深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

作家別-バタイユ

眼球譚(初稿)/バタイユ~この世界がまっとうに思えない人たちへ~

《内容》 一九二八年にオーシュ卿という匿名で地下出版されたバタイユの最初の小説。本書は、著者が後に新版として改稿したものと比べて全篇にわたって夥しい異同がある。サド以来の傑作と言われるエロティシズム文学として、「球体幻想」を主軸に描き上げた…

宗教の理論/バタイユ~労働によって人間になり、労働によって自由を奪われ、労働によって死を怖れる~

≪内容≫ ミシェル・フーコーをして「今世紀で最も重要な思想家のひとり」と言わしめたジョルジュ・バタイユは、思想、文学、芸術、政治学、社会学、経済学、人類学等で、超人的な思索活動を展開したが、本書はその全てに通底・横断する普遍的な“宗教的なるも…

エロスの涙/バタイユ~洞窟壁画や西洋絵画が裸体だったりエロイのはなんでだろう~

≪内容≫ 「私が書いたもののなかで最も良い本であると同時に最も親しみやすい本」と自ら述べた奇才バタイユの最後の著書。人間にとってエロティシズムの誕生は死の意識と不可分に結びついている。この極めて人間的なエロティシズムの本質とは、禁止を侵犯する…

エロティシズム/バタイユ~やっちゃだめ(禁止)と言われるとやりたくなる心理(侵犯)~

≪内容≫ 労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌…。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰…