《内容》 このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普…
《内容》 妻子ある不遇な作家との八年に及ぶ愛の生活に疲れ果て、年下の男との激しい愛欲にも満たされぬ女、知子……彼女は泥沼のような生活にあえぎ、女の業に苦悩しながら、一途に独自の愛を生きてゆく。新鮮な感覚と大胆な手法を駆使した、女流文学賞受賞作…
《内容》 村上春樹とアメリカ文学の生きた伝説、御年83歳のグレイスおばあちゃんとのコラボレーション第2弾。世紀を越えて輝く傑作10篇収録 タイトルの「人生のちょっとした煩い」がものすごく響く。ただのタイトルの時は、ちょっと洒落たいい言葉程度のもの…
《内容》 喪失感をそれぞれに抱え、インドへの旅をともにする人々。生と死、善と悪が共存する混沌とした世界で、生きるもののすべてを受け止め包み込み、母なる河ガンジスは流れていく。本当の愛。それぞれの信じる神。生きること、生かされていることの意味…
《内容》 琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。捜査で出会った男と女―謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった二人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが……。昭和から令和へ…
《内容》 「ミスト」として映画化され、TVドラマ化もされたスティーヴン・キングの代表作「霧」。スティーヴン・キング通が口をそろえて、「はじめてキングを読むのなら『霧』から」とオススメするホラー史上に残る傑作です。この「霧」を収録したキングの短…
《内容》 自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重…
《内容》 村上春樹が心をこめて贈る、12の「パーソナル・ベスト」。レイモンド・カーヴァーの全作品の中から、偏愛する短篇、詩、エッセイを新たに訳し直した「村上版ベスト・セレクション」に、各作品解説、カーヴァー研究家による序文・年譜を付す。 とあ…
《内容》 「嫉妬」別れた男が他の女と暮らすと知り、私はそのことしか考えられなくなる。どこに住むどんな女なのか、あらゆる手段を使って狂ったように特定しようとしたが……。盲執に取り憑かれた自己を冷徹に描く。「事件」1963年、中絶が違法だった時代のフ…
《内容》 若くして小説家デビューするも、その後は鳴かず飛ばず、鬱屈とした日々を送る慎一。そんな彼のもとに、友人の元妻、裕子が、幼い息子アキラを連れて引っ越してくる。慎一は、自らの無様な姿を、夜ごと終わりのない物語へと綴ってゆく。一方の裕子は…
《内容》 郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、…
《内容》 大人になれない僕たちは、空で戦うことしかできないのだ――永遠の生命を持つ子供たち「キルドレ」が戦争を請負う社会。戦闘機乗りのカンナミは、日々指令を受け空へ出勤し、夜は同僚たちと歓楽街へ出かける。生死とは、そして自我とは何かを問う森博…
《内容》 キリスト教以前のヨーロッパに存在したケルト文化。ケルト人は文字を持たず、歴史を書き記すこともなかった。しかしアイルランドやイギリスの文化には、その影響が今なお色濃く残っている。自然と共に生きたケルト人。自然から切り離された現代文明…
《内容》 小林波間32歳、前日偶然再会した同級生中川くんとは、どうやら別の東京を生きている。NEW桜庭ワールドに魅了される傑作長編! 桜庭さん特有の命名はそのまま、物語が段々と綺麗になっていくなぁ、と思います。もっとドロドロしてキャラが立ってた過…
《内容》 近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し……。 えっ・・・ギャグ小説かなんか? と思うくらいに面白い。ほんとに。…
《内容》 横浜市青葉区で三人きょうだいの長女として育ち、県立高校を経て中堅の女子大学に入った美咲と、渋谷区広尾の国家公 務員宿舎で育ち東大に入ったつばさ。偶然に出会って恋に落ちた境遇の違う二人だったが、別の女の子へと気持ち が移ってしまったつ…
《内容》 「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あな…
《内容》 二転三転する事件に翻弄されるなかで、社会正義や共同体の在り方について悩み、お互いを見つめ直す探偵コンビを描く、ノンストップ・アクション・エンタテインメント。 読みやすくて小一時間ほどで読み終わっちゃいます。 個人的には癖強いコチラの…
《内容》 「文學界」掲載時から話題を呼んだ自伝的小説「少女を埋める」と、発表後の激動の日々を描いた続篇「キメラ」、書き下ろし「夏の終わり」の3篇を収録。近しい人間の死を経験したことのあるすべての読者の心にそっと語りかけると同時に、「出ていけ…
《内容》 認知症を患うカケイは、「みっちゃん」たちから介護を受けて暮らしてきた。ある時、病院の帰りに「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」と、みっちゃんの一人から尋ねられ、カケイは来し方を語り始める。父から殴られ続け、カケイを産ん…
《内容》 誰にも「助けて」と言えない。圧倒的リアリティで描かれる貧困女子の現実。 貧困女子の話はなんと4年前に読んでいた。 www.xxxkazarea.com この記事を書いた4年前の7月は私も契約社員だった。更に本作の主人公の水越愛のように大卒でもなく高卒で、…
《内容》 主人公は北関東の“クソ田舎”の工業高校に通う朴秀美。地元の閉塞感や機能不全を起こした家族に絶望し、ヒップホップとSF小説を心の逃げ場としていた彼女は、ある出来事を機に〈大麻の種〉を入手する。これがあれば今の状況から逃げ出せるかもしれな…
《内容》 普通の刺激に慣れ切った私は、女装をして浅草の街中を歩くことに悦楽を覚え始める。だが、映画館の貴賓席で、かつて暫く関係を結んでいたT女と出会い――。秘されたものに魅了された男を描く「秘密」。 やっぱ谷崎潤一郎は面白いわ。 最後残酷だろwっ…
《内容》 長者の一粒種として慈しまれる夜長姫。黄金をしぼらせ、したたる露で産湯をつかわせたので、姫の身体は光りかがやき、黄金の香りがするといわれていた。飛騨随一の匠の弟子で、大きな耳を持つ耳男は、姫が十三歳の時、姫のために弥勒菩薩像を造るよ…
《内容》 金魚屋の息子復一は真佐子に恋をするが、真佐子は他の男性と結婚してしまう。恋しいあまり復一は彼女のような美しい金魚を作ろうと半狂乱になってゆく。 タイトルから華やかな雰囲気ムンムンです。青空文庫で一時間ほどで読めちゃいます。 www.aozo…
《内容》 劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は―。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私…
《内容》 世界の神話や昔話などの伝承、現代のフィクション作品に見られる、家をめぐる怖い話の数々。そこに「いる」のは、そして恐怖をもたらすのは、人々にとって家とは何なのか。好評既刊『怖い女』に続く、怪異の神話学。 家が怖いというより、その家に…
《内容》 泳いで、酔っ払って、泳いで、酔っ払って…。夏の大学町を舞台に、若い男女たちが織りなす青春劇。暑い季節の中で、「僕」とアキ、文子、道雄、慎の四人は、プールで泳ぎ、ジャズバーで酒を飲み、愛し合い、他の男たちと暴力沙汰になり、無為でやる…
《内容》 美貌の夫と安楽な生活を捨て、人生に何かを求めようとした三十九歳のポール。孤独から逃れようとする男女の複雑な心模様を描く。 サガンの本、書店だと「悲しみよ、こんにちは」と「ブラームスはお好き」しかなかったんですよね。取り寄せできると…
《内容》 井沢釈華の背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。 両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ…