え、自分の首を絞めたことに恐怖と違和感を感じ、児童福祉施館に相談しに行くが、そこで話を聞いたジョンヨプが家庭訪問したことで、虐待はさらにエスカレートしていった。

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ガキなんかどうなったっていい
それに
自分の子を殺そうと勝手だろ
さっさと失せろ

 

 ジョンヨプはダビンとミンジュンにハンバーガーをごちそうしたり動物園に連れて行ったりと面倒を見ていたのだが自分の就職先が決まると、適当な約束をしてソウルに行ってしまう。

 

 そしてミンジュンが死に、弟を殺したのがダビンだと報道されてからこの二人のSOSが緊迫したものであったことに気づき、自分の地位より残されたダビンを救いたいと思うのだが、ダビンの心はすでに継母に支配されており、誰にも真実を打ち明けることはなかった…

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  明るくてかわいくて、クラスのアイドルだったダビンと、クラスのリーダー的存在の少年。少年はジョンヨプと協力してジョンヨプからの贈り物をダビンに届け続けた。

 そしてミンジュンがかわいがっていたゴリラくんが継母がゴミ捨て置き場に投げ出したビニール袋からはみ出ているのに気づき救い出したのも、ダビンが継母から虐待を受けていることに気づき泣きながらジョンヨプに助けを求めたのも彼だった。

 

 大人たちは、かわいそうだけど運の悪い子供だからしょうがない、と言った。

 愛し合わない親から生まれた子はかわいそうで、ずっと殴られなければならなくて、たまにミンジュンのように死んでしまうことがある。

 そんなことがあってはいけないことはきっと誰もが分かってて、だけど救えていないという現実もわかっていた。

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  大人になったらなんでもできなくても、正しいことはできると思ってた。そしてそれを選ぶことも、大切にすることも自分の意志でできると思ってた。

 だけど、それは大人が大人と戦うということだ。生半可なことじゃできない。だけど、それを選んで大切にするということは、それくらい重く尊いことなのだと思いました。