深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

書評

女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。/ ジェーン・スー~女らしい見た目ってストイックの象徴以外の何物でもない~

《内容》 断捨離?ミニマリスト?しらんがな!赤い口紅・七分丈レギンス・自撮り・オーガニック・京都・ヨガ…女泣かせの「甲冑」が今日も私を締め付ける! 女の甲冑って洋服のことです。洋服に限らずファッションやメイクにヘアスタイルに体系維持。なんでそんな…

タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子 叫んでもいいですか/辛酸なめ子~美しさや努力が絶対的に肯定されることだから、この2つを手にした人のやることは穢さが見えにくいのだ。~

《内容》 思わず声が出てしまう瞬間を語る。 辛酸なめ子さんというお名前は聞いたことがあったのですが、本は初めて。なんで手に取ったかって、タイトルのイラストのタピオカミルクティーの内容に共感したからwもはやむっちゃむっちゃと永遠に嚙んでてタピ…

本に埋もれて暮らしたい/桜庭一樹~”考え続ける”は才能の一種~

《内容》 旬な作家サクラバカズキの日常と、ドタバタの日々に癒しと活力を与えてくれた本の数々を紹介する、大人気WEB連載の書籍化第4弾。どんなに忙しくったって、やっぱり本がなくては生きてゆけない! のだ。 2011年、10年前の本なんですよね。 でも…

桜庭一樹のシネマ桜吹雪/桜庭一樹~人間というものは本質的に理解できないものかもしれないという”畏れ”こそが映画である~

《内容》 一本の映画で二度三度とおいしい。物語作家ならではの洞察が光る珠玉のエッセイ集。 桜庭さんはこれもそうなんだけど、結構自分の感想が本になることが多い。 本に埋もれて暮らしたい (桜庭一樹読書日記) 作者:桜庭 一樹 東京創元社 Amazon 桜庭さ…

フランケンシュタイン/メアリーシェリー~誰の心にも怪物が住み着いている~

《内容》 若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆ…

背高泡立草/古川真人~心の奥底で感じることこそ向き合うべき自分の運命~

《内容》 草は刈らねばならない。そこに埋もれているもは、納屋だけではないから―。長崎の島に暮らし、時に海から来る者を受け入れてきた一族の、歴史と記憶の物語。第162回芥川賞受賞作。 納屋と言ったら村上春樹。 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫…

小説のように/アリス・マンロー~事件と呼ぶには大袈裟な悪意や人の卑しさを詰め込んだ、スカっとするようでイヤな汗が流れる短編集。~

《内容》 子持ちの若い女に夫を奪われた音楽教師。やがて新しい伴侶と恵まれた暮らしを送るようになった彼女の前に、忘れたはずの過去を窺わせる小説が現われる。ひとりの少女が、遠い日の自分を見つめていた―「小説のように」。死の床にある青年をめぐる、…

カステラ/パク・ミンギュ~なぜこの電車は、人生は、この世は、いつも揺れているんだろう~

《内容》 現代韓国文学の人気作家・パク・ミンギュのロングセラー短編小説集。洒脱な筆致とユーモアあふれる文体で、主人公の若者たちを取り巻く「就職難」「格差社会」「貧困の様相」etcを描きながら、彼ら彼女たちに向ける眼差しを通して、人間存在への確…

推し、燃ゆ/宇佐見りん~あたしというすべてを賭けて推しを推すとき、あたしはいつになく満ち足りている~

《内容》 推しが炎上した。ままならない人生を引きずり、祈るように推しを推す。そんなある日、推しがファンを殴った。 web.kawade.co.jp 「推し」という単語がよく聞かれるようになったのはいつからだろう?私にはピンとこないものですが、池袋あたりで同じ…

