深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

書評

続 氷点/三浦綾子~包帯をまいてやれないのなら、他人の傷に触れてはならない~

《内容》 辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと…

氷点/三浦綾子~自らのアイデンティティーを失ったとき、人はどう生きる?~

《内容》 ある夏、北海道旭川市郊外の見本林で3歳の女児が殺される。父親、辻口病院院長の啓造は出張中、母親の夏枝は眼科医の村井の訪問を受けている最中の出来事だった。夏枝と村井の仲に疑いを抱いた啓造は、妻を苦しめたいがために、自殺した犯人の娘を…

積木の箱/三浦綾子~地獄とは、もう愛せないということだ~

《内容》 親と子、教師と生徒の絆を深く描く問題作。旭川の私立中学校に赴任した教師の杉浦悠二は、生徒のひとり、佐々林一郎の暗い表情が気になっていた。じつは一郎は、実業家の父を持つ裕福な家の息子であったが、姉だと信じていた奈美恵が父・豪一の愛人…

戦争童話集/今江 祥智~生を絶対肯定するのはいつだって戦争の物語だった~

《内容》 「わたし、馬と話ができるのよ…」あのこはそういった。村の遠くでサイレンがなり、高い空に、きれいな鳥みたいな飛行機が、いくつもいくつも町へむかって飛ぶのが見えた。町が空襲にあったのは山あいの村からあのこが消えた夜のことだった。日本が…

水木しげるのラバウル戦記/水木しげる~一致団結とか挙国一致とか、言葉とは希望や願望でしかないのだ~

《内容》 太平洋戦争の激戦地ラバウル。水木二等兵は、その戦闘に一兵卒として送り込まれた。彼は上官に殴られ続ける日々を、それでも楽天的な気持ちで過ごしていた。ある日、部隊は敵の奇襲にあい全滅する。彼は、九死に一生をえるが、片腕を失ってしまう。…

本当に強い人、強そうで弱い人 心の基礎体力の鍛え方 /川村則行~もし私が私じゃなかったらきっと今よりはマシな人生だったに違いない~

《内容》 職場で、家庭で、友人関係で……なんとなく”生きづらさ”を感じているあなたへ。「心が強い」とはどういうことだろうか? 「心の基礎体力」の鍛え方の第一歩は、自分の弱さを受け入れること。自分を知り、心と体の関係を知れば、強く生きるコツが見つか…

古都/川端康成~自分にとって他人の人生は幻でしかない~

《内容》 捨子ではあったが京の商家の一人娘として美しく成長した千重子は、祇園祭の夜、自分に瓜二つの村娘苗子に出逢い、胸が騒いだ。二人はふたごだった。互いにひかれあい、懐かしみあいながらも永すぎた環境の違いから一緒には暮すことができない……。古…

鸚鵡楼の惨劇/真梨幸子~欲望を上手に隠した善人かぶれで溢れかえるこの世界に~

《内容》 1991年、バブル期の西新宿。人気エッセイストの蜂塚沙保里は、名声と、超高級マンションでのセレブライフを手に入れた。でも―1962年から2013年―半世紀にわたり、忌まわしき未解決事件の記憶が、新たな悲劇を引き起こす―! うぉおおおおお! って最後…

6月31日の同窓会/真梨 幸子~大人になっても付きまとう女子高の呪い~

《内容》 「案内状が届くと死ぬ」その伝説が現実に―!?伝統ある女子校・蘭聖学園の卒業生が連続死する。OGの弁護士・松川凛子は、死亡した女たちが、存在しないはずの「6月31日」に開催される同窓会の案内状を受け取っていたことを突き止める。やがて凛子にも…

白夜/ドストエフスキー~不器用なインテリ青年の一夜の恋~

《内容》 ペテルブルグに住む貧しいインテリ青年の孤独と空想の生活に、白夜の神秘に包まれた一人の少女が姿を現し、夢のような淡い恋心が芽生え始める頃、この幻はもろくもくずれ去ってしまう……。 ドストエフスキーってめっちゃ喋るよなwwwwwwwww…

