深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

東京ディストピア日記/桜庭一樹~2021年コロナ禍どうだった?~

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《内容》

作家・桜庭一樹が仔細に記録する2020年1月~2021年1月。分断が進むこの世界で、私は、あなたは、どこにいて何を思考する、誰なんだろう――?
オリンピック延期、和牛券、休業要請、#うちで踊ろう、Zoom飲み会、アベノマスク、ステイ・ホーム太り、自粛警察、極端な選択、2度目の緊急事態宣言……誰もが経験したはずなのにもう忘れている、あの時の暮らし、憤りや心細さ。日記を読み、時系列どおりに追体験すると、新たな気づきが次々に見えてくる。すべて現実に起きたこと。コロナ禍の一年間。

 

うちの会社は一時はフルリモートだったのに今やフル出社です!死

リモートできる環境作ったんだからせめて週3くらいはリモートでもいいだろうがって思うんだけどみんな寂しがり屋なのかな・・・強制フルリモートが自主リモートに切り替わったとき、ほとんどの人がフル出社に切り替えたよ・・・なぜ・・・

 

優しくなれる人は優しくなろう

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変わるんだ。もっと。

わたし。みんな。

互いに寄り添え。議論しろ。そして優しくなれ。想像力を持て。この新しい世界、アフターコロナの世界で。

 

 桜庭さんのコロナの生活日記です。マスクが高くなってたり、行きつけのお店が自粛によって休業になったり、廃業にならないようにテイクアウトで支援したり、思いを馳せたり・・・という内容です。

 

 2021年、なんかいろんなことがあった気がする。

 マスクをしていない人に注意して半身不随になってしまったニュースや、ハロウィンの日に電車に火をつけた人がいたり、コロナで進路に悩み人身事故で死んでしまった学生のニュースもあったな。

 

 コロナになって、外出自粛もそうだけど図書館や学校も休校になった。逃げる場所を失った人もいただろう。大学もリモート、就活もリモート、新しい場所に行くのに人肌の感じられないバーチャルは難しい部分もたくさんあると思う。学費もあるし、生活もあるしで苦労した人もコロナ前とは比じゃないだろう。

 

 私は正直リモート万歳だったのだけど、海外旅行に行けなくなったのが辛かったし貴重な30代を無駄にしてしまってる気がするのだけど、だったらこの1年で英語もっと勉強できただろうが、とも思っている。アフターコロナに備えて準備することはできるのに、そういう活かしは全然できてなかったな、と反省しています。

 

 タレントの岡村隆史氏が、ラジオで「コロナが終息したらぜったい面白いことがある。容姿端麗な女性が貧困に陥り、性風俗で働きだす。客となる自分たちは楽しみだ」という発言をし社会問題になっている。わたしは、"他者の困窮を自分の幸運として語ることができる"のは、"自分さえ無事なら他の人のことはいい"ということであり、これは失言ではなくて、人間という存在への考え方そのものの問題だったと思う。

 

 トイレットペーパーの買い込みや、Gotoキャンペーンの不公平さなど岡村氏のように露骨じゃなくても"自分さえ無事なら他の人のことはいい"という行動がたくさん見られましたよね。

 

 でも、私は岡村氏だけでなく自分のことしか考えられない人を責める気にはなれません。もちろん、多くの人が他人のことまで考えられるに越したことはないんですが、この非常事態で不安と孤独の中、自分を一番に行動することは間違っていないと思うからです。

 

 岡村氏が避難されるのは生きるための行動ではなく性的な行動の話だったからで、"自分さえ無事なら他の人のことはいい"のベクトルが結構非情だからだと思います。この発言に多くの人が違和感を感じ、怒ったのはいいことだなぁと私は感じました。逆に「だよな!」みたいな流れになったら恐ろしすぎるし、スルーされたら「え?これが正しいの?こんな考え許されるの?」ってなる人が出るかもしれないので、あるべきことだったように思います。

 

 仕事が忙しすぎて、この1年の流れがなんとなーくになってしまったのですが、桜庭さんが綺麗にしっかりと2021年の歴史をまとめてくれたので「ああこんなこともあったわ・・・」と思いながら1年を振り返っていました。