《内容》
1979年、テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーで敏腕プロデューサーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンとベトナム帰還兵で俳優のジャクソン、そして自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインの3組のカップルは、映画撮影のために借りた田舎の農場へ向かう。彼らが撮影する映画のタイトルは「農場の娘たち」。この映画でドル箱を狙う――。6人の野心はむきだしだ。
そんな彼らを農場で待ち受けたのは、みすぼらしい老人のハワードだった。彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめるハワードの妻である老婆パールと目があってしまう……。
そう、3組のカップルが踏み入れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が棲む家だった――。
これ2022年の映画なの!?
時代設定と同じ1979年くらいの映画かと思ったくらい映像古い。キャスターも古臭くて逆にすげぇな。
『ヘレディタリー/継承』『ミッドサマー』との三部作とか見てから知って、あぁ〜なるほど。とちょっと納得。アリアスターじゃないけどね、狂った老人の狂気はなるほど三部作だわ、という感じ。
私らしくない人生は受け入れない
アバズレ!
お前は純真無垢じゃない
特別じゃない
いずれ何もかも色褪せる
私と同じようにね
女性は結構分かるというか、あぁ〜って思う人も多いんじゃないかなぁ。物語は非常に単純で、若くて美しい女がセックスシンボルである自分をアイディンティティにしている。それは若いうちは彼女たちを無敵にするが、年老いるとそれは残酷な夢になる。という話。
よくYouTubeとかでもある、港区女子とかパパ活女子が年取ったらこうなるで、の最上互換みたいな感じ。
一人の男に愛されても満たされないんだね。不特定多数の人に愛されることがアイディンティティだったから、愛が一つじゃ満たされない。愛されない私じゃ満たされない。愛されないなんて私らしくないじゃない。そんな人生認めない。こんな感じ。
主人公のマキシーンは、セックスシンボルとしての自分の価値を理解していた。だから、この若いうちに映画女優になって大金稼ぐのさ!と映画撮影に望む。ロケ地は農場。そこは老夫婦が住んでいるだけの裏寂しい場所だ。こんな場所で暮らす老人なんかにゃなりゃしない。あたしはあたしが求める人生を行く!ってな感じで順調に仲間達と撮影していくんだけど、だんだん様子がおかしくなっていく。
性と若さと美貌の魔力は、嫌悪感さえ抱いていたマイク係の少女に作用し、次は老女へと飛び火、女という性の繋がりに絶望したマイク係の恋人で監督の男は農場から逃げようとするが、ここはすでに悪魔の住む土地なのだった。
マキシーンが自ら湖に素っ裸で入って危機一髪でワニに襲われなかったところが、彼女が幸運の上に立っていて、でも最後は老女のようになる、という未来を描いているようで好きでした。
この老女の話はpearlという作品らしいので、こっちも見てみようかな。