夜葬/最東 対地~死者の顔をくり抜いたソコに白米を盛り食べ分けるという奇習怖すぎ~

《内容》 ある山間の寒村に伝わる風習。この村では、死者からくりぬいた顔を地蔵にはめ込んで弔う。くりぬかれた穴には白米を盛り、親族で食べわけるという。この事から、顔を抜かれた死者は“どんぶりさん”と呼ばれた―。スマホにメッセージが届けば、もう逃…

鬼/今邑 彩~どんでん返し満載のホラー寄りミステリー~

《内容》 引きこもっていた息子が、突然元気になった。息子を苛めていた子が、転校するというのだが…「カラス、なぜ鳴く」。かくれんぼが大好きだったみっちゃん。夏休みのある日、鬼になったみっちゃんは、いつまで待っても姿をあらわさなかった。そして、…

女に生まれてモヤってる!/中野 信子, ジェーン・スー~女に生まれたらイージーモードは本当?~

《内容》 「女らしさ」は誰のため?敵と味方とルールを再検証する。恋愛と結婚、私たちの戦略。なぜ女は自信を持ちづらいのか。ジャストフィットな生き方は自分で決める。 "モヤってる"っていうのがいいなぁ、と思いました。怒りでも哀しみでもなく、"うーん…

東京ディストピア日記/桜庭一樹~2021年コロナ禍どうだった?~

《内容》 作家・桜庭一樹が仔細に記録する2020年1月~2021年1月。分断が進むこの世界で、私は、あなたは、どこにいて何を思考する、誰なんだろう――?オリンピック延期、和牛券、休業要請、#うちで踊ろう、Zoom飲み会、アベノマスク、ステイ・ホーム太り、自粛…

精選女性随筆集 第四巻 有吉佐和子・岡本かの子~作品の源は怒りであり、繊細な人は常に怒りを持っている~

《内容》 ベストセラー作家・有吉佐和子の若き日の随筆と、マイノリティーの視点が光るルポルタージュ、歌人、小説家として生を燃焼した岡本かの子が夫と息子について書いた文章、書簡を中心に編む。 岡本太郎の母・岡本かの子さんの小説を読みたいとずっと…

女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。/ ジェーン・スー~女らしい見た目ってストイックの象徴以外の何物でもない~

《内容》 断捨離?ミニマリスト?しらんがな!赤い口紅・七分丈レギンス・自撮り・オーガニック・京都・ヨガ…女泣かせの「甲冑」が今日も私を締め付ける! 女の甲冑って洋服のことです。洋服に限らずファッションやメイクにヘアスタイルに体系維持。なんでそんな…

タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子 叫んでもいいですか/辛酸なめ子~美しさや努力が絶対的に肯定されることだから、この2つを手にした人のやることは穢さが見えにくいのだ。~

《内容》 思わず声が出てしまう瞬間を語る。 辛酸なめ子さんというお名前は聞いたことがあったのですが、本は初めて。なんで手に取ったかって、タイトルのイラストのタピオカミルクティーの内容に共感したからwもはやむっちゃむっちゃと永遠に嚙んでてタピ…

本に埋もれて暮らしたい/桜庭一樹~”考え続ける”は才能の一種~

《内容》 旬な作家サクラバカズキの日常と、ドタバタの日々に癒しと活力を与えてくれた本の数々を紹介する、大人気WEB連載の書籍化第4弾。どんなに忙しくったって、やっぱり本がなくては生きてゆけない! のだ。 2011年、10年前の本なんですよね。 でも…

桜庭一樹のシネマ桜吹雪/桜庭一樹~人間というものは本質的に理解できないものかもしれないという”畏れ”こそが映画である~

《内容》 一本の映画で二度三度とおいしい。物語作家ならではの洞察が光る珠玉のエッセイ集。 桜庭さんはこれもそうなんだけど、結構自分の感想が本になることが多い。 本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記) 作者:桜庭 一樹 東京創元社 Amazon 桜庭さ…

