深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】黄泉がえり~超常現象だろうが呪術だろうがなんでもいい。会いたい人に会えるなら。~

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《内容》

   九州、阿蘇地方のとある地域で死者が次々とそのときの姿でよみがえるという不思議な現象が発生。厚生労働省に勤務する川田(草彅剛)は、故郷でもある現地に向かい、死んだ親友、俊介の恋人だった葵(竹内結子)と再会、調査を開始。やがてこの現象でよみがえった人々は3週間しかこの世にいられないという法則に気づき、葵のために俊介をよみがえらせようとするが…。

 

昔めっちゃ流行った気がする。

若い時は「感動系なんか見るもんか!」という謎の反抗心があったのですが、こんなに胸に来る作品だったのか、と思いちょっともったいないことをしたな、と思いました。

 

会いたい気持ちは消えない

 

人がよみがえるためには強い思いだけじゃだめなんだ

遺骨でも髪の毛でもいい。そいつの肉体の一部がこの土地に残されていないとだめなんだ

 

 厚生労働省厚生科学課勤務する平太(草彅剛)は、死んだはずの子供が帰って来たという調査依頼を受け、地元の熊本県阿蘇市に戻って来た。

 平太は調査しながら旧友の葵(竹内結子)と再会する。二人は死んだはずの人間が帰ってきたという話を疑うわけではなかったが、決して信じていたわけではなかった。

 

 この奇妙な現象は日に日に増えていき、葵は死んでしまった恋人のことを思い出しいてもたってもいられなくなる。強い思いが死者をよみがえらせるのなら、どうして彼は戻ってこないのか…と。

 

 一方、平太は葵が実は死んでおり、彼女をよみがえらせたのが自分であることを知る。葵に「よみがえらせたいなんて気持ちわかるか」と言っておきながら、平太はそれをしていたのだ。

 

 そして葵のことを好きだった平太は、どうしても葵の恋人で親友だった俊介をよみがえらせたくなかった。だが、すでに葵が亡くなっていることを知った平太は最後に彼女の願いを叶えようと、ドナー登録をしていた俊介の角膜を取りに行くのだった。

 

 対して葵も自分の手が透き通り、死んだ瞬間の記憶がよみがえる。そして、自分をよみがえらせたのが誰なのか。自分が会いたかったのは誰なのかを思い出すのだった。

 

 突然死んでしまった夫、消えた子供、出産と共に亡くなった妻、自殺してしまったクラスメイト…もしもう一度出会えたら。一瞬でもいい、たった一言伝えられたら…

 

 よみがえった人たちが消えてしまったあとの残された人たちはどこか前向きなものに見えました。ほんの短い間でも、家族写真を取ったり、大きな手術に立ち会ったり、悩む兄弟に声をかけたり、各々のやり方でよみがえった人たちの力を借りて生きている者たちは前へと進んでいく。

 

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 葵のために俊介の角膜をもってきた平太。だけど葵が会いたいのは平太だから、俊介とは会えないまま葵は消える。この話の持っていき方すっごいなぁ、と思いました。超常現象だろうが呪術だろうがなんでもいい。会いたい人に会えるなら。そう思いました。