深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】女子高生に殺されたい~男という生き物は女子高生に魅力を感じるものらしい~

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《内容》

女子高生に殺されたいがために高校教師になった男・東山春人(田中圭)。人気教師として日常を送りながらも “理想的な殺され方”の実現のため、9年間も密かに綿密に、“これしかない完璧な計画”を練ってきた。彼の理想の条件は二つ「完全犯罪であること」「全力で殺されること」。明るく平和な学園内で、静かに着実に男の計画は進んでいく-。

 

nん気持ち悪いっ!!!

原作・古屋兎丸の時点で気持ち悪いだろうなと思ったんだけど(超褒めてます)、予想以上に気持ち悪くて好♡

 

女子高生というブランド

女には「女子高生」というステージが用意されている。

それは生まれた瞬間からライフステージの中に組み込まれていて、高校進学と同時に自動的に登らされてしまう。

 

「女子高生」とは制服を着た大人と子供の中間的存在で、美しい容姿と未成熟な倫理と計り知れない可能性で成り立っている。

 

さつまいもで例えよう。

 

 「女子中学生」が堀りたての泥つきの芋なら、女子高生は洗われて泥の取れた赤い芋だ。そして大学生はどんな芋になるかを選択する思考する芋となり、社会人になれば大学芋や焼き芋など思考の末の最終形態となり役目を全うしていく。

 

 すでに大学芋や焼き芋になってからスポイルしようとしても、もう変形前の芋には戻れない。思考する芋をスポイルしようとしても確率は低い。そして泥つきの芋は泥を取るのが面倒くさい。果たして、扱いやすく手が出やすいのが泥の取れた赤い芋=女子高生なのだ。

 

 「ライチ光クラブ」でも女子高生を教祖にしたが、男という生き物は女子高生に魅力を感じるものらしい。決して女子高生を自分のものにしたいのではない。女子高生に殺されたいのだ。

   新任教師の東山春人は顔の良さとフランクさで女子高生の人気の的となる。いろんなタイプの女子高生にそれぞれが望む対応をすることでそれぞれの信頼と高感度、そして一番重要な依存度を蓄積していく。(ここらへん悪の教典のハスミンと同じなんだけど、奇しくもどちらの作者は男である)

 

そうしてティーチャーズペットの量産に成功した東山だが、心の中ではただ1人の女子生徒・佐々木真帆に思いを寄せていた。

クラスの男子から人気がありながらも控えめな美少女。他の少女とは違い接点があまりないため、東山と真帆の中に他の生徒よりも濃密な会話はないが、真帆が東山へ好意を持っていることを東山は自覚している。

 

こうして計画通りに洗脳をすすめる東山に誤算が生じる。元カノであり臨床心理士の五月がスクールカウンセラーとして赴任してくるのだ。

 

五月は東山と女子生徒の中が健全ではないことを雰囲気や生徒の話から勘づき、それとなく東山を牽制していくのだが・・・

 個人的に女子高生と社会人の元カノの対比の描き方というか、描くも何もありのままかもしれないけど、とりあえずこの2つの存在が男にどう見えているのか、というのが面白かった。

 

 昔、一方的に自分を振った元カレが熱中しているのは若い女子高生。当時も何かがおかしいと気付きながら別れたのだが、今は臨床心理士として彼の動向を探る・・・という点で個人的には五月視点が一番面白かったのでした。

 

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殺されるために赴任する、という設定がもう勝ちだなぁ、、、と思う。最近、田中圭さんはよく気持ち悪い役をやっているなぁと思うのだけど、そこまで嫌悪感と言うか気持ち悪さを感じないのは、やっぱり清潔感なのかな・・・と映画と全く関係ないことを考えつつ終。