≪内容≫
企みを胸に秘めた美人双子新婦、プランナーを困らせるクレーマー夫妻、新婦に重大な事実を告げられないまま、結婚式当日を迎えた新郎……。人気結婚式場の一日を舞台に人生の悲喜こもごもをすくい取る。
タイトルからしてハッピーエンドになるとは分かっているのですが、そうとは感じさせない出発です。
ただ辻村さんに慣れてきたのか「はいはい、絶対ハッピーエンドだから、それには絶対理由があるから!」みたいな絶対ハッピーエンド思考になって読んでしまい、ワクワク感とかより「ねえ!大安っていうくらいなんだからハピエンなんでしょ!?そうよね!?」という自分の気持ちを確かめるために読んだ・・・みたいな雑な読書になってしまいました。
本書は子どもたち~の狐塚くんと恭司が出てきます。
いろんな結婚式
こんなにいろんな結婚式があるのねー!ってびっくりでした。
本書はウエディングプランナーの山井多香子と4組のカップルのお話。
・双子の新婦(一卵性双生児)
・昔の恋敵の新婦(訳ありクレーマー女)
・白雪姫の新婦(年の差、格差婚)
・妻のいる新郎(不倫)
妻のいる新郎ってこれにも出てきたなぁ。
まぁ色んな問題があるけれど、結局うまくまとまりまっせ!
それが大安の効力ナリ!!という話です。
ほんとね、結婚式をするくらい他人を巻き込むんだから幸せになってくれなきゃ困るよ!って思っちゃいますよね。
女性にとって結婚式は重要なイベントらしいのです。
そんな晴れの日をそれぞれの新郎新婦が、小さな秘密から大きな罪まで持ち込んでくる。だけど本日は大安なり。
小さな秘密も大きな罪も、大安という力が見守ってくれる。
結婚という変化
結婚とは、他人が血の中に入り込んでくることです。
私は初めて実感しました。
結婚とは、完璧だった私たちの中に、よくも悪くも他人が介在することなのです。
家が変容するということなのです。
りえちゃんはうちからいなくなるんだなあという気持ちがこみ上げてきた。もう今までみたいに一緒にビデオを見たり、ゲームをしたりすることはなくなる。
胸がまだ、もやもやする。
急に鼻の奥がつんとなって、慌てて顔を下に向けると、朝、あんなに嫌でたまらなかったぶかぶかの靴が、芝生の土がついて汚れていて、誰にともなく、やった、ざまあみろって気持になった。
送る側は祝福だけじゃなくて寂しさも感じますね。
結婚式はやはり新婦が主役なので新郎側の親族の心情は分かりませんが、やはり新婦側からしたら「男の人に取られちゃった」という感じが少しくらいはあるのかもしれません。
口では「あんたの彼氏なんて興味ないしー!」と言い合っていても、いざ結婚とか大事になると「この人に姉(妹)を任せて大丈夫かしら・・・?」みたいな謎の使命感が生まれるという。笑
なんだかんだ、家族には幸せになって欲しいんですよね。
そのせいで、つい過干渉になってしまったり、強い言葉を使ってしまったりする。
離婚なんて結果論で、上手くいくかいかないかなんて誰にも分らないんだし。
本書は家族側の寂しさも描かれていてジーンとしてしまいました。
妻のいる新郎の話は、ほんとうにバカだなぁ・・・と思って読んでいました。だけど、きっとうまくいくだろうなぁ、とも思った。
家族になるって別の言い方をすれば逃げ場がなくなるってことにもなるかもな、と思う。家族っていう運命共同体から一人逃げ出すことは出来ない。
どこまでも繋がっているから。
そんで、やっぱり女性は強い!笑