深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

作家別-サリンジャー

彼女の思い出/逆さまの森/サリンジャー~初恋を叶えるためには相手を幽閉するか自分もおかしくなっちまうしかなかった~

《内容》 サリンジャーの輝けるエッセンスを示しながら、本国では出版されないままの中短篇を集成!これが最後の「9つの物語(ナイン・ストーリーズ)」! いくつかの映画の題材になるなど、今なお注目を集める伝説の作家J.D.サリンジャー。 第二次大戦前に留学…

サリンジャー選集 (別巻1) ハプワース16、一九二四~神に祈ろうが問題は全て自己の内にある~

≪内容≫ グラース家の長男、7歳のシーモア・グラースが、1924年の夏休みにメイン州のキャンプ地・ハプワースに来てから16日目に家族に送った長い手紙を、1965年に弟バディがタイプライターで書き写している、という形式で叙述される書簡体小説。シーモアの、…

我が父サリンジャー~サリンジャー、カモメに激怒する~

≪内容≫ 今でも隠遁生活を続けているアメリカ文学の巨匠サリンジャー。ドイツ人女性との最初の結婚、英国貴族の娘との再婚、隠遁生活をコーニッシュに求めた理由など、多くの謎に包まれた彼の実像をすべて明らかにした娘の回想録。 サリンジャー読んでるとす…

ナイン・ストーリーズ/サリンジャー~バナナフィッシュにうってつけの日の謎~

≪内容≫ バナナがどっさり入っているバナナ穴に行儀よく泳いでいき、中に入ると豚みたいにバナナを食べ散らかすバナナフィッシュ。あんまりバナナを食べ過ぎて、バナナ穴から出られなくなりバナナ熱にかかって死んでしまうバナナフィッシュ……グラース家の長兄…

大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章/サリンジャー~愛が悲しいものだということを神は知っている。~

≪内容≫ 画一化された価値観を強いる現代アメリカ社会にあって、繊細な感受性と鋭敏な洞察力をもって個性的に生きようとするグラース家の七人兄妹たち。彼らの精神的支柱である長兄シーモアは、卑俗な現実を嫌悪し、そこから飛翔しようと苦悶する―。ついに本…

サリンジャー選集(2) 若者たち~理想はリアルからすごく遠い場所~

≪内容≫ ライ麦畑の原型「気ちがいのぼく」やホールデンの兄ヴィンセントの物語も収録。 サリンジャー自身は初期の短編が気にいっていないようですが、個人的には曲がなくて読みやすいのが初期で、わりと好きです。 16編のかんたんな紹介 若者たち・・・パーティ…

ライ麦畑でつかまえて/サリンジャー~人を憂鬱にするには悪人でなければならんということはない~

≪内容≫ インチキ野郎は大嫌い! おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か? 病める高度文明社会への辛辣な批判を秘めて若い世…