深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】老後の資金がありません!~人間、わがままに生きた方が勝ちよ。~

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《内容》

天海祐希主演、家庭のお金の問題に普通の主婦が立ち向かうコメディエンタテインメント。主婦・後藤篤子は節約をモットーに、老後の資金をコツコツと貯めてきた。ところが、身の丈に合っていたはずの篤子の生活は、突如綻び始め…。共演は松重豊ほか。

 

 老後には2000万円必要だって言葉を聞くけど、それでも足りないって声も聞こえるし、結局いくらあったらいいの?もう…老後の資金がありません!

 

人間関係も財産

 

ちなみに母はお茶は知覧茶

パンはメゾンカイザーしか食べませんから。

 

 主婦・後藤篤子(天海祐希)夫は後藤家の長男。義父が亡くなり、葬儀の費用は全て長男が出すべきと義妹に言われ、はい分かりましたと頷く夫に驚く篤子。葬儀代の赤字は約400万円。その後娘の結婚が決まり、結婚式、さらには篤子も夫も職を失う。

 

 家計には家のローンもあるけれど、大きな問題は義母への仕送り9万円だった。義妹に頼みもう少し安いケアマンションに移動できないか相談するが、親の面倒を見るのは子供の役目だし、子供の頃からひいきされていた長男の役目だと譲らない。

 

 そういわれてもまったくお金のない篤子は義母と一緒に暮らすといい、その代わり9万円の仕送りをしてもらうことを約束するのだった。

 

なんだかね、クレジット会社から残金が足りないって連絡がきたんだけど

 

ねえ あなたさ 悪いけど
あたしの口座に10万ばかり入金しといてくれない?

ね。

 

 しかし義母は贅沢な人で、お金遣いが荒かった。通帳とカードを渡してくれたけど残金は0だし、そればかりでなくカードのお金も払えないほどだった。

 その後もオレオレ詐欺に引っかかって100万円を失ってしまう。そんな折、篤子と義母と同じヨガ教室に通う友達から父親になりすましてほしいと相談される。

 

 それは、年金取得のための生存確認に役所の人がくるので80代の父親になりきるというものだった。犯罪だと止める篤子と、人助けという義母。結局謝礼30万を受け取り父親になりきるのだった。

 

このまま死んでしまいたい
いっそ死んでしまおうか
と思った時 奇跡が起きたんです

 

あたしと一緒に暮らそうという人が現れたんです

 

それが篤子さんでした

 

 篤子は義母への仕送りが苦しく苦肉の策で一緒に暮らそうと言ったのに、義母にとってそれは天の声だったのだ。

 

 最後には家を売りシェアハウスで暮らす篤子達。赤字は一気に黒字になり、篤子は前よりもわがままに生きている。と締める。

 

 嫁姑の関係である篤子と義母がなんだかんだ仲良くて、篤子はお金のためとはいえ義母を気にかけ、義母もそんな篤子の優しさに気付く。

 

 二人の関係性が見ていてとても気持ちよかった。どちらか一方が献身的なのではなく、お互いがお互いの良さを認めそれを言葉にして伝えられる。そういう関係性を築けることも一つの老後の資金なのではないかな、と思いました。

 

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人間、わがままに生きた方が勝ちよ。