深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】さんかく窓の外側は夜~生きている以上人は呪わずにはいられない~

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《内容》

書店で働く三角康介は、幼い頃から幽霊が視える特異体質に悩まされていた。ある日、書店に現れた除霊師・冷川理人の「僕といれば怖くなくなりますよ」の一言で、冷川と共に除霊作業の仕事をすることに。そんな中、刑事・半澤から、一年前に起きた未解決殺人事件の捜査協力を持ちかけられ、調査を進めた冷川と三角は、やがて自殺した犯人の霊と出会う。真相へと近づいていくふたりの前に現れたのは…。PG12

 

SNSかなんかで面白いって書かれてて気になってたんですよね。

アニメも見よう観よう思ってたのにいつの間にか終わっててアマプラでも見れなくなってた。最&果。

さんかく窓ってなんなんだろって思ってたんですけど、その意味が映画を観て分かった。そして外側は夜、の意味も。かっこいいですよね、こういうセンスがほしい人生だった。

 

呪いは人の心から生まれる

主人公は霊感持ちの三角(みかど)。

 書店員として目立たないように生活し、霊が見えても無視するようにして生きている。そんな三角の前にやってきたのが冷川。三角の霊能力を見破り除霊の仕事の助手としてスカウトする。

 

 三角は霊は見えるが除霊することはできない。くっきり見えてしまうけど逃げることしかできないため、自分の能力に困っていた。冷川は三角を通すとぼんやりとしか見えなかった霊がくっきり見えるし、三角は冷川によって恐怖の対象が除霊という形でいなくなるし、win-winじゃん?ってことで三角は冷川のスカウトを受けることとなる。

 

 冷川には面識のある警察官・半沢がいて、冷川は捜査の協力もしていた。今回の事件は死体をつなぎ合わせて一体の人間をつくるというオカルト的な殺人事件だった。三角は現場で「ヒウラエリカニダマサレタ」という声を聴く。

 ツギハギの遺体の意味を冷川は呪いの装置という

 

藁人形みたいなものですよ

呪いをかけるためには穢れが必要なんです

 

ヒウラエリカはそれを経由して呪いの遠隔操作を行っているんでしょう

 

 ヒウラエリカとは何者なのか、なぜ冷川は知っていながらヒウラを止めないのか、警察に言わないのか、と不審に思う三角。

 

 呪いについて意気揚々と語る冷川は、SNSで拡散される暴言も呪いの一つといいそんなものにいちいちかかわっていたら体が持たないという。それは半沢の妻が呪いにかけられても同じことだった。

 半沢の妻に呪いをかけたヒウラエリカは自家中毒により瀕死の状態に陥る。ヒウラを操る宗教団体は冷川を拉致しヒウラを回復させるよう強要する。拒否する冷川に三角はヒウラでないと半沢の妻の呪いがとけないのではないかと言い、冷川はヒウラの内部に侵入するが、ヒウラの内部とは冷川の閉ざされた記憶の一部でもあった。

 

さっきの

あなたの記憶でしょ?

先生を知っているの?

 

 ヒウラと冷川の共通点、"先生"と"呪い"。

 三角は直感的にこの事件が冷川にも関係があることと悟り、穢れの貯金箱をぶっ壊しに行こうとする。貯金箱はまるで人体をめぐる血管のように張り巡らされた細く赤い鎖。その赤い鎖が巻き付いていたもの。それは幼少期の冷川の大切な"壊れたカレイドスコープ"だった。

 

 失われた冷川の記憶が壊れたカレイドスコープととともに蘇ってくる・・・

 

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 生きている以上呪わないことは無理だ。自分は呪ったことがないと言える人間はいるだろうか?口では心では許してるつもりでも気にしていないつもりでも、実は深く深く呪ったりしてそれが生霊になったりする。だって喜びだけある人間なんてきっとそれは"人間"ではないしこの世界に生きれるはずない。