≪内容≫
新宿・歌舞伎町のラブホテル。店長の徹は一流ホテル勤務とウソをつき仕事をしている。彼はミュージシャンを目指す沙耶と同棲しているが、ちょっぴり倦怠期ぎみ。徹の働くラブホテルにはさまざまな人々が集まってくる。ベテランの掃除人、その夫で時効を待つ指名手配犯、彼氏に内緒で働くデリヘル嬢、その娘に入れあげるサラリーマン、風俗嬢のスカウトマン…。ある日徹は、客から連絡を受けて向かった客室で、沙耶に出くわし…。
えっ・・・面白い!!!
なんか邦画の魅力満載って感じだった・・・けど私が邦画久しぶりだからかな?かなり良かった。
ラブホとかいう魔界
まず一組目は、あっちゃんの「ねぇ・・・しよ?」が衝撃的だったこのカップル。デビュー間近のギターボーカルのあっちゃんと、一流ホテルのホテルマンの彼氏。
問題点は、二人がセックスレスであり、彼氏側にそういう欲求がないこと。
二組目は母国韓国でお店を開くための資金を日本で稼ぐ韓国カップル。女性の方が先にお金が貯まったので帰りたいから一緒に帰ろうと誘われる彼氏だが、彼は自分の分が貯まってないから帰れないと断る。
二人の間に溝が生まれ始める。
三組目は時効まであと38時間。それまでの間ずっと二人で身を隠してきたカップル。この二人は恋愛的には問題はないが、残り38時間平穏無事に過ごせるかどうかが問題。
この三組が基本のカップルです。
あっちゃんの彼氏は一流ホテルと嘘をついてラブホテルで雇われ店長をやっていました。そこの従業員の一人が、時効待ちのカップルの女性。そしてこのホテルをデリヘルの場として使っているのが韓国カップルの女性だった。
ラブホだからもちろん他にもお客はやってくる。
家出少女を風俗に落とし込む仕事をしてる男や、警察不倫カップル、それに店長の妹がAVの撮影としてやってきたり、枕営業のためにやってきたプロヂューサーと新人歌手とか、デリヘル嬢の待ち合わせとか。
一見関わりのない他客っぽいのだけど、実は基本のカップルたちと大きく絡んでいく人たちにもなります。
自分の妹がAVやるのは反対だけど、それを辞めさせてやれるだけの金もなく、彼女がプロデューサーと寝るのも止められるほどの責任を持てない。
一流のホテルマンになりたいけどなれなくてしょーがなくやってる雇われ店長。ラブホテルの付近では今日も誰かが身体を売ってるし、売れなくなった女は殺されるし、誰かが誰かを騙そうとしたり、強いものが弱いものを支配して、正義を謳う公務員は道徳からはるか遠い場所へ・・・こんなん思ってた未来じゃねええ!!!
とキレた店長であった。
群像劇ってあんまり好きじゃなかったんですが、これめちゃくちゃ面白かったです。ラブホテルっていう隠された場所だからかな?
個人的に韓国カップルの男の方も、ホステスの相手をしておこづかいをもらっていたと彼女に告白するシーンがグっときました。なんかリアルっぽい・・・。
自分が自分のしたいように生きることが出来てないから、結局誰のことにもコミットできない店長のジレンマ。ヒモになれないってこういう人だと思う。店長がんばれ!