深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】ブラッド・ダイヤモンド~アメリカ人の女のためにアフリカで血が流れる~

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f:id:xxxaki:20181209192524j:plain≪内容≫

 1999年、アフリカのシエラレオネ共和国。ダイヤの密輸に手を染める元傭兵と貧しいながら幸せな生活を送る純朴な漁師。交わるはずのなかった二人の人生が、運命に翻弄され動き始める。

 

  この作品、レオが出てるから観ようと思ったのですが、観てみたらアフリカ人の父親と息子がすごくいいんです。レオももちろんかっこいいけど、彼は呼び水としての才能も抜群なんだな、と思いました。

 

見捨てられた土地で

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 元白人傭兵のアーチャー(レオ)はダイヤの密輸をしてたが、政府軍に捕まってしまう。留置所に着くと、何やら黒人がモメていた。どうやら1人の黒人が貴重なダイヤモンドを見つけてどこかに隠したらしい

 アーチャーはそのダイヤを横取りするために、その黒人・ソロモンに近づく。

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 ソロモンがダイヤを発見したのは、反政府武装勢力(以下RUFと書きます)によって村を襲われ、そこで家族と離れ離れになりソロモンは労働力として捕まったからなのだった。

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 しかもソロモンの大事な息子・ディアはRUFに捕まり少年兵として訓練されていた。

 ドラッグ、酒、煙草、そして殺人。ディアは次第に家族のことを忘れてしまうのだった。

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 アーチャーが飲み屋で出会ったマディーはジャーナリストだった。彼女は内戦の原因であるダイヤの動きを知るべくアーチャーに迫る。しかし、アーチャーにとってダイヤの密輸は生きる術であった。アーチャーはマディーの熱意に押されるも、それは自分にとっての生死に関わることを知っている。

 

上辺だけの情報だわ

 

ハエがたかってる栄養失調の黒人の赤ん坊
母親の死体 切断された手足
見慣れた光景よ

泣く人もいる
寄付する人もいるかもね
 
でも何も止められない

 

ウンザリだけど
ほかに書くことがないのよ

 

事実が要るの
名前や日付 写真が要る
銀行口座も

 

命が犠牲になると知れば指輪を買う人はいない

でも記事にするには裏が取れる証拠がなければダメ

 

 アーチャーはマディーとソロモンと出会ったことで、変わり始める。アーチャーはこの内戦の構造を知っている。しかしそれでも告発しなかった大部分は諦念だと思う。

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 しかしソロモンの息子への愛情に胸を打たれたり、村人たちが無残に襲われている様子に怒りをあらわにしたり、アーチャーは狡猾にはなれなかった。

 

 自分の国にダイヤモンドがあり、ダイヤモンドが世界的な価値となったばかりに、平凡な生活から一転、地獄に陥ることになってしまったソロモン一家。

 なんとか息子・ディアと再会するも、少年兵の訓練とドラッグによってディアは二人に銃を向ける。

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 元傭兵の力でソロモンとディアを守り続けたアーチャー。彼は今まで自分が生きるために生きてきて、その為に嘘をついたり騙し合いの駆け引きを繰り返していました。

 だけど今、彼が笑顔で眺めているのは彼が守った二人の親子の帰還だったのでした。

  内戦って深い傷を残すよなぁ・・・たぶん。