深夜図書

書評と映画評が主な雑記ブログ。不定期に23:30更新しています。独断と偏見、ネタバレ必至ですので、お気をつけ下さいまし。なお、ブログ内の人物名は敬称略となっております。

【映画】アシュラ~生まれたから生きるのに~

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《内容》

「絶対にアニメ化できないマンガNo.1」といわれた鬼才・ジョージ秋山原作『アシュラ』が劇場アニメ化!
さとうけいいち監督が放つ新たな衝撃作、オールスターキャストが生み出した世紀の傑作が早くもBlu-rayで登場!人間とは、生きる意味とは、そして生きていくための強さとは――。
眼を、そむけるな。

 

いい作品だとは思うのですが、それだけで終わらせてしまってよいのか?もっと自分の中で内省すべきものがあったのではないのか?ともんもんしております。

原作読もうかな…。

 

自分のためだけに生きるということ

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 内容は

 

15世紀中期、相次ぐ洪水、旱魃、飢饉で荒野と化した京都。それに追い討ちをかけるように始まった日本史上最大の内戦・応仁の乱。
その死者数・行方不明者はあまりに膨大で、歴史のページには刻むこともできなかった。こんな時代に産み落とされたアシュラは、ケダモノとしてサバイバルを続けながら生き抜いていく。そんな時一人の少女・若狭の優しさと愛、そして法師の教えに触れ、アシュラは次第に人間性を備えていく。言葉を覚え、笑い、喜ぶ日々。しかしそれは苦しみと悲しみの始まりでもあった。やがて天災と貧困が起こり、人間性を失っていく人々。ついには若狭さえも……。果たしてアシュラの運命は?

 

  こんな感じで、アシュラは生まれて母に育てられたけれど、大飢饉ゆえに母に焼いて喰われそうになるんです。でも、アシュラは生き残り母は死んだ。

 たった一人で生きていくためにアシュラは人の肉を喰らった。そして若狭という一人の優しい女性に出会い、感情を覚えていくのであった。

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 だけど、若狭は母でもなく兄弟でもなく恋人でもない。

 ただ通りすがりにアシュラを認め、気まぐれに優しくしただけであった。若狭は恋人との逢瀬が増えるとアシュラから離れていった。

 アシュラはその男に刃を突き立てる。そして若狭から嫌われる。しかし、若狭が餓死寸前のことを知ると、馬の肉をもって若狭を助けに来るのだった。

 

 しかし、今まで自分の欲望のために人肉を喰らい、若狭の恋人を傷付けたアシュラは若狭にとって信じるに値しなかった。

 どれだけアシュラが「人肉ではない、馬の肉だ」と言っても、若狭は信じなかった。大好きな人に信じてもらえない悲しみはアシュラの心に強く響いた。

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  ただ生まれただけなのに、親に殺されそうになり、その後は住む家もなく食べるものも奪うしかなかったアシュラ。

 家族がいる人間より倍以上の苦しみと努力で生き抜いてきたのに、前からも後ろからも自分を殺そうと目を輝かせた村人が追ってくる。

 

 自分のためだけに生きてきたアシュラだから、他人のことを思ってもその思いは届かない。あまりに残酷すぎる人間社会である。

アシュラ

アシュラ

  • メディア: Prime Video
 

  親がいて、その親が自分を育てるって当たり前じゃないんだよなって思うし、それは自分の努力で得たものじゃないのにものすごい価値になるんだよな。いつまでたっても納得できんな。