つみびと/山田 詠美~私の娘は、その頃、日本じゅうの人々から鬼と呼ばれていた。~

《内容》 灼熱の夏、彼女はなぜ幼な子二人を置き去りにしたのか。フィクションでしか書けない“現実”がある。虐げられる者たちの心理に深く分け入る迫真の長編小説。 この小説は、実際に起きた事件「大阪2児餓死事件」をモチーフにしています。同じくこの事件…

呪われた町/スティーヴン・キング~屍鬼との違いは絶対的な悪であること~

《内容》 幼い頃を過ごした町に舞い戻った作家ベン。町を見下ろす丘の上に建つ廃墟同然の館は昔と同様、不気味な影を投げかけていた。少年の失踪事件、続発する不可解な死、遺体の紛失事件。田舎の平穏な町に何が起きているのか?ベンたちは謎の解明に果敢に…

「17歳力」のある人が、成功する。夢が動き始める54の法則/中谷彰宏~大人は10代を繰り返す~

≪内容≫ 成功している人の共通点は、「10代の記憶」が鮮やかなこと。記憶としてだけでなく、いくつになっても、10代の鮮烈な夢とパワーを持ち続けて生きているから。10代を思い出すことで、今日から人生を変える一冊。【「TRC MARC」の商品解説】 17歳…

本当の貧困の話をしよう/石井光太~貧困とはどういうことなのか?何がそれを生むのか、また貧困が何を生み育てるのか~

≪内容≫ 日本は国民の7人に1人が貧困層。君たちが幸せをつかむために今知るべきこと。最底辺のリアルから始まる「新しい世界」のかたち。人生への向き合い方が「180度変わる」感動の講座。 お金がないという意味での「貧困」も、愛情が足りないという意味での…

思考力/外山 滋比古~知識に丸投げして生きるのはいかがなものか?~

≪内容≫ 頭のいい人とは、博学で教養(知識)がある人というイメージがある。しかし、知識をたくさんもつことは、「本を読んで、頭に入れて、それを整理して、必要なときに出す」ことにすぎない真の頭のよさとは、思考すなわち「それはなにか、なぜそうなのか、…

「性格」のカラクリ: “イヤな他人”も“ダメな自分”も一瞬で変えられる/苫米地 英人

≪内容≫ 性格とは、「対人戦略」である。あなたの常識を覆す目からウロコの性格論。「性格」の正体を知ることで、自分や他人のありのままの姿が見えてくる! 人生の中で一度は誰もが思ったことがあるのではないでしょうか? 自分とは一体どんな人間なんだろう…

ルポ貧困女子②/飯島 裕子~美人で、仕事が出来て、子供もいるという状況が努力すれば手に入るなんて思ってないよね?~

≪内容≫ 就職氷河期以降の若年層が抱える困難、いまだに根強い日本の男女差別。その両方を抱えながら、働くことも、結婚して子どもを産み育てることも期待されているのが、いまのアラフォー/非正規/シングルの女性たち。「一億総活躍社会」の掛け声の陰で、困…

ルポ貧困女子①/飯島 裕子~選んだ貧困とならざるを得ない貧困~

≪内容≫ 就職氷河期以降の若年層が抱える困難、いまだに根強い日本の男女差別。その両方を抱えながら、働くことも、結婚して子どもを産み育てることも期待されているのが、いまのアラフォー/非正規/シングルの女性たち。「一億総活躍社会」の掛け声の陰で、困…

東大教授がおしえる やばい日本史~「すごい」人は、同じくらい「やばい」人~

≪内容≫ 歴史ってすごいばかりじゃたのしくない。日本の歴史を作った「すごい」人は、同じくらい「やばい」人だった。 こういうの大好き。 日本史じゃないけどゲーテの恋愛遍歴とか頭おかC-!と思ってめちゃくちゃ好きです。今だったら一般人でもヤフーニュー…

察しない男 説明しない女/五百田達成~同じ日本人でも言葉が通じないのは男と女は異星人だから~

≪内容≫ どうしてわかってくれないの!?言ってくれなきゃわかんないよ!このひとことで、仕事も家庭も恋愛もうまくいく!あなたのコミュニケーションは男タイプ?女タイプ?チェックリスト付。 チェックリストの結果、ド女だったw身近な男性ってお父さんしかいな…

