《内容》
高い塀で下界を遮断された森の中の学校、エコール。6歳から12歳までの少女たちが自然の生態やダンスを学んでいる。
髪には学年を区別する7色のリボン。かわいらしい制服は清楚な白。深い森と青い空を映す湖の前で、妖精のように戯れる少女たち。
男性のいない完璧な世界にまた一人、6歳の少女イリスがやってきた…。彼女たちは卒業まで外と接することなく、7年間学校の中で過ごす。
卒業のとき、彼女たちの胸に去来するのは、開放の喜びなのか、新しい世界への恐怖なのか?少女たちは一体どこへ行くのだろうか…。
途中まで
これ絶対ネバランじゃん・・・!って思ってた。
この少女たちはやましい老人に売られるか、一生奴隷として働くか、そういう展開がいつ来るのだ…と思ってみてた私は汚れているッと思いました。
少女の成長日記
結論から言うと、不穏な空気をまとったまま、何の謎も解けないまま物語は終わります。ここから分かるのは、何の謎もなく、これはただの”少女の成長日記”なのだということです。
少女だけが暮らす森の中で、教員はすべて女性。少女たちは自然の中で遊び、習うのは生き物の成長と踊りだけ。
教員はかつてここで暮らしていた少女らしく、足を悪くしている。
年に一度だけ校長先生が青リボンのクラスの子から一人だけ選びにやってくる。それがここから一番早く抜け出す方法。だけど、選ばれた子が”何のために”選ばれたのかは明かされない。
外の世界を知りたくて成虫になる前に繭から飛び出した少女は死ぬか罰を受けるかのどちらか。そして一番上の紫のリボンの少女たちは舞台で踊りを披露し学園のお金を稼ぐ。
この学園がなんのためにあるのか、この少女たちはなぜここにやってきたのか、足を悪くした教員はなんなのか、それらはすべて藪の中である。
この映画は少女時代を描いているもので、蝶になる前の繭期のことなのだ。この学園は繭そのもので、蛹が少女なのです。蝶となり外の世界に羽ばたいたけれど、傷ついて戻って来た者の象徴としての女性教員。脱走は不完全変態で息絶えるルートとなり、この繭期を乗り越えて外界に出て男と出会うのが完全変態した蝶(少女)なのです。
この類のテーマはかなり性癖というか、人を選びますよね。興味ない人は意味わからないしつまらなく感じそうですが、個人的にはすごく好きな世界観です。
ずっとウォッチリストに入れてたけど、配信されずに待ってた作品。突然配信開始になったときは興奮してしまいました。
アマプラ公開中↓
ドイツのギムナジウムとか少年だけ、少女だけ、という閉鎖的で限定的な世界ってすごく特別感あってそれだけでドラマになるというか。私の少女時代なんて男女混合けいどろで何の神秘性もないから、こういう世界にめっちゃ憧れます。