≪内容≫
無邪気な偽造誘拐から予期せぬ冷酷な殺人事件へ。凶悪犯を追う妊婦の警察署長マージが見た衝撃の結末とは!?
映画の言葉“人生はもっと価値があるのよ こんないい日なのに"
冒頭に「実際に起きた事件」ってテロップが出るんですけどね、全然創作だそうですw創作と言われれば「だよね!こんなのが実際にあるわけない!」って思うけど、実際に起きた事件と言われれば「恐ろしい・・・こんなことが・・・」とそれはそれで納得しそう。ったく、日常生活で自己選択してることなんて一個もないんだきっと。
淡々と進む悲劇
この映画、監督のコーエン兄弟が有名らしくwikiを見る限りハードボイルドが好きなのかな?と思いました。この監督の作品で見たことがあるのはノーカントリーだけだけど。
本作は、女房の狂言誘拐を企む夫だったが、ことごとく計画は失敗し多くの人が死んでいく、という文字にするとえげつない内容である。
自動車販売店の社長の娘と結婚した夫は、義父からの信頼がなく、お金を作り出す能力がない。夫は整備工場にいる刑務所経験のある男に紹介されたチンピラに狂言誘拐の依頼をする。
吝嗇な義父も娘の命と引き換えと言われれば金を出すだろうと考えていたが、義父は渋り、警察に通報しようと提案する。
しかも100万→50万で交渉しよう、と言い出す始末。
なんとか義父に100万用意させるが、受け渡しには義父自らが「俺の金なんだから」と言って赴くことに。犯人と共犯である夫がくることになっていたはずなので、チンピラたちはパニックになり、銃をぶっぱなしてしまう。
一方、無差別に殺された人たちの状況から犯人を追跡する刑事は、身重でつわりもある妊婦の警察署長だった。
キャラクターが濃いのでそれだけでコミカル色が強く、スプラッタシーンもありますが、暗くなりすぎない作品になっています。
金によって破滅の道を歩むこととなったチンピラと夫。そしてその道を彩る死体となってしまった通行人たち。
その整備をするのは新たな命を待つ女性。
妊婦署長の言う「こんないい日なのに」が主観的で痛快。疎ましい雨も旱魃の地では歓迎される。ノースダコタ州の都市ファーゴには、一部に旱魃地域があるようだ。確かにハードボイルド好きにはたまらない作品だなぁ、と思う。