死の棘/島尾 敏雄~他人を愛せても他人の人生を自分の人生にすることはできない~

≪内容≫ いまこそ読むべき不倫小説の名作『死の棘』 異様に疑り深い妻との神経戦を味わう 思いやり深かった妻が夫の〈情事〉のために神経に異常を来たした。ぎりぎりの状況下に夫婦の絆とは何かを見据えた凄絶な人間記録。 なんで不倫とか浮気がダメかって、…

シャイニング/スティーブン・キング~誰の世界にも起こりうる恐怖は人の心から生まれる~

≪内容≫ 世界でもっとも恐ろしいホラー小説。その称号にふさわしい作品が、『シャイニング』。予知能力を持つ5歳の少年と両親に降りかかる怪異。ホテルの浴槽に、廊下に、鏡に、忌まわしいものが潜む。怪音がどおんどおんと轟き、青い炎がREDRUMのかたちに燃…

エレンディラ/G・ガルシア=マルケス~男に閉じ込められた祖母と男によって新たな世界に飛び出した少女~

≪内容≫ コロンビアのノーベル賞作家ガルシア=マルケスの異色の短篇集。“大人のための残酷な童話"として書かれたといわれる6つの短篇と中篇「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」を収める。 小説家とは何が決めるのか、面白さか奇抜さか…

デーミアン/ヘルマン・ヘッセ~勇敢で気骨のある人物は、他の人から見たらいつでも気味が悪かったのさ~

≪内容≫ 些細な嘘をついたために不良に強請られていたエーミール。だが転校してきたデーミアンと仲良くなるや、不良は近づきもしなくなる。デーミアンの謎めいた人柄と思想に影響されたエーミールは、やがて真の自己を求めて深く苦悩するようになる。少年の魂…

ナラタージュ/島本理生~心の中に大切に思う誰かがいるからこそ目の前の人を大切にすることができる~

≪内容≫ お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある―大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。後輩…

マチネの終わりに/平野 啓一郎~大人だから言えること、大人だからできないこと~

≪内容≫ 天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。深く愛し合いながら一緒になることが許されない二人が、再び巡り逢う日はやってくるのか――。出会った瞬間から強く惹かれ合った蒔野と洋子。しかし、洋子には婚約者がいた。スランプに陥りもがく蒔野…

テレーズ・デスケルウ/フランソワ・モーリアック~、どんなときでも自分を見失うまいとし、自分をみつけずにはいられない女は罪なのか~

≪内容≫ 自分の夫の毒殺を計ったテレーズは、家の体面を重んじる夫の偽証により免訴になった が、家族によって幽閉生活を強いられる。絶対的な孤独のなかで内なる深淵を凝視するテレーズは、全ての読者に内在する真の人間の姿そのものなのだろうか―─遠藤周作…

ぼぎわんが、来る/澤村伊智~和洋折衷な民間伝承ホラー、我慢しようが耐えようがその呪いからは逃げられない~

≪内容≫ “あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”とい…

アントニーとクレオパトラ/シェイク・スピア~今も昔も他人の痴話げんかほど耳が痛いものはない~

≪内容≫ シーザー亡き後、ローマ帝国独裁の野望を秘めるアントニーはエジプトの女王クレオパトラと恋におちる。妖女の意のままになったアントニーはオクテイヴィアスとの大海戦に敗れ、クレオパトラ自殺の虚報を信じて自殺する…。多様な事件と頻繁な場面転換…

第三の嘘/アゴタ・クリストフ~読書は何かを得る、というより何を持っていないのかということを突きつけてくる。~

≪内容≫ ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実…

ふたりの証拠/アゴタ・クリストフ~自分の地獄は人には見えない~

≪内容≫ 戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―…