深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

書評ーエッセイ

ケルトを巡る旅 -神話と伝説の地/河合 隼雄〜ままならない自然の力が生き抜く強さの糧となる〜

《内容》 キリスト教以前のヨーロッパに存在したケルト文化。ケルト人は文字を持たず、歴史を書き記すこともなかった。しかしアイルランドやイギリスの文化には、その影響が今なお色濃く残っている。自然と共に生きたケルト人。自然から切り離された現代文明…

きみの言い訳は最高の芸術/最果タヒ~「あの頃の原宿」は溶けて消えてしまったと気付いた~

《内容》 至極のエッセイ45本に加え、文庫版の「おまけ」9本&「あとがき」を収録。あなたの心の中でうごめく「曖昧な感情」に、「曖昧なまま」そっと寄り添ってくれる沢山の言葉たち―最果タヒ初のエッセイ集が待望の文庫化! 心の中にめちゃくちゃ言葉が渦巻…

女に生まれてモヤってる!/中野 信子, ジェーン・スー~女に生まれたらイージーモードは本当?~

《内容》 「女らしさ」は誰のため?敵と味方とルールを再検証する。恋愛と結婚、私たちの戦略。なぜ女は自信を持ちづらいのか。ジャストフィットな生き方は自分で決める。 "モヤってる"っていうのがいいなぁ、と思いました。怒りでも哀しみでもなく、"うーん…

東京ディストピア日記/桜庭一樹~2021年コロナ禍どうだった?~

《内容》 作家・桜庭一樹が仔細に記録する2020年1月~2021年1月。分断が進むこの世界で、私は、あなたは、どこにいて何を思考する、誰なんだろう――?オリンピック延期、和牛券、休業要請、#うちで踊ろう、Zoom飲み会、アベノマスク、ステイ・ホーム太り、自粛…

精選女性随筆集 第四巻 有吉佐和子・岡本かの子~作品の源は怒りであり、繊細な人は常に怒りを持っている~

《内容》 ベストセラー作家・有吉佐和子の若き日の随筆と、マイノリティーの視点が光るルポルタージュ、歌人、小説家として生を燃焼した岡本かの子が夫と息子について書いた文章、書簡を中心に編む。 岡本太郎の母・岡本かの子さんの小説を読みたいとずっと…

女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。/ ジェーン・スー~女らしい見た目ってストイックの象徴以外の何物でもない~

《内容》 断捨離?ミニマリスト?しらんがな!赤い口紅・七分丈レギンス・自撮り・オーガニック・京都・ヨガ…女泣かせの「甲冑」が今日も私を締め付ける! 女の甲冑って洋服のことです。洋服に限らずファッションやメイクにヘアスタイルに体系維持。なんでそんな…

タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子 叫んでもいいですか/辛酸なめ子~美しさや努力が絶対的に肯定されることだから、この2つを手にした人のやることは穢さが見えにくいのだ。~

《内容》 思わず声が出てしまう瞬間を語る。 辛酸なめ子さんというお名前は聞いたことがあったのですが、本は初めて。なんで手に取ったかって、タイトルのイラストのタピオカミルクティーの内容に共感したからwもはやむっちゃむっちゃと永遠に嚙んでてタピ…

父の詫び状/向田 邦子~いつの時代も変わらない家族の風景~

≪内容≫ 宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、“真打ち”と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が…