深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】こどもしょくどう~大人ができることしかしなかったら、子供はなにもできない~

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《内容》

小学5年生の高野ユウトは、食堂を営む両親と妹と健やかな日々を過ごしていた。ある日、ユウトと幼馴染のタカシは河原で父親と車中生活をしている姉妹に出会った。“かわいそう”な姉妹の姿を見かねたユウトは、怪訝な顔をする両親に2人にも食事を出してほしいとお願いをする。数日後、姉妹の父親が2人を置いて失踪し、姉妹は行き場をなくしてしまう。ユウトは、姉妹たちと意外な行動に出始める―。

 

 私は一度も子ども食堂に出会ったことがないのですが、この動画を見て、素敵なシステムだなぁと思いました。

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 世の中いろんな仕事があるけど、一番大事なのって飲食業だと私は思ってます。飲食業のために、システムがあったり他の食品おろす会社があったり、とにかく食べないと人間死んでしまいますから。

 

 習い事とかゲームとか確かにないと話についていけなくて辛いかもしれない。でも一番大事なのはやっぱりご飯。当たり前すぎて忘れてしまいそうになるけど、すごく大事なことですよね。

 

子供は大人を見て育つ

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 主人公のユウトはスーパーで万引きしていた少女が河原で車中泊している姉妹の姉であることを知る。家は料理屋を営んでいるため、幼馴染でネグレクトを受けているタカシをよく家に呼んで一緒にご飯を食べていた。

 

 身近にそういう子供がいたため、少女のことも気になってしかたないユウトは、夕ご飯の残りや給食のパンを姉妹に持ち寄るが、そのうち車の運転主である父親がいなくなったことをしったユウトは二人を家に連れて行って食事を作ってもらうように母親に頼む。

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 姉妹の事情を一切知らない母親は、姉妹の家に連絡しようとするが、子供たちの薄い反応と暗い雰囲気から姉妹の家庭環境が思わしくないこと悟る。

 

 ユウトは夜中、両親が姉妹について話しているのを聞いて暗い気持ちになる。助けたいがどうしたらいいかわからないユウトは、とりあえず 河原によって姉妹の様子を伺い続けた。

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  二人の家である車は近所の中高生?によって破壊されていた。

 震えて何もできない姉妹と、その姿を見て去っていく父親。母親を亡くし、父親にも捨てられたことを悟ったユウトは、妹のいう「虹の雲」を見に行こうとするのだが、学校をサボったことを知った母親に強く怒られてしまう…

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だから
誰もいないって言ってんじゃんずっと


でも
何もしてくんなかったじゃん
いっつも見てるだけだろ?


タカシのことだって
人には面倒見ろって言ってるけど
何もしてくんなかったじゃん

 

弁当作るなんて誰でもできるよ
だから俺だって見てるだけなんだよ
いじめられてても知らんふりするんだよ

 

  幼馴染のタカシは家庭環境の問題で「臭い」と学校でシャワーをかけられたり、両親が冷蔵庫にいれている夕食代を同級生にとられたり家を占領されたりといじめられていた。

 

 料理屋が弁当を作る。

 両親は自分たちができることしかしないのだから、自分もできることしかできないんだ。きっとそう思ったんだろう。何かがおかしいと思っても、子供だからできることは少ないし、今自分にできる以上のことを行動に移せなかったのだ。

 

 ユウトだけでなく、タカシ自身も姉妹に出会い変わっていった。いつもいじめられ、施しを受けたり奪われたりするだけだったタカシは、自分よりも辛い境遇で学校にさえ通えていない姉妹を守りたいと思うようになった。

 そして、ユウトの言葉を聞いて、自分がいじめられていることが自分だけでなくユウトを傷つけていることも知り、タカシはいじめっ子に立ち向かう。

 

 さらに、両親もユウトの言葉によって変わる。

 この物語は、こどもしょくどうがどうやって始まったのか、そういうお話です。

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  全くしゃべらないタカシだけど、ユウトとの会話がなくても成立する信頼みたいなものが、すごい尊いなぁと思ってみていました。