深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】コロニアの子供たち〜実際にあったナチズムを引き継いだ強制労働施設〜

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《内容》

奨学生としてコロニア・ディグニダの学校に通い始めた12歳の少年・パブロは、入学してすぐに集団を統治するパウル様の“お気に入り”に選ばれる。
しかし、それは彼にとって地獄の日々への入り口だった。
地域から隔離された謎の施設で遭遇する、あまりに不可解な出来事の数々。闇に触れた少年は、どのように現実と対峙するのか――。

 

 コロニアというのを初めて知りました。映画を見てwikiにすぐ走ったけど、なんかめちゃくちゃな世界だな、と思いました。こんな世界がつい最近まであったとか恐ろしすぎる。

 

残酷な夢が支配する

 コロニアの詳細は、多分、こっちの映画を見た方が良さそう。

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 今回の映画だと、結構えぐいところはボカされている感じです。不穏なことだけ感じ取れるのですが、何かが解決することもなく胸糞なEND。

 

 コロニア・ディグニダの学校に奨学生として推薦されたパブロ。別に行きたいわけじゃないけど、貧乏な家庭だったパブロは母親に諭され入学を決意。

 しかしそこでのルームメイトは信号さえ知らないし、話をしてはいけないと言う。パブロはこの施設のことを知りたくて夜徘徊するようになるが、その姿は監視カメラにばっちりと映っているのだった……

 

 コロニア・ディグニダは、ナチスの残党パウル・シェーファーが設立した。ヒトラーユーゲント出身のパウルは幼少期よりナチスの思想を学んでいたため、コロニア・ディグニダの実態は強制収容所を模範にした強制労働施設であり人体実験場、さらには当時のチリの政権とも癒着していた。

 

 コロニアの子供たちには親はなく、外部との接触、テレビなどの外部情報との隔離、6歳から死ぬまで続く休日のない労働、と生まれながらに何か罪でも犯したのかと言いたくなる待遇であった。(これなら刑務所の方がマシでは?)

コロニアの子供たち

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 こういうのが一番怖いだろ……人間やめたくなるね