フランケンシュタイン/メアリーシェリー~誰の心にも怪物が住み着いている~

《内容》 若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆ…

背高泡立草/古川真人~心の奥底で感じることこそ向き合うべき自分の運命~

《内容》 草は刈らねばならない。そこに埋もれているもは、納屋だけではないから―。長崎の島に暮らし、時に海から来る者を受け入れてきた一族の、歴史と記憶の物語。第162回芥川賞受賞作。 納屋と言ったら村上春樹。 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫…

小説のように/アリス・マンロー~事件と呼ぶには大袈裟な悪意や人の卑しさを詰め込んだ、スカっとするようでイヤな汗が流れる短編集。~

《内容》 子持ちの若い女に夫を奪われた音楽教師。やがて新しい伴侶と恵まれた暮らしを送るようになった彼女の前に、忘れたはずの過去を窺わせる小説が現われる。ひとりの少女が、遠い日の自分を見つめていた―「小説のように」。死の床にある青年をめぐる、…

カステラ/パク・ミンギュ~なぜこの電車は、人生は、この世は、いつも揺れているんだろう~

《内容》 現代韓国文学の人気作家・パク・ミンギュのロングセラー短編小説集。洒脱な筆致とユーモアあふれる文体で、主人公の若者たちを取り巻く「就職難」「格差社会」「貧困の様相」etcを描きながら、彼ら彼女たちに向ける眼差しを通して、人間存在への確…

推し、燃ゆ/宇佐見りん~あたしというすべてを賭けて推しを推すとき、あたしはいつになく満ち足りている~

《内容》 推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。 web.kawade.co.jp 「推し」という単語がよく聞かれるようになったのはいつからだろう?私にはピンとこないものですが、池袋あたりで同じ…

つみびと/山田 詠美~私の娘は、その頃、日本じゅうの人々から鬼と呼ばれていた。~

《内容》 灼熱の夏、彼女はなぜ幼な子二人を置き去りにしたのか。フィクションでしか書けない“現実”がある。虐げられる者たちの心理に深く分け入る迫真の長編小説。 この小説は、実際に起きた事件「大阪2児餓死事件」をモチーフにしています。同じくこの事件…

呪われた町/スティーヴン・キング~屍鬼との違いは絶対的な悪であること~

《内容》 幼い頃を過ごした町に舞い戻った作家ベン。町を見下ろす丘の上に建つ廃墟同然の館は昔と同様、不気味な影を投げかけていた。少年の失踪事件、続発する不可解な死、遺体の紛失事件。田舎の平穏な町に何が起きているのか?ベンたちは謎の解明に果敢に…

「17歳力」のある人が、成功する。夢が動き始める54の法則/中谷彰宏~大人は10代を繰り返す~

≪内容≫ 成功している人の共通点は、「10代の記憶」が鮮やかなこと。記憶としてだけでなく、いくつになっても、10代の鮮烈な夢とパワーを持ち続けて生きているから。10代を思い出すことで、今日から人生を変える一冊。【「TRC MARC」の商品解説】 17歳…

本当の貧困の話をしよう/石井光太~貧困とはどういうことなのか?何がそれを生むのか、また貧困が何を生み育てるのか~

≪内容≫ 日本は国民の7人に1人が貧困層。君たちが幸せをつかむために今知るべきこと。最底辺のリアルから始まる「新しい世界」のかたち。人生への向き合い方が「180度変わる」感動の講座。 お金がないという意味での「貧困」も、愛情が足りないという意味での…

思考力/外山 滋比古~知識に丸投げして生きるのはいかがなものか?~

≪内容≫ 頭のいい人とは、博学で教養(知識)がある人というイメージがある。しかし、知識をたくさんもつことは、「本を読んで、頭に入れて、それを整理して、必要なときに出す」ことにすぎない真の頭のよさとは、思考すなわち「それはなにか、なぜそうなのか、…

「性格」のカラクリ: “イヤな他人”も“ダメな自分”も一瞬で変えられる/苫米地 英人

≪内容≫ 性格とは、「対人戦略」である。あなたの常識を覆す目からウロコの性格論。「性格」の正体を知ることで、自分や他人のありのままの姿が見えてくる! 人生の中で一度は誰もが思ったことがあるのではないでしょうか? 自分とは一体どんな人間なんだろう…