《内容》
思わず声が出てしまう瞬間を語る。
辛酸なめ子さんというお名前は聞いたことがあったのですが、本は初めて。なんで手に取ったかって、タイトルのイラストのタピオカミルクティーの内容に共感したからwもはやむっちゃむっちゃと永遠に嚙んでてタピオカを吸い込まずに液だけ飲もうとしてました。(流行りについていけないアラサー)
不自然な若さには裏がある?
コラムニストの辛酸なめ子さん。なんと同じ埼玉出身なんですね。親近感沸く~!
なにやらスピリチュアルな内容も多い中、一番「ハッ!」とした項目を紹介していきます!
周りには40代50代60代になっても美しく、異様な若さを保っている現役感満載の女性たちもいます。彼女たちを見ていて気付いたのは、人からエネルギーを吸収する魔力を持っている、ということ。取材でその手の美魔女のところに行くと、男性スタッフが急激に疲労したり、じんましんが出たり、体調不良になってしまうことが何度かありました。
(中略)
いつまでも年を取らない、若さに執念を燃やす人の周りには、いけにえのような存在がいるのかもしれません。周りを犠牲にしてまで若さを保ちたくない気もします。普通に老けていく人は、きっとやさしい女性なのだと思います。
男性スタッフに限らず女性スタッフでも体調を崩すことがあったそうです。私はいわゆる「美魔女」に出会ったことがないのですが(芸能人と港区以外で出会える確率どれくらい?)田中みな実さんのような美を追求している人には出会ったことがあります。
でも、本人のお金で本人がやりたくてやっているのに、どうして他人に影響してしまうのでしょう?正直、私もこのような美にこだわっている先輩(Aさんとします)に会うと疲れたし、ものすごくイライラすることもありました。
Aさんは、月に1回のヘアケア(1万円くらいらしい)をしていて、常に髪はサラサラツヤツヤ、使っているシャンプーとリンスもjohn masters organicsのお高いやつでお肌もキレイで足も細く常に7cmくらいのヒール。背筋はピン!と伸びていて、Aさんの提案で毎朝簡単なヨガも朝礼の一つに組み込まれた。
Aさんはよく彼氏と同棲している部屋に我々後輩を誘い女子会を開いた。もちろんAさんの手作り料理のフルコース。呼ばれた我々は会費(ワインとか料理代)を支払い入場し、皿だしやレンチンや皿洗いなどを手伝い、準備が整ったところで女子会が始まる。
まず料理の写真を撮ってから、Aさんの特大ipadが向けられ"こっち見てー!"と明るく優しくでも否定を許さない強い声で呼びかけられる。絶対笑いたくない私VS絶対楽しい雰囲気の女子会風景を取りたいAさん。
だが後輩の私はこのもやもやにつける名前がなかったためあいまいに笑った。敗北だ。そしてあまりに多すぎる&豪華な料理に手を付けるが、Aさんはワインを飲むばかりで一切食べない。
そうなってくると、この豪華な料理たちが一気に残飯に思えてくるのだった。
当時は、この気持ちの置き所が分からず、みんなに好かれているAさんを好きになれないモヤる自分が人間性の低い証、もしくはAさんへの嫉妬なのかと思っていた。このモヤりに名前をつけて自分を安定させたかったのだけど、当時はできなかった。
しかし今は分かる。
Aさんは私たちを同じ人間だと思っていなかったのだ。
まるで、貴族が市民に施しを与えるように、指導者が平民を教育するように、いつもAさんは私たちより高い位置から話していたのだ。
別にAさんが月に1回のヘアケアしてようがヨガしてようが、「別に好きでやってる」だけなら何も影響はないはずなのだ。得意の料理も好きでやってインスタに載せるならなんでもないことなのだ。
だけど、Aさんがしたことは我々の意見を聞かず、朝礼にヨガを組み込み(上司がいいと言ったからだが、上司は一度も参加しなかった。クソ事なかれ主義だからだ)強制的に”やらせた”し、料理も作っている自分、それを後輩にふるまっている自分を写真に収めたらあとは用無しなのだ。
自分が頑張るのもなりたい自分になる努力をするのも何にも問題ないし、一人の世界で頑張ってるうちは誰かを生贄にすることもない。だけど、そこに勝手に人を連れ込んでモブキャラに仕立て上げるというのが生贄行為なのだ。
美しさや努力が絶対的に肯定されることだから、この2つを手にした人のやることは穢さが見えにくいのだ。
悲しいかな、人は見た目が9割だから。
その後私がこういう人間に初めて会っただけで免疫がなかったことに気づいた。私はムカムカイライラしてて、「なんでみんなあの人のことを褒めるんだ!中身空っぽじゃないか!」って思ってたんですけど、Aさんが辞める時、誰も泣かなかったし引き留めなかったし送迎会もなかった。Aさんは「私が辞めたらみんな辞めると思いますよ」って上司に啖呵切ってたらしいですけど、Aさんに続くように辞めた人は誰もいなかった。
芸能人級の美魔女に会ったことがある辛酸さんだからこそ書けるこういうお話やインドでのお話など、「あるあ・・・ねーよ!」ってところも含めて面白かったです。